枝野幸男代表は27日、東京都議会議員選挙応援のため都内各地を回り、4カ所目となった小田急線多摩センター駅南口前では、南多摩選挙区・斉藤れいな候補とともに街頭演説をおこないました。今回都議2期目への挑戦となる斉藤さん、5歳と10歳の子どもを育てる母親でもあり、この4年間で子育て支援や待機児童問題、さらには児童虐待が起きないようにするための予防的支援、パートナーシップ制度の創設などを求めて幅広く活動、「誰ひとり取り残さない東京」をめざしています。

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 冒頭、地元選出の伊藤俊輔衆院議員(東京23区総支部長)は、政府や東京都の新型コロナウイルス感染症対策について、科学的根拠によらない政策がとられていること、東京五輪・パラリンピックありきで進んでいること、さまざまな影響を受けている事業者などへの支援が遅く、限定的で額が小さいことなどの問題点を挙げ、「今回の都議会議員選挙は命がかかった選挙」だと意義を強調。「国会も都議会も、目の前に課題が山積しているにもかかわらず議論が尽くされていない。今が緊急事態であるという危機感が欠如している」と批判しました。

 「政治は、自力ではどうにもならない人たちのためにある。コロナ禍で必死に事業を継続させようとしている方、従業員やアルバイトなどスタッフの生活、雇用を守ろうとしている方……。私たちは、こうした方々を向いて政治をやりたい。今の政治は向いている方向が明らかに違う」と述べ、こうした政治の転換が必要だと主張。「女性がキャリアを積むことができる、働きやすい環境を作る一方で、男性が家事や育児に参加しやすい環境を作らないといけない。社会を変えるため、多摩ニュータウンの政策を前に進めるためにも斉藤さんに力を貸してほしい」などと呼びかけました。

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■斉藤れいな候補

 斉藤候補は、「4年前、都民ファースト会派から都議会に送り出していただいた。何よりも多摩市民の皆さんの思いを東京都に伝えるために立候補したが、都議会の議員になってから都民ファーストの所属議員としては、例えば都知事に対しては厳しい質問がなかなかできない、させてもらえないということがあり、2019年1月に離党し、2年3カ月無所属で活動してきた」と自己紹介。東京都の新型コロナウイルス感染症対策をめぐっては、「子どもたちはイベントの中止や延期など多くの我慢を強いられる一方で、オリンピックを開催するのか」といった厳しい声を保護者や教職員たちから寄せられていると話し、事業者支援や、生活困窮者支援、自殺者数の増加などコロナ禍でよりいっそう困難な立場に置かれている女性たちの支援などさまざまな施策が求められているなか、なかなか議会が開かれないことを問題視しました。

 小池都知事は、本来は緊急を要する場合に限って地方自治法で認められた手段である専決処分により、議会を開かずにこれまで20回以上、1兆円以上の予算を執行していると批判。しかしながら、現状では議会の開催を求めても、そのために必要な4分の1以上の賛成が得られないとして、「今回都議選に立候補している(党公認・推薦)候補者33人が通ると都議会議員127人のうち4分の1以上となり、議会を開かせることができる。議会を開いて機能する議会、働く議会に変えていかなければいけない。たくさんの声を東京都に伝え、政策に変えていきたい」と支援を呼びかけました。

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■枝野幸男代表

 枝野代表は、自身が初当選した約30年前も「改革」という言葉が躍っていたと話し、今も相変わらず同じ言葉が飛び交い、何も変わっていないと指摘。「競争すれば世の中良くなる。競争の邪魔になる規制は取っ払っていけ。役所は小さければ小さいほどいいんだ。これがこの30年間、平成という時代の日本が日本の政治が歩んできた道ではないか。その裏返しが、競争が大事なんだから、競争の結果負けている、残念ながらうまくいかない人たちは自己責任だ。自助努力で何とかせい。そういう政治がどんどん強くなりすぎてしまったのではないか。この根っこから変えないといけない。私たちはそのことを、この感染症危機で突き付けられている」と述べました。

 「たしかに競争は大事。競争のない社会は進歩がない。人生のなかで自己責任で進路を決めなければいけない、判断しなければいけないことは山ほどある」としたうえで、「一方で、皆さんのどなたであっても人生のなかで、自分の力だけではどうにもならないときがある。自分の力だけではどうにもならないときのためにあるのが政治ではないか。いざというときに頼りになる、いざというときに支えになる政治を取り戻したい。一緒に取り戻しませんか」と提起。いざとをいうときの支えとなる医療・介護体制の充実や、子育て支援、仕事を失ったときの支援などまっとうな政治をおこない、感染症危機から当たり前の日常を取り戻す政治をつくってきたいと力を込めました。

 その上で、多くの皆さんのいのちと暮らしを支える政策を具体的におこなうのは都道府県であり、特に感染症危機は都道府県が大きな役割を担っていると指摘。東京都では今年に入ってからの飲食業者の皆さんへの支援金の支払いが遅れていることにも触れ、「東京都でいざというときに支えになる政治をつくるためには、東京都にその声を届けていかなければならない。議会の役割は知事に拍手喝采することではない。1千万人を超える都民がいる、広い東京で隅々までの暮らしの声、現場を知事が分かるはずがない。だから議会があり、都知事が気づいていないもの、見えていないものがあったら、そのことを遠慮なく言うことができなければ意味がない。そのことにいち早く気づき、都民ファーストを離れられ、われわれと同じ方向を向いて一緒にやっていけるが斉藤さん」だと述べ、斉藤候補への支援を呼びかけました。

 街頭演説では、稲橋裕美子立川市議会議員が司会進行を務めました。