枝野幸男代表と福山哲郎幹事長は17日、日本労働組合総連合会(連合)の神津里季生会長、相原康伸事務局長と都内にある連合会館で会談。4月25日投開票の参院長野選挙区と衆院北海道2区の補欠選挙および参院広島選挙区の再選挙の、3つの選挙勝利に向けて協力を要請、一致協力することを確認し合いました。
会談後、記者団の取材に応じた枝野代表はまず、参院長野選挙区の補欠選挙で、立憲民主党の公認候補予定者が結んだ政策協定をめぐり、経緯や内容について連合側から善処を求められていた件について、「党本部としては拘束されるものではないと申し上げてきたが、連合や連合長野の皆さんにも大変なご協力をいただき、地元での調整が整ったと伺った。あらためてこの間の経緯についてお詫びとお礼を申し上げた。こうしたことを起こさないよう、地方組織などで外部の皆さんといろいろなことがあるときには、必ず党本部と相談をするように選対委員長から徹底させていただくと申し上げた」と説明。同日午後、公認候補予定者と連合長野は参院長野補選に向けて政策合意文書を締結、正式な推薦を決めていただいたと話し、「前に進んでいく状況だ」と力を込めました。
会談ではあわせて、公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里元参院議員の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙で、新人でフリーアナウンサーの宮口治子さんを16日、党として推薦を決定したと報告。双子の1人が障がいを持つという、子育てなどで苦労した経験を活かし、政治とカネまみれの政治から暮らしに寄り添った政治へと変えていく、象徴的な候補者だと紹介したとして、「北海道と長野と合わせて、ぜひ3つの選挙で政治の流れを変えていきたいと連合の皆さんにご協力をお願いさせていただき、『全力を挙げて応援する』という趣旨の話をしていただいた」と述べました。
また、現在審議中の2021年度予算が成立すると、いつ衆院の解散総選挙になるか予断を許さない状況であることから、あらためて各地域での地方連合の皆さんとの連携を深めることを含め、総選挙に向けて協力をお願いしたと話しました。
記者団から「同性同士が結婚できないことは憲法違反だ」として、複数の同性カップルらが国を訴えていた裁判で、札幌地方裁判所が同日、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると、日本で初めて違憲判決を下したことを受け、あらためて所感を問われた枝野代表は、「コメントした通り、大変画期的で大事な判決だと受け止めている。裁判の当事者の皆さんだけでなく、多くの皆さんが、判決でも14条違反だとの指摘を受けたが、まさに差別というか、対等な扱いを受けていないことでご苦労をされてきた。これに対し立法府がしっかりと答えを出す時ではないかとあらためて痛感した。法律を学んだ立場としては、『14条で来るか、なるほど』と、判決を伝えられて非常に腑に落ちた。法理論的にも素晴らしい判決だったのではないか」と述べました。
首都圏1都3県で継続している緊急事態宣言について、政府が21日の期限で宣言を解除する方向で最終調整を進めていることについては、「解除するにあたって、どのような対応をするのかがまだ明らかになっていない。それ次第というところはあるが、今日も東京では新規感染者数が400人を超え、完全にリバウンドの局面に入ってきているなかで、再び感染者が急増し、3度の緊急事態宣言発令ということになるようなことがあれば、それこそ総辞職ものだ。そのことを分かっていらっしゃるのかどうか、それくらいこの緊急事態宣言などに伴い、事業者は事業を継続できず、生活困窮者は暮らしが成り立たず、命の危機にさらされている。次はもう許されないという覚悟があるのかどうか、しっかりと見極めていきたい」と指摘しました。