衆院予算委員会で17日、集中審議がおこなわれ、「立憲民主党・無所属」から阿久津幸彦議員が質問に立ちました。阿久津議員は(1)諸外国と比べたワクチン接種の遅れ、検査数の少なさ(2)菅総理の各国首脳との関係(3)大企業の非正規労働者への休業支援金・給付金の支給――について質問しました。

 阿久津議員は菅総理就任から155日目だと述べ、何が最大の課題かを尋ねると、菅総理は「コロナの収束です」と答えました。2日の総理会見で英国の軍事専門誌記者が、なぜ日本でワクチン接種が遅れ、国内ワクチンを開発できず、他国と比較してPCR等の検査数が少ないかを質問したことが的を射ていたと紹介し、日本のワクチン接種開始時期がG7の中で最下位の7番目でOECD37カ国中33位、日本のPCR検査は人口比あたり138位という実態を示しながら、どこに問題があったのかを問いただしました。その上で、立憲民主党が提案するzeroコロナの提案をパネルで示し、政策の転換を求めました。

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 阿久津議員は外交について菅総理が「首脳間の個人的信頼関係が重要」との認識を示していたことに触れ「ファーストネームで呼び合える首脳は何人いるか」と尋ねました。菅総理は、「3人。(私との間で)米国のバイデン大統領をジョー、オーストラリアのモリソン首相をスコット、英国のジョンソン首相をボリス」と呼び合うことにしたと答えました。また、政府がワクチンの現物の確保について対応が足りなかったのではないかとの批判があることから、バイデン米国大統領との2度にわたる電話会談でワクチンの供給について話したかを尋ねると、菅総理は「コロナ対策、気候変動、尖閣諸島等を含め外交安全保障について話し」基本的な部分で一致したと答えました。また、16日に英国のジョンソン首相との電話会談について「コロナについてお互いに情報を提供していこうという話をした」と明かしましたが、ワクチンの現物確保の要請や変異株の感染状況など詳細について話したかは明言しませんでした。阿久津議員は、首脳間同士でより具体的な話をすべきではないかと問いかけましたが、菅総理は「外交ルートで米国、英国とも(電話会談の)事前・事後に詰めていると報告を受けている」と述べ、自ら交渉する意向を示しませんでした。

 次に、大企業に雇用されている非正規労働者を休業支援金・給付金の対象に加えることを取り上げ、大企業の非正規労働者で1月29日に菅総理と面会した方からの手紙を読み上げました。その中で、菅総理の力強い答えに期待していたのに、厚生労働省から発表されたのは、遡及される対象期間が昨年の4月から6月までの3カ月で、給付額も休業前賃金の6割でしかなかったことから「話が違うじゃない」と落胆した様子が切々とつづられていました。それに対し、菅総理は「企業の雇用維持の取り組みについては、雇用調整助成金の特例措置を講じて休業手当の支払いを支援するというのが基本だ。その上で、大企業に雇用されて休業手当を受け取りづらい勤務形態の方も休業支援金の対象にすることを指示した」と述べるにとどまりました。阿久津議員は、「もうひと工夫、使いやすいようにお願いします」と要請し、質問を終わりました。

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