枝野幸男代表記者会見

2021年4月23日(金)15時30分~16時12分
発行/立憲民主党役員室


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

【司会(事務局)】
 本日、「緊急事態宣言」が再度出されるということを踏まえまして、臨時で会見をさせていただきます。それでは冒頭、代表、よろしくお願いいたします。


○3度目の「緊急事態宣言」発令決定を受けて

【代表】
 お疲れさまでございます。
 本来であれば「緊急事態宣言」が3度目新たに出されるということだけでも議運に総理が出てきてみずから国会に説明し実質的なやりとりをさせていただく場をつくるべき状況だと思います。加えて、これから申し上げますとおり、今回の3度目は1度目2度目とは性格・質が違うと思っておりまして、にもかかわらず総理が出てこられないということで議運が開かれたことは甚だ残念であります。総理が出てこられないということで議運のほうでは同僚議員が質疑に立っていただきましたが、私のほうではこうして会見の場をセットさせていただきました。
 まず第1点目として申し上げたいのは、今回の「緊急事態宣言」に至ったということは、明らかに菅政権を中心に大阪府や東京都などの政治的な責任によるものであるということを厳しく指摘せざるを得ないと思っています。
 2度目の「緊急事態宣言」が年明けに出されたときに、これ以上繰り返すことがあってはいけないということを明確に申し上げました。多くの関係者、それは医療従事者や介護従事者などの、濃厚接触が避けられない、感染リスクを負いながら頑張って働いていただいている皆さんもそうだし、あるいは営業の短縮・自粛を求められ、あるいは人の動きがとまることで事実上営業が成り立たなくなっている事業者の皆さんもそうであるし、あるいは仕事を失って困窮されている方にとってもそうです。多くの皆さんにとって1度目の「緊急事態」は何とかここを乗り切ればということで我慢ができた。2度目、これが最後でなければとても3度目は耐えられないということになるので、この2度目の「緊急事態宣言」は必ずこれで最後にしなければならないということを強く求めました。そして解除に当たっても、その時点の感染者の数ではリバウンドがすぐに生じるということを指摘して、時期尚早であると明確に反対を申し上げました。それを振り切って解除した結果が今の大阪での医療崩壊であり東京周辺の医療の崩壊危機ということで「緊急事態宣言」を出さざるを得なくなるに至ったという現時点の状況であります。
 あえて申し上げれば、新型の感染症でありますから、昨年の今ごろの時期ぐらいまで、あるいは夏ぐらいまで、どういう性格のウイルスであるのか、疾病であるのかという状況が十分に把握できずに、なかなか後から振り返れば適切な対応がとれなかったということがあったとしても、それについては必ずしも私どもは強く批判をしてきておりません。補償などが足りないということについては申し上げてきておりますが、感染の抑制、封じ込めということについては簡単ではないということは我々も理解をしているつもりでありましたので、そのときまでは批判をしてきておりませんし、2度目の「緊急事態宣言」を出したときについてはこうした批判はしませんでした。しかしながら、3度目があってはいけないということで強く警告したにもかかわらず何らと言っていいほど手を打たず現在に至ったということは、これは政治の責任だと言わざるを得ない。特に一刻も早い解除をと求めた大阪府知事の責任は重いと思いますし、最終的には国が判断しているわけですから政府の責任は重いと言わざるを得ないと思っております。それこそ今度こそ最後にしなければならないということを、これは私が申し上げるというよりも、本当に国民を挙げて政府に強く迫っていきませんといけないと思っています。
 2点目は、今の話ともつながるのですが、きょうの議院運営委員会で西村大臣は、流行は繰り返すんだということを明確におっしゃいました。衆議院でおっしゃり、参議院での質疑の中でその点について問いただされて、どこの国も流行を繰り返しているということをしらっとおっしゃっていました。どこの国もというのは事実でないということは、これも私どもが国会の内外で繰り返し申し上げてきております。現にニュージーランドとオーストラリアの間では両国間の人の行き来について自由化されました。それは両国とも国内における「Zero COVID」(ゼロCOVID)を実現できているとお互いに確認し合ったからにほかなりません。現にやっている国がある。台湾も含めて、実現している国が私どもが把握しているだけでも3カ国あるという、こうした現実に目をつぶって、感染を繰り返すのは仕方がないんだという感染封じ込めを放棄している姿勢で3度目の「緊急事態宣言」が発出されているということは、看過することはできないと思っております。
 私どもは、ニュージーランドやオーストラリアあるいは台湾を参考にすれば、同じように短期でできるかどうかというのは、国家の規模、人口の規模等がありますが、しかし人口の規模が大きい分だけ、日本は相対的に少ないとは言いながらも医療関連などの資源も多いわけでありますから、きちっと段取りを踏んでいけば同じことはできる。少なくとも、いわゆる島国であり外国と陸路で国境を接していない、したがって水際対策をまさに水際で空港や港でしっかりやればできる、海外からの流入を防げるという条件は整っているわけでありますので、これでニュージーランドのようなことはできないというのであれば、まさに政治としての責任放棄。つまり、きょうの西村大臣は、私たちには感染を封じ込める力がないし意思もないということを明確にした。これも見過ごせないと思っております。
 以上が今日の「緊急事態宣言」を出したことに当たってのコメントでありますが、「緊急事態宣言」の中身といいますか、より具体的に若干申し上げますと、一つは新しい変異株、より強度な、ワクチンも効かないのではないかという変異株が5件国内で発見されたと、きのう伝えられております。この水際対策についても、少なくとも昨年の変異株がイギリスで問題になった段階から私どもは水際を一旦きちっととめろということを繰り返し申し上げてきていますが、これについても一貫して政府は生ぬるい対応を繰り返しています。海外から入ってきたことが変異株が国内で広がっていることの原因です。変異株は感染力が強いからそれで広がっているんだというようなことを言いわけに使っているようであますが、そもそも変異株はとめようと思えばとめられた。そして、とめるためにもっと厳しく入国規制をかけるべきだということをこれまた無視したのは菅政権であるということを厳しく指摘しておきたいと思っています。
 そしてもう一点は、こうした状況、現に医療崩壊という状況にありますので、国民の皆さんに多くのことをご理解いただいてご協力をいただかなければならないということは、私どももそれはやむを得ないことだと思っておりますが、一つには、繰り返しますが、これが最後になるんだという希望と可能性と意思を示さなければ、多くの皆さんがなかなか「はい、わかりました」といってそれに従えるのか、対応できるのかという状況であります。
 加えて、補償がやはりいよいよ必要であるということを申し上げておきたいと思っています。きょうの議運でもデパート1カ所20万円という報道がなされていることが取り上げられていましたが、スズメの涙にもならない額であって、まさにやっているふりをすればいいと思っているのではないか。もちろん中小・零細・個人事業主と比べれば資本力はあるかもしれませんが、それだけ営業の停止による損失の額も大きいわけでありますので、そして例えば大型のショッピングモールや百貨店などが経営危機に陥って倒産廃業ということなどになれば、それは地域の買い物の場を失うというようなことで地域経済にも大きな影響を与えることになります。もちろん、これまで十分に補償がなされてきていない飲食店等についても必要でありますし、あるいは関連事業者、特に食材など、あるいはおしぼりとかも言われていますが、直接営業の停止等が求められていないけれども、そこがとまれば自動的に売り上げが皆無に近くなる、そうした皆さんに対する補償が第2弾の「緊急事態宣言」以降ほとんど、少なくとも現実のお金は渡っていません。これを速やかに出さなければ事業が成り立たなくなる。このことはきょうの議運の質疑の中でも、詳細はこれからだ、具体的には今詰めていると。この間、何をやってきたんだと。大阪で「緊急事態」がやむを得ないというような声が報道されてからもう約1週間、とても迅速にという対応ではない中で、こうしたことについていまだにデパート一律20万なんていう話が出てきているのは、これもやる気のなさの証明であると言わざるを得ないと思っているところであります。
 今回を最後にしなければなりません。5月11日までという期限は余りにも政治的配慮に過ぎると言わざるを得ません。当然のことながら、飲食店等、影響を受ける事業者の皆さんは政府の決定した日程に基づいて事業計画とか仕入れ計画とかさまざまなことを検討することになるわけです。初めから延長が避けられないという状況のものを短くやっておくことは、多くの皆さんに混乱を与えるだけです。まさか(IOCの)バッハ会長が来る日程までには「緊急事態」を解除しておかなければならないなどというよこしまな原因ではないと信じたいと思いますが、現状で大阪の今の医療崩壊の状況、そして東京での今の感染者の拡大状況が、仮に多くの国民の皆さんにご協力いただいても2週間あるいは3週間先で顕著に感染者の数が減っているという状況になるとは到底思えません。
 さらに申し上げれば、第4回目の「緊急事態宣言」を絶対に避けるためには、これは例えば概ね東京で(1日の感染者数)100人程度、保健所が1人の感染者に対して感染ルートをきちっと追える、濃厚接触者にとどまらない周辺の皆さんに対するPCR検査等を迅速にできる、それぐらいの規模まで抑え込んで、しっかりと未発症の感染者を発見し封じ込めるという状況をつくらない限りは、それは西村大臣ご自身が認めているとおり感染流行は繰り返すということになり、今度はまたお盆ですかと。昨年の最初の山はゴールデンウィーク、2回目はお盆休み、3回目は年末年始、このまま行くと次はゴールデンウィークではないですかと申し上げたとおりになってしまいました。また同じことをしてお盆休みに飲食や観光などの皆さんに大打撃を与えるのか。それをしないためには、例えば東京で(1日の感染者数)100人程度の規模まで抑え込むことが必要であるし、だとすると、とても5月11日などというのは1カ月以上足りないと思っております。
 もう一点だけ。ちょっと方向性が違うかもしれませんが、実は、最後にしなければならない、徹底して感染者を減らすまでやらなければならないという状況の中で、1年たって今回のさまざまな営業の自粛の要請、営業停止の要請とかが、余りにもまだまだ機械的過ぎないかというようなことを強く申し上げたいと思っております。これまでも既に第3波の段階で申し上げてきましたが、いわゆるおひとりさま外食、特に医療従事者の皆さんなど、深夜にせめて温かいものを食べたいと。ところが一律で8時・9時で飲食店は全部閉まっているという状況。本当に感染対策としてそれが不可欠なことなのかということを申し上げてまいりました。あるいは、お酒を出すお店、確かに、いわゆる、何と言うのでしょう、飲み会コンパで大声を上げて感染拡大の場になりそうなお酒を飲む場もある一方で、静かに会話をしながら食事を楽しむ場にお酒が出るという場もあります。全部一律に規制をかけるということでは、特に従来から申し上げている一人で深夜にせめて温かいものを食べたいというニーズなどに応えられないというようなことも含めて非常に不合理が生じています。今度こそ徹底的に減らすためには、感染を拡大させるリスクの高さに応じて(対応する必要がある)。飲食店だからといって全部一律にやる、あるいはお酒を出すからといって全部一律にやるということ自体が、1年前ならわかるけれども既に状況に合っていないと申し上げたいと思っています。
 特に密になることが問題です。当面は東京などでは昼間もお酒を出さないということでありますが、実際に「まん延防止等重点措置」の期間中などは、営業がとまる前の1時間、1時間半、2時間ぐらいの間に多くのお客さんが集中して、お店が密になって、むしろ感染対策としてはマイナスではないかというような指摘もなされてきました。むしろ、例えば座席の半数までの入場制限をしていただく。もちろんアクリル板とか換気などを条件としながらということになると思いますが、それで十分な間隔をとり、換気をし、アクリル板をつけ、そして例えば一定の人数以内の規模であるならばお酒を飲んで大騒ぎするというリスクも少ないわけですから、そうしたよりきめの細かい対応をすることで、それは飲食店等にとっても、あるいはそこを利用したいと思っている多くの国民の皆さんにとっても、長期戦に耐えられるような、そうしたきめの細かい対応が1年たっても出されていないということは明らかに政府の後手に回った対応だと言わざるを得ないと思っています。
 私から、以上、今回の「緊急事態宣言」、これは第4波で「緊急事態」になったら内閣総辞職では済まないということを申し上げました。本来であれば内閣総辞職を求めたいところでありますが、この緊急時に総選挙をやるわけにもいきませんし、かといって総理にかわれと今言ってもかわるわけではないでしょうから、せめて我々の提案を真摯に受けとめ、少なくとも封じ込めるんだという意思を、意欲を、明確に示していただきたいと思っています。


■質疑

○3度目の「緊急事態宣言」について(1)

【フリーランス・安積記者】
 小中高の休学というか学校休業というか、大臣は、任意にすると、一律で休校はしないとおっしゃっているが、特に小学校では給食で栄養をとっている一部の生徒の存在がある。その人たちにとってはかなり深刻な問題だと思う。一律休校にしないということで政治側の責任をとらないというか、一律休校だったら文科省などがかなり強く何か対策を行わなければいけないということになると思うが、それを各学校に委ねてしまうようなことが生じる危惧がある。このあたりは代表はどういうふうにお考えになっているか。

【代表】
 昨年の一律休校が世の中に大変な混乱をもたらしたとご指摘があったとおり、特に学校給食がないということで貧困のご家庭の方が混乱をした、あるいは放課後児童クラブなどがどう対応していいのか混乱をもたらした等、さまざまな状況があります。したがって、一律に休校を求めないという判断自体は支持をいたします。ただ、一方で、全ての判断を学校に委ねるというのは、これはまた無責任な態度だと思っています。
 非常にシンプルだと思っていまして、当該学校関係者、つまり児童や教職員の中に感染者が出たら、まず一旦休校にして、そして一斉にPCR検査をやる。それも1回だと心配ですから中2日か3日ぐらい空けて全児童・教職員に2回PCR検査をやり、それで陰性であれば開校するということであれば1週間程度の休校で対応できる。その間については、それこそ行政が例えば給食等の問題を含めてサポートのしようがあると思っていますので、なぜこういうきめの細かい指導をしないのかということが逆に不思議だと思っています。

【NHK・佐久間記者】
 政府の基本的対処方針でも、2回目の宣言と比べて、イベントの自粛や百貨店の休業要請など強めの対策が検討されている。変異株は感染力が今のものより強いとされ、政府の感染症対策はまずこれで十分なのかという代表の見識と、こうすべきだという立憲の提案があれば伺いたい。
 それと五輪について、バッハ会長にも先ほど言及があったが、この感染状況、このタイミングで「緊急事態宣言」が出たことも含め、今この日本でやるべきかどうかの是非についてお聞きしたい。

【代表】
 まず1点目ですが、どこにどういう規制をするのかというところよりも、きちっと検査をすることこそが感染の封じ込めのためには重要なことであるし、それから、ちょっと減ったからと緩めないことが重要なことであると思っています。もちろん人が集まらないようにということをどの程度厳しくするのかということも重要な要素ではありますが、そのこと自体が本質ではないと思っています。そうした中で、イベントの自粛要請も、これも1年もたっているにしては機械的過ぎると思っています。本当に例えばこの間プロスポーツなどは相当集客数を減らした中で観客の感染という話は伝えられていません。大相撲も、力士などには出ていますが、観客のところの話は少なくとも伝えられていません。逆に言えば、そのリスクのある方については当然調査をしていると私は期待をしたいのですが、つまり感染者について「野球を見に行ったりしていませんか」とか「相撲を見に行ったりしていませんか」とか当然しているのだと思うのですが、していなかったらそれはそれ自体がそもそも前提となる情報をとっていないということで大失敗だと思うし、とっていると私は信じたいですが、とっているのだとすればそういう情報は出てきていません。だとすると、人流をとめるということ自体は大事かもしれませんが、特に本当にゴールデンウィークだけで2週間程度でこれ解除できるのかということを考えたときに、生活が一定程度成り立ち、なおかつ感染の防止には十分役立つのはどこなのかという線をよりきめ細かくとるべきであると私は思います。
 オリンピックの件についてですが、オリンピックは国際約束でもあり、関係者の皆さんのことを考えればできれば開催をしたいと、現状でも私は思います。ただ、今、既に東京が医療崩壊に近い状況です。大阪は完全に医療崩壊をしています。オリンピックの時期、それは開催期間中だけではなく、そのだいぶ前から当然選手を初めとして海外からたくさんの方が来られる。そうした皆さん全部きちっと水際対策ができるのか。そして、そうした皆さんから万が一にも国内の感染を広げることはないのか。国内で一定の感染、つまり「zeroコロナ」状況、「Zero COVID」状況をつくれていない中では、そうした皆さんから選手村等に広がらないのか。それらのことの説明責任は政府にある。あるいは、そういった対応をする中に東京周辺の医療従事者の皆さんにご協力いただいた中でも、ちゃんとワクチンの接種含めて医療が成り立つのか、説明責任は政府にある。ただし、政府から何らその説明はなされていない。やるのであれば政府は今のようなことをより具体的に説明すべきであるし、その説明の期限はいよいよ迫っていると言わざるを得ないと思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 やはり3度目、この政治責任を誰に問うかということだと思うが、さすがに「緊急事態」で内閣総辞職はできない。とすると、感染症は繰り返すということを言っている西村さん、この人はやはり大臣不信任と、やはりその責任を問うというようなお話だったかと思う。あるいは厚労省かもしれないが。その辺は、首を切ればそれでどうなるというものでもないが、その辺の責任のとり方についてどういうふうにお考えなのか伺いたい。

【代表】
 一番誠実な態度は、この今の第4波が一定程度落ち着いた段階で総辞職をすると今から表明していただくことが、最も誠実な姿勢だと思います。
 個別の大臣の問題だと僕は思いません。なぜかと言ったら、構造が間違っている。誰も内閣全体を統括してこの対策に省庁の垣根を越えて総力を挙げさせるような体制が内閣の中でつくり上げられていないことが問題であり、それはもう安倍前総理の時代からそうであると。その構造自体を変えなければおそらく同じことの繰り返しだと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 お盆休みの段階で東京で100人程度というのを先ほど目安として示された。

【代表】
 お盆休みとは言っていないですよ。「ゼロCOVID」の状況というのには、100人程度以下の状況にする、そこまですれば時間の関係でゼロになっていけるという意味です。

○菅原議員再捜査 現金配布疑惑について(1)

【フリーランス・宮崎記者】
 菅原一秀さんの件に関して、きょう読売の朝刊に出ている話だが、これ公職選挙法違反となると、河井さんもそうだったが、一点深刻なことがあり、受け取った有権者もこれ罪に問われる話になるかと思う。実際報道では、旅行会に行けないが会費は払うといって、特捜部が受け取った人の自宅に訪ねてきて会計書類を提出したというところまで既に報道で出ている。菅原一秀さんが仮に居座った場合はそういった練馬区の一般の地方議員でない有権者の人も取調べなどを今後引き続き受ける方が出るかと思うが、それを考えたら菅原さんはさっさときょうにでも議員辞職して政界引退を表明して起訴するなら自分一人にしてくださいと言うのがいろいろなことを考えたらいいのかなとも思うが、それに関しての代表のお考えはいかがか。

【代表】
 きょうの報道は承知をしておりますが、なかなか、刑事事件についての報道ですので、刑事事件は政治関連問題に限らず大体捜査当局から捜査当局に都合のいい情報が皆さんのところに流れて大きく新聞に載るので、あまりそれに乗っかった話をするべきではないと私は思っています。ただ、そもそもが、既に明らかになっている、つまり検察審査会で起訴猶予は不当だという結論が出ているあの案件だけで、そもそもが起訴に値するものであるし、政治責任を負うべき問題だと思っていますので、今回のことは、何というのでしょう、だめ押しに過ぎないと思っています。

○国民投票法改正案について

【IWJ・千浦記者】
 国民投票法の改正に関して、採決がとりあえず見送りになり、立憲民主党としてはCM規制の問題で抵抗を示し審議を続けているが、これ連休明けにもう採決になってしまうという動きが見られる。これはこのコロナ禍の状況で今進めるべきことなのか。少々拙速な、まだ十分な検討や審議が足りないのではないか。そのことについてお考えをお聞きしたい。

【代表】
 この件については、現場、山花・奥野幹事と国対に任せておりまして、今のところ何の相談もございませんので何らコメントのしようがありません。国対委員長に聞いてください。

○次期衆院総選挙について

【北海道新聞・田島記者】
 今、政府はコロナの対応に手間取っていると、遅れをとっているという指摘がるるあったが、そうした中で衆院選の任期満了まで半年を切っている。野党第1党の党首として、今、野党1党はどのような立ち位置にあると捉えていらっしゃるか。

【代表】
 立ち位置。野党第1党は野党第1党の立ち位置です。

【北海道新聞・田島記者】
 その中で選挙が近づいて、国民の審判が近づいているが、そうした中でどのような形で訴えていかれるかというお考えを伺いたい。

【代表】
 野党第1党ですから、次の総選挙で政権を目指して頑張りたいと思っていますし、それこそ政権をとったらすぐにこの危機管理態勢に入らなければなりませんので、そのことのシミュレーションは十分今整えています。

○「衆参補選・再選挙」「ワクチン接種」について

【読売新聞・田村記者】
 衆参の三つの補欠選挙と再選挙の投開票が25日に迫っている。代表はあした広島に入ると聞いているが、この最終盤の戦いにどう臨まれるか。

【代表】
 できるだけ多くの有権者の皆さんに、我が党の、あるいは我々の応援している候補者の訴えや人柄を知っていただけるように最大限やっていきたいと思っています。

【読売新聞・田村記者】
 広島ではだいぶ接戦と伝わっているが、3勝の可能性はどうお考えか。

【代表】
 初めから三つとも勝てるように頑張っているということですし、見通しをお立てになるのは皆さんのほうの仕事だと思います。

【毎日新聞・宮原記者】
 ワクチンについて、きょうも厚労委員会があり菅総理が出て答えたりしていたが、ワクチンを届ける時期については6月までとか、そういったことを言ったりしている一方で、接種が完了するめども接種完了の目標も菅総理は言っていない状況だが、そういったところをどのように思うかというのが一点。
 あさって25日の補欠・再選挙だが、この25日から「緊急事態宣言」ということで、この「緊急事態宣言」が及ぼす影響、特に国民の不安・不満というものがたまっていると思うが、そういったものがどう影響すると見ているか伺いたい。

【代表】
 まず1点目ですが、とにかく一生懸命、いつ確保ができるのかとか一生懸命おっしゃっていますが、実際に今一番混乱をもたらしているのは、自治体の皆さんに混乱をもたらして自治体のオペレーションが非常に困難をきたしているということ。それから、医療従事者の皆さんに大変なご負担をおかけしているということ。これに対する解決策が何ら示されていませんし、また、こうした皆さんにおかけする負担を小さくするためにも、やはり目標とか見通しをより早く出していただかなければならないにもかかわらず、それが全く示せていないというのが一つの大きな問題点だと思っています。
 それからもう一点は、新しい変異株の問題もありますし、それからきょう、これ議運だったでしょうか、既に政府も認めているのですが、ワクチンを例えば2回接種したからといって完全に感染しないわけではないということもはっきりしているわけですね。政府も認めてるいわけです。ですから、ワクチンだけに頼って、いずれワクチンが来れば大丈夫だというのは、これはどうも政府がミスリードしている側面が私はあると思っています。これもきょう議運の質疑の中でありましたが、イギリスはワクチン接種の効果もあったかもしれませんが、それ以上にやはり大規模徹底した検査に踏み切ったことによって、感染者を早期発見して、そのことで感染者が大幅に減っているというのが客観的な状況だと私は理解をしていますので、ワクチンだけに頼った姿勢自体が問題だと私は思っています。
 あと、選挙ですね。もちろんさまざまな社会現象、そしてまさに国家的な危機の状況におけるいろいろな動きですから、それは有権者の皆さんの意識に影響を与えないと言ったらうそになると思いますが、選挙の審判をいただく側の当事者として、特に国民的な危機がどう影響するのかということはあまり第三者的に申し上げるべきではないのではないかと思っています。

○3度目の「緊急事態宣言」について(2)

【朝日新聞・吉川記者】
 代表は冒頭、議運に総理が出てみずから説明し、やりとりの場をつくるべき状況とおっしゃったが、今回議運に総理が出てこないというのは総理のどういった姿勢があらわれているとお考えか。それから、総理がどういったことを説明したり国民に訴えるべきだったと思われるか。

【代表】
 今回のことが象徴なのですが、私は何度もここで申し上げてきていると思いますし、それから多くの国民の皆さんにとってそういう認識は共通だと私は思っているのですが、このCOVID-19の感染症危機というのは、おそらく1945年の日米・日中戦争が終わって以降、東日本大震災と原発事故に並ぶ、最も我が国にとっての大きな危機であると受けとめています。その危機意識とか、それに対する当事者意識というものが希薄だとしか私には思えない。ご本人のキャラクターでそれが表に出ないタイプなのかなと、最初は好意的に見ようと思ったのですが、どうも自分がこの国のリーダーとしてこのおそらく100年に一度規模の国家危機を乗り切らなければいけないんだという責任感や危機意識が全く感じられない。そのことを大変残念に思っています。

【朝日新聞・吉川記者】
 どういったことを議運の場で説明すべきだった、訴えるべきだったと思うか。

【代表】
 まずは、私は、当然おわびから入るのだと思っていました。第1波で1回目の「緊急事態」、我慢をして(と)無理をお願いした。そして第2波があって、第3波で「緊急事態」をお願いして、かなりご無理を言ってきて、そしてそれが明けたけれども「まん延防止等重点措置」等で多くの皆さんにはやはり不自由な生活をおかけしたにもかかわらず、わずか3週間でまた「緊急事態宣言」を出さなければならなくなった。それはやはり見通しを間違えた、判断を間違えたということを、特に関係者の皆さんにおわびをすると。そこから入らないと、多くの国民の皆さん、特に当事者の皆さんは聞く耳を持てないのではないかと思って、大変残念に思っています。

○菅原議員再捜査 現金配布疑惑について(2)

【共同通信・玉井記者】
 広島の選挙では政治と金が一つの争点になっていると思う。代表ご自身も訴えている経緯があるが、河井案里さんの離党と辞任で自民党の責任がうやむやになっている側面も指摘されている。このタイミングでの菅原一秀さんの報道だが、新たにご祝儀名目で現金配布の疑いも生じているということで、これは自民党の体質なのか、自民党の責任についてどのようにお考えか。

【代表】
 特に河井議員の話は、自民党から出た選挙資金が使われたのではないかということについて全く説明がないというところが、ちょっと本質的に、要するに自民党の責任がより大きいにもかかわらず説明責任が果たされていないという問題だと思います。あえて加えて申し上げれば、北海道の吉川さんの問題は、今どき大臣が職務権限に関する金を大臣室で受け取るかと、昭和じゃないかという意味で余りにも時代錯誤で、これがいまだに残っているのだとしたら大変な問題だということと比べると、ちょっとこの件を同列に扱うのは、むしろこれは個人的な問題の側面が大きい。ただ、この人を経産大臣に任命した人の見識が問われるよねという話だと思います。

○議員秘書の採用制限について

【フリーランス・宮崎記者】
 なぜきょうそれを聞くかは言いませんが、国会議員の配偶者は政策担当秘書にはなれないという内規が前身の政党では少なくともあったと思うが、立憲民主党においては当選した国会議員の配偶者は政策担当秘書にはしないという内規はあるか。

【代表】
 内規は少なくともないです。誰がなれるとかなれないとか、制度的に内規ではなくつくったような記憶はあるのだけれども、内規は別に新しい党になってからつくってはいません。そこは良識と常識の範囲内できちっと対応していただければと思っています。
(注)「国会議員の秘書の給与等に関する法律」により、国会議員は自分の配偶者を公設秘書に採用することは禁止されている