枝野幸男代表記者会見

2021年5月31日(月)15時30分~16時15分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/Ed5KZufw7ac


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「緊急事態宣言」の延長について

【代表】
 皆さんお疲れさまでございます。
 まず、本日で解除される予定だった東京など9都道府県に対する「緊急事態宣言」の延長が決まりました。総理は、この今回3回目となった「緊急事態宣言」の発令に当たり、「効果的な対策を短期間集中で実施しウイルスの勢いを抑え込む」とおっしゃっていました。残念ながら、全国の重症者の皆さんの数、あるいは亡くなられた方の数、高どまりとなり、また、多くの地域で引き続き感染者は増加傾向にあります。総理の短期集中で実施しウイルスの勢いを抑え込むという(所期の)結果とは逆の結果になったと言わざるを得ません。
 これまでも繰り返してまいりましたが、今回の第4波は、感染が十分におさまっていない段階で私たちが明確に反対したにもかかわらず宣言などを解除した、そこに原因があります。したがって人災と言わざるを得ません。3月1日以降だけでも5000人以上の方がお亡くなりになっているという事態を重く受けとめていただかなければならないと思っています。
 また、宣言や重点措置の発令・延長が繰り返されてきた地域では、特にお酒類を提供する事業者を中心に、ことしになってまともに営業できた日がほとんどありません。こうした事業者にとどまらず、観光関連などを初めとして、塗炭の苦しみを味わっている事業者の皆さんがあまたおられます。これらの皆さんも政権の失敗による犠牲者と考えられます。国民の命と暮らしを守るという対応になっていないと言わざるを得ませんし、また、これは国直接の対応ではありませんが、こうした皆さんに対するいわゆる協力金、額自体もわずか微々たるものと言わざるを得ないケースがほとんどでありますが、それが届いてもいないという話が各所で聞こえてきています。直接施行しているのは自治体任せになっていますが、やはり国として「緊急事態宣言」等を出しているわけですから、こうしたことに対して、自治体をきちんとやらせるのか、あるいは、私どもが申し上げているとおり国としてしっかりと事実上の補償を行うべきであると思っております。
 国会は6月16日までの会期となっていますが、「緊急事態宣言」などの延長によって、6月20日の宣言期間が切れる前に国会が閉じることになってしまいます。さらなる延長が必要であるのかどうか、あるいは、この延長に伴う対策などについて何ら対応が示されることなく、また、感染がおさまっていない場合、あるいは第5波が生じた場合に対する迅速な対応などを考えると、国会を閉じることは全く理解不能であります。
 そもそも今年度の、今施行されている予算には、今回の「緊急事態宣言」はおろか1月に発令された2回目の「緊急事態宣言」の対策も含まれていません。予算編成されたのは12月です。首都圏・近畿圏を初め国民に不自由な生活をお願いし、事業者に極めて厳しい環境を迫っているという状況に対して、支援をしていくためには会期を延長して補正予算を編成審議するのは当然のことであると思っております。既に我が党として持続化給付金の再給付や経済的に苦しい子育て家庭への再給付など提案をしています。何度となく「野党には対案がない」というデマをまき散らされてまいりましたが、政府・与党こそ対案がないと強く申し上げたいと思っております。

○LGBT理解増進法案の取り扱いについて

【代表】
 もう一点だけ。西村智奈美議員などが中心になっていただいて与党と調整を行ってきた、いわゆるLGBT法案(LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案)についてでございます。
 内容については各党で合意がなされたにもかかわらず、残念ながら自民党では三役一任となったと承知をしております。国会日程上無理だという発言が聞こえてきておりますが、だとしたら、今取り沙汰されているたくさんの議員立法があります、与野党で一致をすればこれから国会に提出される議員立法を成立させる見込みの中でさまざまな議員立法の最後の詰めがなされておりますが、今、国会にかかっていない議員立法を全部無理だと諦めるのでしょうか。LGBT法案だけ国会日程のせいにするというのは、これこそまさに恣意的だと言わざるを得ません。LGBT法案が無理ならば、ほかの今出していない一致している議員立法も、あるいはこれから一致させようという議員立法も、全部無理ではないですか。こんな恣意的な理由は到底認めることはできませんし、先ほど申しましたとおり、日程が足りないなら延長すればいいだけの話であります。我々としては、国会審議のあり方、あるいは延長などについて柔軟に協議に応じて、何とかこの国会中に成立させたいと思っています。
 特に、LGBTなどに対する差別をしてはいけないということは、オリンピックの理念として、開催国として、こうした法整備を本当に開催するならば開催前につくっておかなければならないというのが与野党一致した共通の考え方であります。また、IOCからのこれは一つの我が国に課せられた責務であると思っています。IOCの幹部と称する人の暴言を放置する一方で、IOCとして各国にこれまでも迫ってきた真っ当な要請に応えないというのは何なんだということも強く申し上げておきたいと思っております。


■質疑

○国会対応について(1)

【NHK・佐久間記者】
 冒頭、国会の会期延長について言及があり、補正予算の審議等も言及されていたが、延長幅については都議選の関係もあるが大体どれくらい延長すべきだとお考えか。また、延長に関係するかどうかもあるが、内閣不信任決議案について提出のお考えはあるのかどうか教えていただきたい。

【代表】
 都議選をやっている間に国会審議してはいけないなんていうルールはないし、過去にも、私の経験でも国会開会中に都議選をやった記憶があります。ましてやオリンピックをやっているから国会は開けないなんていう理由は全くありません。オリンピックをやっているときも国会で予算審議すればいいんですから。本来であれば、こうした国家の危機の状況ですから通年国会にすべきである、つまり12月31日まで会期にしていい状況だと、延長すべき状況だと思いますが、それは自民党さんにも総裁任期などいろいろあるようですから、少なくとも3カ月程度の延長は必要だと思っています。
 不信任については、この延長問題であるとか補正予算問題などについての政府・与党の対応を見極めながら判断をしていくという状況かなと思っています。

○重要土地利用規制法案について

【NHK・佐久間記者】
 重要土地規制法案が内閣委員会で可決し、あす本会議にかかる予定だが、これについての代表の受けとめをお願いしたい。

【代表】
 国会審議の中でも、立法事実、なぜこの法律が必要なのかということが全く説明されていませんし、根拠がない法律になっている。それから、その適用範囲・運用範囲について全く白紙委任をするような中身になっている。審議自体が到底足りないという状況での採決は許されるものではないと思っています。あとは国対のほうで適切に対応してくれるものと思っています。

○次期衆院総選挙について(1)

【NHK・佐久間記者】
 代表はBSのテレビ番組において、国民民主党には次の衆議院選挙を見据えて連立を呼びかけていくというような趣旨の話があった。社民党や共産党はどうかという話と、今後どのようなスケジュール感で話が進んでいくのかという、現状をお聞きしたい。

【代表】
 いずれも相手もあることですので、私の思いだけを一方的にお話しするのは円滑な連携に差し支えるので控えたいと思います。

○国民投票法改正案について

【フリーランス・宮崎記者】
 一言だけ。お誕生日おめでとうございます。

【代表】
 ありがとうございます。

【フリーランス・宮崎記者】
 国民投票法改正法案の衆議院における修正、立憲民主党主導の修正という言い方でいいかと思うが、国民投票法の施行後3年をめどにCM規制やインターネット有料広告規制について国は検討を加え必要な法制上の措置その他の措置を講ずるという、その一項が入るだけの修正だが、この解釈について。政治だからいろいろな読み方もできるかと思うが、国がCM規制など国民投票の公平及び公正に関する検討を3年後に加えるということは、これから3年間国会は憲法改正の発議をできないという読み方もできるかと思うが、立憲民主党代表の立場として、主語はやや大きいが、国はこれから3年間改憲を発議できないのか。また、解散直後の衆議院憲法審査会で例えば会長や会長代理を選んだりする衆議院憲法審査会がことし中に必ずあるが、そういったものにも応じないというようなこともあり得るのか伺いたい。

【代表】
 まず、法律の解釈ですので、政治がいろいろ言って、それは参考資料にはなりますが、法解釈は客観的に出されるものです。一応弁護士として客観的に申し上げますと、この法律案は、成立をした場合、現行国民投票法に重大な欠陥がある、公平・公正という観点から重大な欠陥があることを、法律自体、立法者自体が認めている法律であるということは法解釈上明確です。つまり、重大な欠陥がある法律を使った国民投票を、この法律を根拠に使うことは欠陥のある国民投票を実行するということ。これが法解釈の必然だと思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
 確認だが、向こう3年間、9月に施行のようだから2024年の9月、そこまでしゃくし定規でなくてもいいが、大体2024年の秋ぐらいまで憲法改正の発議はないし、そもそも議論にも応じないということか。

【代表】
 法律の解釈と国会で議論をするかどうかというのは別次元の問題だと思っています。しかし、公正・公平な国民投票ができないのに発議をすることは普通はナンセンスなことだと思っていますし、その公正・公平でないという重大な欠陥を補うことにこそまずは全力を傾けるのが常識的な判断だと思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
 そうなると、施行後3年をめどに検討だが、それより早く検討することは。

【代表】
 当然法律の解釈としてそれはあり得ます。

○経済政策について

【「フランス10」・及川記者】
 経済財政調査会、先週からヒアリングを終えていよいよ経済ビジョンの政策取りまとめに入った。先々週の江田憲司さんの会見では、当面の景気浮揚策として、消費税減税、一律給付金10万円、中間層以下への所得税ゼロというメニューを出し、そのメニューの中から何をすべきか代表が選ばれるというお話だった。枝野代表は、消費税減税、所得税ゼロ、一律給付金10万円再給付についてどうお考えか。三つやるべきか、あるいはその中から選ぶべきか。
 あともう一点が、(旧立憲民主党の)参議院選挙のときは立憲経済ビジョンということで政調会長・幹事長・代表が経済政策に絞って会見をされたが、そのような考えはあるか伺いたい。

【代表】
 1点目ですが、今の三つのメニューを掲げて、こうしたものをどう組み合わせていくのかということは、これは去年の秋の国会、代表質問で私自身が提案をしております。したがって江田調査会長・代表代行ともいろいろ相談をしながら進めていっておりますので、調査会としてきちんとまとめていただくことをまずお待ちしたいと思っています。その上で、それは例えばいつ選挙になるのか、いつ政権をお預かりできるのかによって、経済というのは本当に日々動いていますので、その状況を見極めながら最終的なパッケージにしていきたいと思っています。
 後者については、江田さんのもとで調査会を進めていただいている一方で、党としてもいわゆる政権構想の検討・議論を進めております。そこでの議論では、全部まとめて発表するというよりも、まとまったものから一つずつ私が発表していくという形がいいのではないかと。確定ではありませんが、そんなことも検討しておりますので、いずれかの段階で私から経済政策を含めて選挙に向けて何をどう訴えていくのかということはお伝えをする機会ができると思います。

【「フランス10」・及川記者】
 確認だが、参議院選挙のときは、逢坂政調会長、福山さんが並ばれて、枝野さんが主に発表するという感じだったが、現段階では枝野さんお一人で説明されるという感じか。

【代表】
 それは実際に具体的な発表のプロセスまでまだ考えておりませんが、政権選択選挙ですので、私を総理に選んでくださいという選挙ですので、私が発表するのが望ましいと私は思っています。

○東京五輪・パラについて(1)

【共同通信・玉井記者】
 東京五輪の開催について伺いたい。都議会の立憲民主党会派は中止や再延期を求めるという姿勢でいるが、選手団の入国が始まる状況にあり、日々の感染状況を踏まえて代表として改めて五輪開催に対する考え方をお聞きしたい。

【代表】
 とにかく日本国の政府あるいは日本国の総理大臣は国民の生命と暮らしを守ることが最優先の使命である、したがって国民の生命や暮らしを守れないのであれば断念せざるを得ないという状況は変わっていない。現時点でいまだに、これだから国民の生命や暮らしをさらにリスクを高めるということになりませんよという説明はいただいていません。

【共同通信・玉井記者】
 ワクチン接種の進捗状況とあわせて考えるという視点ではいかがか。

【代表】
 ワクチン接種、7月までで高齢者だけでしょう。全然それが(五輪に関して)意味を持つとは思えないし、それは選手やコーチは受けられるとかいうことはあるかもしれませんし、その周辺一定数はあるかもしれませんが、いわゆるバブル方式と言われていますが、本当にもう既に各国から来られている方、本当にバブルにきちっと中に閉じ込めることできているのですか。これから来る報道関係者の皆さんを全てバブルの中に閉じ込めることできるのですか。そうしたことについての説明をきちっと説得力ある形でしていただかなければならないし、それこそこれは五月雨ではだめで、きちっとまとめて発表していただかなければいけないと思っています。

【共同通信・玉井記者】
 「緊急事態宣言」下でも開催が可能なのかという論点も一つあるかと思う。先ほど代表はさらなる延長が必要かどうかを考える必要もあるという趣旨の発言をなさっているが、「緊急事態宣言」の解除のあり方について伺いたい。再発令の事態を招かぬようにするためにはどういった判断が必要なのか。インド株などさらなる変異種への対応という視点もあるかと思うが、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 美術館とか百貨店まで開かないでくれと、映画館も開かないでくれと言いながらオリンピックをやるということは、ちょっと常識では考えられないですよね。オリンピックをやるということは、大人数で集まって酒飲んでどんちゃん騒ぎするというのは遠慮してくださいということはあるかもしれないけれども、例えば普通に静かに食事するとか、食事のときに洋食を食べるならワイン1杯飲むとか、和食なら日本酒1杯、1合飲むとか、そうしたことができない状況でオリンピックだけはやるというのは普通は考えられないですよね。

○歳費法改正の議論について

【中国新聞・桑原記者】
 歳費法に関連して伺いたい。本日、党のワーキングチームの小西座長が、自民・公明両党の議員に協議の申し入れをした。河井夫妻のようなケースで歳費返納を可能とする法律の成立に向けて、先ほども会期延長の話が少しあったが、今国会は残りわずかとなっているが、こうした点でどのような進め方が望ましいとお考えか。

【代表】
 まず、それこそ与党で、自公で案をまとめてきてほしいですし、LGBT法案がこの国会は間に合わないなら、これも間に合わないですよね。

○東京五輪・パラについて(2)

【フリーランス・横田記者】
 水際対策、行動制限が今の政府のやり方で十分なのかどうか、実効性について確認したいのと、国会で、外国人記者は忖度(そんたく)しないと。これは五輪以外に全国各地を回る可能性が高いという意味なのかという確認と、都議選でこの五輪についてどう訴えて中止・再延期の民意の受け皿になるのかどうかについて伺いたい。

【代表】
 都議選は、皆さんも注目されるし国民の皆さんも注目されるのは当然だとは思いますが、東京といえども一地方公共団体です。いつも申し上げていますが。したがって、もちろん党の方針と違うことをされれば指導しますが、基本的には都連にお尋ねください。
 それから、一つ目の点については、我々はかなり早い段階から、少なくとも10日はホテルなどで事実上の隔離をきちっと徹底しないといけないと。そして、その10日の間に3回のPCR検査が、抗原検査ではありません、必要であるというきちっとした案を示していますが、政府・与党のほうにこそ案がない、対案がないという状況で、なし崩し的にいろいろなものが進んでいるのを大変残念に思っています。
 2点目ですが、選手村とか、あるいはその選手団、チームとしてであるならば、こういう範囲の中で行動してくださいということを一定守っていただける可能性は十分あると思いますが、では本当に報道関係の皆さんなどが全員きちっとその要請に従っているかどうか、誰がどうやってチェックするんですかと。チェックのしようがないではないですか。しかも万単位ですよね、その選手・コーチ以外で入ってくる方は、報道だけではなくて。そんな水際対策はあり得ないと思います。

【フリーランス・横田記者】
 そういうザルの水際対策のまま五輪開催を強行すれば感染爆発のリスクは十分あると。

【代表】
 したがって、そうではないというならば菅さんにこそ説明責任があると思います。

○党首討論について

【毎日新聞・宮原記者】
 6月9日の党首討論開催が決定した。冒頭発言の中でも会期の延長や補正予算についても触れられ、オリンピックの問題もこれまで触れられているとおり大きな話題になるのかなと思うが、6月9日までまだちょっと時間はあるが、今のところどういったことが議題になってくるか、どういったことを主張していきたいか伺いたい。

【代表】
 ごめんなさい、本当に白紙です。今週の金曜日ぐらいになったら少し考えます。

【J-CAST・工藤記者】
 今の毎日さんの質問の関連だが、内容はこれから、白紙ということだが、18年の党首討論の後に、安倍総理が過去の議事録を読んだり時間をつぶしたりすると、そういうことで、今の党首討論という制度は歴史的意義を終えたということをおっしゃっていたわけだが、今もその認識はお変わりないか。それとも、総理がかわったので多少意義が出てくるかどうか。そのあたり、党首討論というフォーマットというか、そういうものの意義をどうお考えか伺いたい。

【代表】
 菅さんがどう真摯に対応していただけるのかによって変わってくるだろうというのが一つです。ただもう一つは、何か一年に一遍ぐらいやったのでは僕はあまり意味がないと。やはりクエスチョンタイムというのは毎週のようにやるから意味があるので、したがって、例えば、たぶん私の持ち時間は30分程度だと思いますが、その30分で詰め切れなくてもまた次の週に同じテーマを問いただすことができる、あるいは議論を深めることができる。イギリスのクエスチョンタイムというのはやはりそういうものではないかと認識をしていますので、意味を持たせるためには毎週のように開かなければいけないと思っています。

○次期衆院総選挙について(2)

【読売新聞・田村記者】
 NHKさんの質問とちょっとかぶってしまうが、先日のBSテレ朝で、国民民主党と連立を目指すと発言されたことについて。私の記憶の中では代表がここまで明言されたのは初めてだと思うが、現状で相手があるのでコメントできないということだったが、仮に政権をとった場合、国民民主党とまず政権の枠組みをどのように考えているのかという、改めてお考えをぜひお聞きしたい。

【代表】
 相手のあることですので、あの発言であれば玉木さんから抗議は来ないだろうなという判断をしたのでああいう発言をした、というところにとどめたいと思います。これ以上何か申し上げるためには、やはり相手のあることですから、それなりの備えをした上で、根回しをした上でないと、勝手に申し上げるべきではないと思っています。

【読売新聞・田村記者】
 あわせて、玉木さんはよく共産党が枠組みに入る政権には入れないという趣旨のご発言を繰り返されているが、この共産党さんの関係については現状どうお考えか。

【代表】
 相手のあることですので、私のほうから一方的に話すということは基本的にはないことだと思っております。

○「書籍出版」「東京五輪・パラ(2)」について

【フリーランス・堀田記者】
 この前、立憲側4人と共産党側4人が各々で対談し、それが大月書店から本が出ることになったら、連合さんからのクレームかどうか知りませんが、延期になったということについて、これをどう思うか。それから、どのように代表の耳に伝わっているか。

【代表】
 詳細承知していませんので、ちょっとなかなかコメントがしにくいと思います。山口二郎さんなり当事者の議員の方にお尋ねいただければと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 私は志位さんにも聞いたが、志位さんは知らないと言う。実際知っておいてほしいものだが、本当に知らないのですか。

【代表】
 私が本を出すのも、役員室長と幹事長は知っていましたが、我が党の議員は別に誰も知らない、事前にこういうのを出しますよなんて相談していません。

【フリーランス・堀田記者】
 都議選だが、実際始まっているが、共産党は今夏のオリンピックは反対ということを大々的にスローガンにしてやっている。共産党とはある意味で選挙協力があるようなことを聞いているが、立憲さんの候補者のところに行くとそこはまだはっきりとは言っていない。これは都議選の公約、きょう17時ごろから手塚さんなどが発表するらしいが、今回のオリンピック中止ということは入れる予定にしているか。

【代表】
 今、党本部としてのスタンスは、国民の命や暮らしを守れないのであれば断念すべきであるし、ちゃんと守れるというならばきちんと説明責任を果たすべきだというのが、きょう先ほど申しましたとおり立憲民主党本部としての見解ですので、その幅の中で、特に当事地域ですから、開催都市ですから、都連として最終判断をされているのだと承知をしています。

【フリーランス・堀田記者】
 戻りますが、誰がこの出版の延期を決めたか、中止かということはわかりませんが、ここに出た立憲の人に取材したところ、上の人間から呼ばれたというのですが、ある意味でこれは出版の自由を侵すということになるが、それについてはどう思うか。

【代表】
 少なくともその事実関係自体を私は承知していませんので、何とも申し上げられません。

【フリーランス・堀田記者】
 これはとても大切な問題だと思うが、よく知るようにしてくださいというのが私の希望です。

【代表】
 山口先生に取材をされるのが一番よろしいのではないでしょうか。

○国会対応について(2)

【朝日新聞・鬼原記者】
 先ほどの発言にあった不信任の件だが、先ほど代表は延長と補正予算という二つを挙げられた。今、自民党の中からも特に補正予算などを求める声も出ているが、これは逆に言うと、延長がない場合、また補正予算を組まない場合は、不信任に値する条件になるとお考えということか。

【代表】
 不信任というのは国会において野党の持っている最も強力な手段でありますので、何か二つか三つの要件だけでシンプルに判断できるものではありません。延長や補正のことも重要な要素として総合判断するということです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 関連で、これは枝野さんに前から聞きたかったのだが、政権のコロナ対応に対してなっていないということをずっとおっしゃっていて、それに共感される国民の方もたくさんいると思う。その一方で、不信任案に対しては慎重なのかなとずっと聞いているが、秋までに必ず選挙がある中で、コロナの状況が、選挙がたとえ任期満了になって実施されたとしてもどうなるかわからない。その中で、早く不信任案を出して解散を迫ることによって一日も早く立憲民主党政権を誕生させることのほうが国民のためになるとどうして思われないのかなと思うが、その辺のお考えを伺いたい。

【代表】
 別にそう思っていないわけではなく、総合判断している中で、5月10日の段階では不信任を出す状況ではないということを私は明確に申し上げました。しかし、現時点では、さまざまなものを総合判断していく、そういう時期に入ってきていると申し上げています。今のようなご指摘も総合判断の中の一つの有力なファクターです。

○東京五輪・パラについて(3)

【朝日新聞・鬼原記者】
 各社の報道で、五輪の観客を入れる際にPCR検査の陰性証明を提示するように求める方針だと報じられているが、そもそもPCR検査は別に何かワクチンパスポートのように使うようなことが想定されるのではなく陽性の方を見つけて適切に対処するためのもののはずだが、こうした方針が出ることに対するご見解と、もし観客を入れる場合にはどうしたらいいのかということで何かプランがあればお聞きしたい。

【代表】
 1年以上前から、幅広くPCR検査を行うことで、もちろん検査を受けた後に感染するとか検査のときにはまだ反応しない感染者の方がいらっしゃるとかということがあるので100%ではないけれども、例えば「Go To」キャンペーンなどをやるよりは幅広く繰り返しPCR検査をするほうが経済活動はやりやすい、感染を抑えながらやりやすいというのは我々1年以上も前から申し上げてきたのを、今のような、偽陰性みたいな話を言ってずっとこれを拒否してPCR検査をふやしてこなかったのは今の政府です。それに対する反省をおっしゃっていただかないと、今さらオリンピックだけやるのかと。じゃあオリンピックが終わって、ほかはどうするんですかと。例えば旅行に行きたいとか帰省したいという人は、オリンピックの観客と同じ条件でちゃんとPCR検査やってくださいよと。そういうことをやはりパッケージで言っていただかないといけないと思います。
 もう一つは、広い意味での偽陰性、つまり検査後に感染するケースや検査の時点ではまだ感染直後で反応しないケースなどはありますが、僕は一定の効果があると思うのです。しかし、万単位でお客さんを入れるみたいな話のところでは、その漏れの効果がでか過ぎると思います。したがって、どれぐらいの効果が、例えば万単位でお客さんを入れるという判断をするのであるならば、本当にそれが感染拡大につながらないのかということはきちっとやらなければいけないと思います。
 それから、私から、観客の話が出たのであわせて申し上げると、とにかく、まだ都内の公立の小中学生に強制的に観戦させるという話がどうも消えていないようです。これは絶対にやめてもらわないと困る。私も中学3年生の公立の子どもを持っている親として、参加しないと欠席扱いみたいな、あるいは内申点に響くみたいな話で、強制的に観戦させるということは絶対に許されない。それこそ人権侵害だと強く感じています。

○国会対応について(3)

【産経新聞・田中記者】
 立て続けに内閣不信任決議案の質問で恐縮だが、5月19日の出版の記者会見では「緊急事態宣言」の解除が一つの目安になると、今の感染爆発・医療崩壊状況では提出できないとおっしゃっていたが、その後、政府は来月20日まで宣言を延長したので延長しない限りは会期いっぱいは宣言が続くという状況になった。改めて伺いたいが、この「緊急事態宣言」が続いている会期内に内閣不信任案を提出できると、提出するお考えはあるのか伺いたい。

【代表】
 可能性はゼロではない。一つの大きな判断要素ではあります。「緊急事態宣言」が出ているかどうかというのは判断要素であるという基本認識は変わりません。しかし、先ほどの朝日さんの質問のように、このままだとおそらく11月半ばまで「緊急事態宣言」が出ているか出ていないかにかかわらずほぼ同じような感染状況の中でいずれにしろ選挙をせざるを得ない状況になりつつあるというのは、5月10日の判断とはだいぶ違っている。だとしたら、やはり早く選挙をやってしっかりとした体制をつくったほうが感染抑制のためにもいいではないかという要素が強まっているというのが10日との違いであり、そうした可能性も視野に入れた19日の発言です。

○次期衆院総選挙について(3)

【産経新聞・田中記者】
 共産党さんから政権をともにするように呼びかけられているわけだが、代表は『枝野ビジョン』でも自分は保守本流であるとおっしゃり、先般、志位委員長は、私は共産主義者ですからそこは違いますとおっしゃっていた。交渉状況は相手があるので言えないと思うが、一般論として、保守本流の枝野政権で共産主義者である志位さんに協力を求める、政権をともにするというのは可能と思われるか。

【代表】
 なかなか一般論として申し上げられる話ではないと思います。さまざまなところで、特に足元の具体的な政策のところではこれまでも連携協力してきているところが多々ありますし、今後もそういうところが少なくとも当面を考えたときにはあるだろうと思っています。一方で、保守か共産主義かという、そういう概念の問題にとどまらず、やはり日米安保の捉え方とか天皇制などに対しては決定的に考え方が違うということは従来から申し上げています。そうしたことの中で、何ができて何ができないのかというようなことについてはしっかりと考えて判断していかなければならないと思っています。

○新型コロナ 飲食店への協力金について

【フリーランス・安積記者】
 東京の件だが、25日からの「緊急事態宣言」だが、「緊急事態宣言」にもかかわらず飲食店の中には営業しているところも結構あり、その中の一つの理由としては、その前に東京は「まん防」があったが、「まん防」に協力しなかったお店は「緊急事態宣言」のときに自粛に協力しても協力金が出ないそうだ。「まん防」に協力しなかった罰みたいなところで支給されていないということだが、そもそも「まん防」は協力しなかったら過料が20万、「緊急事態宣言」の場合は過料が30万ということで、「緊急事態宣言」のほうが本来厳しいわけだが、「まん防」に協力しないからといって「緊急事態宣言」よりももっとひどく厳しい措置を飲食店に課している。確かに飲食店が行政に対して従わないということはよくないことなのかもしれないが、飲食店自体も別に違法行為をしたいわけではなく、それぞれ生活のためにやむなく判断してやっていることであって、それをなおさら追い詰めているような行政の一つの形だが、こういうことについて、東京の例だが、もしかしたらほかもあるかもしれないということでお聞きしたい。

【代表】
 本当に過去に従っていただけなかったということを理由に、現状は従うつもりなのに協力金のところでペナルティーを課すというような運用をしていたら、それは何のための感染対策なのかということについて理解が全く欠けている行政であると断じざるを得ません。いかに営業しないでいただくのかということのために、場合によっては過料という制度を入れているのであるし、また協力金でお願いをしているのであって、過去に従わなかったケースがあっても現状従ってもらうところが多いほうが感染対策としては効果があるわけで、刑事罰と違うのは、本質的に悪いことをしたというペナルティーではないわけですから過料というのは。みんなに従っていただいたほうが全体の福祉になるからということで過料という制度があるし、協力金という制度も同じ趣旨だと思いますから、明らかに行政の目的を履き違えている、間違ったリーダーの扱いだと。だからこそ東京都議会でやはり仲間をたくさんふやさなければならないというのは党としても大事な視点であると思っています。

○次期衆院総選挙について(4)

【「フランス10」・及川記者】
 枝野さんは田原総一朗さんの番組で、あしたにでも総選挙をやってほしいというような言い方だったが、現状で野党の候補者一本化は進んでいないわけだが、総選挙が決まってから野党一本化を進めるのか、それともその前から、どれぐらいのスピード感で進めていこうとお考えか、れいわ新選組も含めるのかということと、最後に要望で、クエスチョンタイムの後に会見なりぶら下がりお願いします。

【代表】
 まず、僕何度も繰り返し申し上げてきているつもりなのですが、皆さん勘違いをしておられるなと思うのは、参議院は、1人区の数に限りがあったし、複数区もあったしということで、全ての1人区の一本化を目指して実現しました。衆議院選挙は初めからそんなこと目指していません。初めから50から100程度の選挙区を一本化できればいいと。既に実現しています。既に100程度の選挙区は野党候補が事実上一本化されています。なので、前提が違います。