参院本会議で26日午後、2021(令和3)年度予算三案の審議がおこなわれ「立憲民主・社民」を代表して宮沢由佳議員が反対の立場から討論しました。

 宮沢議員は予算に反対する理由が3点あるとし、第1の理由として、新型コロナウイルス感染症対策に関しての予算があまりにも弱く小さいことを挙げました。変異株も含め、ウイルス感染の第4波が起こるのか、まったく先が読めない中、「感染防止対策と医療支援、そして生活者・事業者支援を集中的に展開し、感染拡大の波を十分に収束させ、その状態を継続させることで感染を封じ込め、早期に通常に近い生活・経済活動を取り戻す『zeroコロナ』の道を選択すべきだ。特別定額給付金を生活困窮者やコロナの影響で家計が急変した方々を対象に再度支給するとともに、持続化給付金を改善し、支給要件の緩和と事業規模に応じた支給」を実施すべきだと主張しました。

 一方、菅内閣の新型感染症へ対応は、あまりにも小出しになっており、コロナ禍の根本的な解決には至っていないと述べました。そして、立憲民主党が衆院に共同提出した予算組み替え動議や法案で提案した、(1)医療機関支援のさらなる拡充(2)医療・介護従事者と、自費で検査した後の精算も可とする希望するエッセンシャルワーカーへの定期的公費検査実施(3)感染者の周辺をより広く無料で検査すること(4)新型コロナの治療薬の創薬支援(5)生活困窮者に対する給付金の支給(6)持続化給付金・家賃支援給付金の再給付および減収要件等の要件緩和(7)休業協力金や一時支援金の要件緩和、及び事業規模に応じた支援の実施、無利子無担保融資枠の拡大・延長、雇用調整助成金特例の6月までの延長――などについて、再び検討するよう総理に求めました。

 第2の理由として、必要な予算は少なく、必要でない予算が多く計上されていることを挙げました。カジノ関連予算等、いま必要でない予算が入っている一方で、保育士・幼稚園教諭、介護・障がい福祉従事者等の処遇改善、DV被害者支援、若年被害女性等支援事業の推進、性犯罪・性暴力被害対策の推進、自殺対策の推進など、国民の命と健康を守るために、すぐにでも着手すべき予算が手薄であると指摘しました。宮沢議員は「困っている人に自分のことのように寄り添う、助け合うことは日本人の素晴らしいところ。しかし、今回の予算案は、助け合いの精神が余りうかがえない、さすがは自助第一主義の菅内閣の予算案だと思う。国民は、国難のときだからこそ、国に、温かい、公助の予算を切実に求めている。すべての課題には『とき』があると思う」と述べ、総理に再考を促しました。

 第3の理由として、度重なる行政の不祥事、行政が歪められている疑いがまったく解明されていないことを挙げました。宮沢議員は、2018年の参院改革協議会報告書において「これまで取り組んできた決算審査の充実とともに、行政の適正な執行を監視、監督することを活動の柱の1つとし、行政監視機能の強化に議院全体として取り組む」ことを決めていることを取り上げ、「与党自民党は、政府に都合の悪い参考人は呼ばない、文書資料の提出も認めない、これで行政監視ができるのか。行政監視機能の強化ではなく弱体化に加担していると思われても仕方ない」と指摘し、自民党の座長のもとに決めた報告書に沿った対応を自民党に求めました。

 森友問題では政府側が139回も、「桜を見る会」問題では安倍前総理が118回も虚偽答弁をおこなったことを振り返り、「国会で虚偽答弁など、決して許されない。疑惑があれば政府はきちんと事実を説明し、関係文書を提出する。その責任が果たされないなら、私たちは厳しく政府を監視、疑惑を解明することができない。まさに民主主義の危機だ」と強調しました。

 今国会でも総務省の接待問題などで大臣や官僚が不誠実な答弁を繰り返したとし、「総理のご長男も関係した接待に関しても、総理自身、別人格として何もお答えにならない。これで行政を監視できますか。総理、私たちの貴重な審議時間を返してください」と迫りました。

 宮沢議員は「予算案が政治家、官僚と業者が癒着した、業者のための予算案になっていないか、まったく分からない。この予算案に私たちが反対する大きな理由の一つは、まさに菅内閣の説明責任放棄にある。菅内閣は、説明を求めても『答えない』、『書類はない』『記録はない』、挙げ句の果てに『記憶がない』との答弁ばかり。これは国民に疑念を抱かせる行為であり、国会軽視も甚だしく断じて許されることではない。この国民と向き合おうとしない、菅内閣の姿勢は、内閣総辞職に値する」と厳しく批判し、討論を締めくくりました。

 各会派の討論終局後、2021年度予算3案の記名採決がおこなわれ、与党などの賛成多数で可決、成立しました。

参院本会議 予算反対討論(予定稿).pdf

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