衆院予算委員会で4日午後、2021年度本予算に対する基本的質疑がおこなわれました。
 立憲民主党から質問に立った黒岩宇洋議員は、総務省の幹部4人が、衛星放送関連会社に勤める菅総理の長男から、接待を受けたと週刊誌で報じられたことについて、事実であれば公務員倫理規程違反にあたるとし、菅総理に事実関係をただしました。

 菅総理は「総務省が調査中だ。長男は民間企業に勤めている会社員で、会社側の調査に対応している」と答弁し、総理自ら、親族の疑惑を明らかにする姿勢は見られませんでした。

 黒岩議員は新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、安倍前政権から続いている政府・与党の「政治とカネ」の問題によって、「国民からの信頼を損なっている」と述べ、菅総理の著書から「国民の『当たり前』を私が実現する」という一節を引用し、「国民の当たり前」から菅総理の意識が著しくかけ離れていると批判しました。

 黒岩議員は接待を受けたとされる総務省幹部の1人である秋本芳徳情報流通行政局長から、昨年12月10日、六本木の小料理屋で菅総理の長男から接待を受け、タクシーチケットと土産を受け取ったという事実を確認しました。秋本局長は「会食のメンバーに利害関係者が当初いないと認識していたが、その後、会食費を返金した」と答弁しました。委員会出席を求めた谷脇康彦総務審議官と吉田真人総務審議官は与党の反対により出席しませんでした。

 黒岩議員は菅総理が総務大臣を経験し、当時長男を政務秘書官に任命していた経緯を述べ、総務省幹部がコロナ禍にもかかわらず、複数回菅総理の長男の接待に応じたことは、菅総理の影響力が少なからずあったのではないかと言及し、引き続き事実関係を追及していく考えを示しました。