2021年4月17日

日米首脳会談について(談話)

立憲民主党 政務調査会長 泉 健太

  本日(アメリカ東部現地時間16日)、日米首脳会談が行われました。

 コロナ禍によって世界情勢が激変する中、日米両国首脳が直接会談を行う意義は大きく、特に我が国の外交、経済、安全保障政策にも大きな影響を及ぼす中国、北朝鮮への対応についても協議できたことは重要です。

 今回の首脳会談では、インド太平洋地域の平和と繁栄に向け、経済、気候変動をはじめ、中国の力による現状変更や新疆ウイグル問題への対応、尖閣諸島への日米安保条約第5条の適用、台湾海峡の平和と安定の重要性、北朝鮮の拉致、ミサイル問題、日米韓の連携についても共通の認識を得ました。

 特に、インド太平洋地域、とりわけ台湾海峡の平和と安定の重要性について認識を共有するとともに、力による現状変更に毅然と対処し、日本の領土、領海、領空を守ることについて改めて合意したことは評価します。

 一方で、平和と安定は防衛力のみによって達成されるものではなく、日米両国によるサプライチェーンの確保や、それに向けた技術開発力の強化などが重要です。今回の首脳会談を受けて、半導体や製造機械など我が国が強みを持つ分野を中心に、実効性のある共同開発・研究や経済連携を進めていく必要があります。

 また日本が防衛力強化の決意を表明した部分については、事実上の解釈改憲で集団的自衛権の行使が容認されている現状を前提とした防衛力の向上が、抑止力を高める以上に、周辺国の急速な軍事力拡大に口実を与える危険も伴うため、慎重さが求められます。
政府には、専守防衛を逸脱することなく、周辺国との緊張緩和にも注力することを求めます。

 アジア系住民に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)を許さない姿勢など、日米両国が、自由、民主主義、人権、法の支配という普遍的価値を共有したことは高く評価します。また東京五輪の開催については、米国の理解以上に、日本国内での感染対策とワクチン接種の実施こそが重要であり、日本政府には、引き続き、この点についての現実的で具体的な説明を求めていきます。

 立憲民主党は、日米同盟を外交関係の基軸に、これを深化させつつ、日本が環境やSDGs、感染症対策、核軍縮など国際的な重要課題において今後も主導的役割を果たせるよう、引き続き取り組んでまいります。

 【談話】日米首脳会談について.pdf