泉健太政務調査会長は8日、国会内で定例の記者会見をおこないました。泉会長は、(1)COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大(2)COVID-19のワクチン接種状況(3)観光産業持続化給付金法案(4)株式会社フジ・メディア・ホールディングスの外資規制違反の疑い(5)北朝鮮の五輪不参加の方針(6)選挙政策の作成――等についてコメントしました。

■COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大

 泉会長は、大阪を中心に関西でCOVID-19の感染が広がりつつあり、東京でも拡大傾向になっていることに触れ「尾身会長は第4波に入りつつあると認識を示して発言している一方で、菅総理は現時点で第4波の全国的なうねりになっていないと。こういう発言がどのようなメリットがあるのか正直よくわからない」と述べ、「後ろ向きな、大したことないんだというメッセージを出し続けることが、国民の対策に遅れを来すことになる」と懸念を示しました。そのうえで、「われわれのzeroコロナ戦略に基づいて緊急事態宣言下にさまざまな対策を続けていれば、今頃減少した状況だと思う」と述べました。

■COVID-19のワクチン接種状況

 泉会長は、日本のCOVID-19ワクチン接種状況について、「日本は、国民100人あたり接種が1.1人」と日本経済新聞のデータを引用し、イスラエル112.2人、イギリス56人、アメリカ50.8人、中国が10.4人、韓国2.1人(2021年4月8日時点)と他国に比べて日本の接種が遅れていることに疑問を示しました。また、4月から高齢者への接種を始めるという政府の方針について「(既に4月から接種を実施するという)スケジュールを発表しているので無理やり薄く引き伸ばして、各都道府県2箱、東京と大阪は4箱配っている。医療従事者の接種も十分でない中、4月から高齢者と言ってきたから、無理やり小さな枠でポーズだけとっている」と指摘しました。そのうえで、「これ以上、日本への供給が遅れることは許されない。それは政治責任だと思う。国対(国会対策委員会)にもフォローアップチームができたので注視していきたい」と述べました。

■観光産業持続化給付金法案

 泉会長は、「GoToトラベルや旅行者支援の枠組みでは観光産業を助けることできない」と述べ、観光産業持続化給付金法案を政調審議会で審議していくと述べました。この法案について、「旅行業、宿泊業、旅客運送業、飲食業、小売業等を含む事業者で、主として観光客を対象とした事業者またその取引先を対象に2020年の売り上げの減少額の20%に相当する額を給付する。ある意味20%だから規模別と言ってもいい。規模が大きければ支給も大きい。1月から3月で本来執行されるはずのGoToトラベル予算が1.3から1.4兆円くらいあるので、その規模を想定して給付することを考えている」と説明しました。

■株式会社フジ・メディア・ホールディングスの外資規制違反の疑い

 株式会社フジ・メディア・ホールディングスが外資規制違反をしていた時期がある疑いについて、泉会長は総務省には調査と国会報告を求めると同時に「フジ側の社長と相談役を含めて国会に来ていただいて、事実関係を究明しないといけない」と述べました。また政府に対して「東北新社には処分を下しており、バランスを欠いてはならないので、政府は今後の対応が求められる」と述べました。

■北朝鮮の五輪不参加の方針

 北朝鮮が東京オリンピック・パラリンピックに不参加の方針を示していることについて、「感染対策という厳しい国内事情を抱える北朝鮮の特殊事情も見える。南北関係の思惑もあると思う。他の国もコロナの感染状況やさまざまな状況で厳しい判断が出ると思う」との認識を示しました。可能な限り東京オリンピック・パラリンピックを開けるようにしたいと述べたうえで、「ワクチン接種が不透明だと医療機関の状況を一番に考えないといけないことではないか。オリンピック・パラリンピックに対応することが可能かを見定めるため、政府と組織委員会の今後の判断は非常に重たくなる」と述べました。

■選挙政策の作成

 選挙政策を作成するにあたり、政調審議会で「各部会に対して、政策の検討を指示したい」と述べました。