政府は13日、緊急事態宣言の対象地域に、大阪、兵庫、京都の近畿3府県と、愛知、岐阜の東海2県、福岡、栃木の計7府県を追加する方針を決定。期間は、首都圏の1都3県と同じく、来月7日までの方針です。これを受け、衆参両院の議院運営委員会で西村経済再生担当大臣から対象地域や期間などの報告を受け、各党の質疑を行いました。

 参院では立憲民主党から森本真治議員が質疑に立ち、冒頭、緊急事態宣言の発出について慎重に対応する必要があると発言していた菅総理が急転直下に、対象地域を事前に報道等で言われていた近畿3府県のみならず急きょ7府県に拡大したこと、内容についても外出自粛の時間をめぐり総理の発言と西村大臣の発言が一致しないなど、国民にとって分かりづらいことが続いていると指摘。「総理自身にしっかりと説明していただかないと国民の皆さんに響いていない状況があるのではないか。本日も総理に来ていただけないのは忸怩たる思いだ」と述べました。

 その上で、今回緊急事態宣言を出さなければいけない状況になっている要因として、医療施設、病床のひっ迫を挙げ、「ステージ4の指標に達している自治体が全国で11府県あり、医療崩壊の状態だと言われる方もいる」と危機感を表明。昨年12月25日に発表した、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の患者を治療する病院への新たな支援策、重症者向けの病床1床あたり最大1500万円の補助により、新たに協力するとの申請が10件にとどまっていることを確認すると、「全病院の8割を占める民間病院のなかでCOVID-19対応が可能としているのは2割弱、一方で公立病院は約7、8割が対応可能である。今後例えば支援金のインセンティブだけでなく、公立病院の受け入れ態勢を強化する。これまで公立病院の通常診療を民間が支えるなど戦略的な医療体制の構築整備を考えていく必要があるのではないか」と提起しました。

 森本議員はまた、不要不急の外出要請に関し、緊急事態宣言発出後も昼間の外出が減っていないとあらためて指摘。「飲食店への時短営業の要請だけでいいのか」とも問いかけ、このままでは(対象期間の)2月8日までに結果が出ないと訴えました。

 西村大臣は、「今回の対応措置は、飲食店に対する20時までの時短のお願いとあわせて、飲食につながるような人の流れを削減していかなければいけず、テレワークの7割を経済界にお願いしている。こうした措置は昨年春と同等の措置で、かなり厳しいことを国民の皆さんにお願いしている。事業者、国民の皆さんに共感を持っていただけるようお願いしながら、事業者の皆さんには支援策を講じることで減少傾向に転じさせられるよう全力を挙げていきたい」と答えるにとどまりました。

 森本議員は、自粛の要請とともに補償の徹底が必要だと強調。雇用調整金の特例措置およびCOVID-19対応休業支援金・給付金の延長に加え、2020年度第3次補正予算については、緊急事態宣言が発出されるなかGoToトラベル事業や国土強靭化関連の組み替えをする必要があると迫り、「与野党超えてしっかり臨んでいくためにも特措法改正についてわれわれの声もしっかり反映させてもらいたい」と求めました。