小沢一郎衆院議員は14日、広島県福山市内にある障がい者支援事業所「あかつき」を訪れ施設内を見学、現状や課題などについて話を聞きました。参院広島選挙区再選挙の宮口はるこ候補、佐藤公治衆院議員(広島第6区)、佐藤広典総支部長(広島第7区)、的場豊県議(福山市)らが同行しました。

 「あかつき」では、障がいがある方のいろいろな「働く」を支援するとともに、生活の充実を図る活動として体操や園芸、カラオケなどのリクリエーションも充実。事業所や施設で働く人たちの生活の場(グループホーム)と連携を取りながらさまざまな支援を行っています。

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 はじめに、管理者の高野正之さんが、同所の実施事業及び利用者、事業内容、工賃になどについて「障がいと言っても身体や知的、精神などさまざまで、年齢層も10代から80代までと幅広い。2019年度の平均工賃(賃金)は、月額15,355円。考えられない金額ではあるが、こうした通所施設に来ている平均金額とおおよそ同じ。障がいのある方が働いて給与を得るのは難しい現状がある。そうしたなか、コロナの感染対策もしっかり行い、障がいのある方が日中利用できる場所を守るのが私たちの役目」「グループホームでは、一軒家に障がいのある方が6、7名暮らし、地域で暮らしながら『あかつき』に働きに来ている」などと説明。その後施設内を回り、高齢者施設や野外などで清掃をおこなう「清掃部門」、製造したものを隣接するベーカリーなどで販売する「ぱん・菓子製造部門」、ハウスで生産した野菜を地域の小学校などに卸している「養液栽培部門」、工業用機械から出た油をふき取るため古着から布を作る「ウエス部門」の4つの作業の様子を見学しました。

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 意見交換では、宮口候補が、自身の長男(障がいを持つ)も今年4月からグループホームに入る予定だったが、新型コロナの関係で物資が届かず建築が遅れ、1年くらいに先になると言われていると話し、「他からも施設に入れず5年、10年という単位で入所待機をしている話を聞く。どのくらいの方が待たれているのか」と質問。高野さんは、「人数的なところは分からないが、私どもの施設でも6割以上が40歳以上で、保護者の方たちも70代、80代が多い。新しいグループホームが立たないので『いつになったら入れるのか』という声は多い。実際グループホームの建設に向けて計画は立てているが、建設の資金や、働く人の確保が課題になってなかなか進んでいない」と、厳しい現状を明かしました。

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 宮口候補はまた、仕事内容をどうやって選んでいるのかと尋ね、本人は家庭や学校、事業所とそれぞれで違う姿があるとして、保護者だけでは(本人の)情報がなく決めきれないなか、施設との連携が重要ではないかと提起。これに対し高野さんは、同事業所では4つの部門を一通り体験した上で、本人の希望や、適正にあった作業・部署を確認した上で選んでいると説明。放課後デイサービスで働き、宮口候補の長男をこの3月まで受け持っていたという吉田崇さんは、「小学生、中学生のときから事業所として先を見据えた支援をしながら、放課後デイサービスを運営している。初めて利用されるときに、保護者の方には『18歳になったときのイメージを持ってください』と話している。本人がどういうことができるのか、得意なのは何かを考えながら、強みであったり、生きていく力をつけていく。学校と連携しながら情報を共有して同じ方向を向いていかなくてはならない。お母さんたちだけでなく、われわれ事業所の人間も学校に赴いて、一緒の方向を向いていくことが大事ではないかと思う」と話しました。

 最後に小沢衆院議員が、公的支援に一番望むことは何かと尋ねると、高野さんは、重度の障がい者への支援は強化されている一方で、(障害者総合支援法における)障害支援区分6のうち3以下の方への単価が少ないと指摘し、「それぞれ支援が必要で、幅広い範囲での支えをお願いしたい」と要望。小沢衆院議員は、「今日聞いたこと、見学したことを参考に、できるかぎり努力していきたい」と応じ、こうした現場の声を政治に生かしていくと力を込めました。

 視察後、小沢衆院議員は宮口はるこ候補の福山事務所にも立ち寄り、支援者らを激励。その後、事務所前で記者団の取材に応じました。

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 小沢議員は、今回介護施設を訪問した理由について、「宮口さん自身も障がいのある子どがいて、たぶんそれが政治を目指した1つの大きな理由、原点だと思う。また、今日の日本社会でも、弱い立場にある人たちをどのように救済していくか、あるいは、どうしたらそういう人たちが一般社会のなかで活動していけるかを、費用の面だけでなく、制度的な社会の仕組みを踏まえて作らないといけない状況。宮口さんの原点であると同時に、この日本社会の大きな問題でもある。そういう意味で、現場を訪問し、見学し話を聞くことを選んだ」と説明。「『障がい者』といってもさまざまある。それぞれに合った職業、仕事を教えていて、それが地域の人たちと密接な関係にあるということで、非常に感銘を受けた。まだまだ施設が足りないそうだが、ああいう形のやり方をもっと充実させていったらいいなと思った」と述べました。

 参院広島選挙区再選挙を含む3つの選挙の情勢について問われると、「皆さんのお力で順調に走り出していると思うが、あと10日以上ある。どんな事態になるかは予測がつかない。ふつうの状態であれば、2人区なので自民党の基礎票が多くて大変だが、ご承知の河井事件(大規模選挙買収事件)があったなかで、市民や県民の意識も違ってきていると思う。それを結集できる運動の仕方をすれば、必ず勝てる。いい結果を出して、政権交代に向けて弾みがつくような勝利を目指したい」と述べました。

 宮口候補の印象については、「(永田町の議員会館で)初めて会ったときからとてもいい候補者、一般の皆さんから好意をもって受け止められる人だと思った。さっきも一緒だったが、宮口さんの弱い立場の人に寄り添う姿勢、『原点』も非常に共感できる」などと語りました。

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