ジェンダー・ギャップ指数2021の公表にあたり(コメント)

ジェンダー平等推進本部長
大河原雅子

 世界経済フォーラムは、本日、ジェンダー平等の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ指数2021」を公表しました。日本の順位は、2020年版では153か国中121位と過去最低、本年は156か国中120位でした。特に日本が世界の中で立ち遅れているのが、政治経済の分野です。日本の女性国会議員(衆議院議員)の割合は9.9%で、OECD加盟国平均(29%)の約3分の1にとどまります。女性閣僚の割合はOECD加盟国(37か国)中36位です。日本のジェンダー・ギャップの大きさは、コロナ禍で、多くの非正規労働女性が職を失い、女性の家事・育児・介護の負担やDV被害が増大するなどのかたちで一層明らかになっています。
 日本政府は、2003年、「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」との目標を掲げました。しかし、目標を示しただけで、ジェンダー・ギャップを解消するために必要な法制度の改革を行わなかったことから、世界的にジェンダー・ギャップが解消されていく中で大きく立ち遅れてしまっています。
 例えば、候補者・議員に女性枠を設けるジェンダー・クオータ制度は、約6割の国で導入されていますが、日本ではまだ導入されていません。また、夫婦同氏制度など女性に不利益を押し付ける仕組みがいつまでも改善されないままとなっています。国連の女性差別撤廃条約委員会は、日本に対し繰り返し選択的夫婦別姓制度を導入するよう求めています。しかし、日本政府はこれに対応せず、2018年に提出された国連の文書にいたっては、日本語訳もされず、担当省庁へ送られないまま放置されていました。
 こうした国連軽視ともいえる状況の一因として、国連と協力して政府への提言などを行う「国内人権機関」が日本には置かれていないことや、女性差別撤廃条約違反を委員会に通報し救済を求められる「個人通報制度」が日本では利用できないことがあると指摘されています。「国内人権機関」も「個人通報制度」も、すでに世界の多くの国で取り入れられているものです。
 立憲民主党は、ジェンダー・ギャップが解消されるための法制度の整備に取り組み、一人ひとりが尊重され多様な意見によって新たな価値を創造できるジェンダー平等社会を引き続き目指します。

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