参院厚生労働委員会で8日、「社会保障及び労働問題等に関する調査」(新型コロナウイルス感染症対策等に関する件)をテーマに閉会中審査がおこなわれ、「立憲民主・社民」の2番手として田島麻衣子議員が質問に立ちました。田島議員は、(1)東京オリンピック・パラリンピックの開催(2)新型コロナウイルスワクチン接種(3)コロナ禍での医療的ケア児のケア――について取り上げ、政府の見解をただしました。

DSC_9992.jpg

 東京オリンピック・パラリンピックの開催をめぐり、政府が12日から東京都を対象に4度目の緊急事態宣言を出す方針を固めたことを受け、田島議員は観客の扱いをあらためて質問。オリパラ事務局の内閣審議官は「無観客も含め当該措置が発動されたときの措置内容を踏まえた対応を基本とすること、感染状況、医療状況等について急激な変化が生じた場合には、速やかに対応を検討することで合意がなされている。これらを踏まえて(大会組織委員会などとの5者協議で)適切に対応がなされると考える」と答えました。田島議員は、IOC(国際オリンピック委員会)などの関係者やスポンサーが、主催者側として例外的に、例えば開会式などに入ることがないよう、「原則無観客」ではなく「例外なき無観客を求める」と主張しました。これに対し事務局は、「大会運営関係者については、専用車で直行直帰するなど行動管理もされている。人流の観点からも安全に管理されているため、他のスポーツイベントと同様に主催者側であり観客には含まれないという整理」「IOCは組織委員会とともに主催者であると理解している。IF(IOC公認の国際競技連盟)についても構成員としておこなっている。主催者と考えるのは自然だ」などと強弁。田島議員は「日本国民の命と安全を守るのは日本政府でIOCではない。しっかりIOCにものを言っていくべき」だと改めて求めました。

DSC_0030.jpg

 新型コロナウイルスワクチンの接種については、各自治体などでは足りない悲鳴が上がっているにもかかわらず、田村厚労大臣が6日、「ファイザー社のワクチンが4千万回分余っている」と発言したことに言及。この4千万回分がどの自治体にどれだけ余っているのかを厚労省は把握しているのかとただしたところ、厚労省は「総接種回数、お配りした数は自治体で把握しているし、私どもも市町村ごとに把握している。都道府県にはそれぞれの市町村の総接種回数等についてもお知らせしている」と答えました。田島議員が、「今後政府がこの4千万回分を国が調整役を担ってほしい」と求めたのに対し、田村厚労大臣は「8月分については昨日伝えた。その先までと言う話もあるが、供給と接種回数、どれくらい使っていただいたかを見る必要がある。VRS(ワクチン接種記録システム。Vaccination Record System) 等で、どれくらい接種いただいているかが分かるので、それと供給量を対比しながらミスマッチが起こらない形で対応していくことを河野大臣と打ち合わせをしている」と説明。地元の医療機関に行き直接様子を見てきたという田島議員は、政府が59億円で調達し配っている、接種券を読み取るタブレット端末VRSは読み取りが遅く機能していないと指摘。これをもってワクチン供給の調整するのは難しいとの認識を示し、「いくらワクチンが使われ必要かを調整する機能がまったくこの国にはない」と改善を求めました。

DSC_0088.jpg

 コロナ禍での医療的ケア児のケアについては、通常国会で支援法は整ったものの、外出が自由にならない中で家庭での負担が増していると指摘、国として今後どのように軽減していく考えかを尋ねました。

 田村厚労大臣は、「障がい児の通所支援等に関して、今般の報酬改定において必要な看護職員などを配置し、医療的ケア児のお子さんを受け入れていただいた施設に関しては、例えば基本報酬885単位だったところ医療の必要に応じて1552単位から2885単位に引き上げをしている。こうした取り組みも踏まえながら、許諾介護、短期入所等関連サービスもしっかり連携しながらコロナ禍で支援ができる体制をそれぞれの自治体で事業者とともに整えてもらえるよう最善尽くしていく」と答弁しました。

DSC_0165.jpg