立憲民主党は3日、「領域等の警備及び海上保安体制の強化に関する法律案」を衆院事務総長に提出しました。
法案の主な内容は、領域等における公共の秩序を維持し、国民の安全を確保するため、(1)領域等の警備に関する基本原則を定める(2)領域警備基本方針及び海上保安体制強化計画を策定する(3)その他の領域等の警備に関する施策の基本事項を定める(4)領域警備・海上保安体制強化会議を設置し、領域等の警備において警察機関及び自衛隊が事態に応じて適切な役割分担の下で迅速に行動できるようにする――などというもの。
法案手交後、篠原豪外交・安保・主権調査会長、重徳和彦安全保障部会長、小宮山泰子国土交通部会長ら提出者が記者団の取材に応じました。
冒頭、篠原調査会長は法案提出に至る背景に関して「中国が尖閣諸島周辺域において、いろいろな活動を活発化させているし、武装漁民船が南沙諸島に多く出て行き、そこで威力を見せつけるようなこともある。こうした事態に対して、海上保安庁が一生懸命頑張っているが、それでも足りない部分について自衛隊が後方に立ち、(領域等の警備を)補完する能力を法的に担保するために立法した」などと説明しました。
重徳部会長は、法案のポイントについて説明しました。「何よりも目的・基本原則にある通り、領域等の警備では警察機関が中心になり、警察権の行使を適切におこなうことによって領海等を守る」と強調しました。その上で「警察機関と自衛隊が事態に応じて適切な役割分担のもとで迅速に行動できるようにする」ことが法案の基本精神であると述べました。
具体的施策としては、(1)政府が5年に一度定める「領域警備基本方針」に基づいて、海上保安庁の人員や装備を計画的に強化する(2)国土交通大臣から海上保安庁の警備行動を補完するよう防衛大臣が要請を受けた場合、自衛隊の部隊が海上保安庁の警備行動を補完するための「海上警備準備行動」をとれるようにする――の2点がポイントだと解説しました。
小宮山部会長は、「領域等を警備する上で、日本の場合は海上保安庁が第一義的に責任がある。海に囲まれた国土、そして領域を守るという意味で、海上保安庁を強化することがまずは大切だ」と力を込めました。なお、法案手交には、篠原豪、中川正春、小宮山泰子、阿久津幸彦、重徳和彦、渡辺周、小熊慎司、広田一、城井崇、亀井亜紀子の各衆院議員、小西洋之参院議員が参加しました。