参院厚生労働委員会は8日、新型コロナウイルス感染症対策等について閉会中審査を行ない、立憲民主党・社民から打越さく良議員が1番手として質問に立ちました。打越議員は、新型感染症ワクチンの接種業務問題、来日するオリパラ関係者の行動管理などについてただしました。
新型感染症ワクチンの接種業務問題
新型感染症ワクチンの接種業務問題に関して打越議員は、全国の自治体がワクチンの供給状況を把握しながら順次接種に務めてきたにもかかわらず、菅総理が高齢者接種を7月末までに完了するよう号令をかけたため、「それが圧となって自治体職員はゴールデンウィーク返上で7月までに終えるべく計画を立てた」と指摘しました。
ところが政府からのワクチン供給が一部の自治体の要望に追いつかない事態となり、当該自治体では新規予約の停止やキャンセルを余儀なくされていると言及。「供給量が追いつく目処がないのであれば、号令をかけるべきではなかったのではないか」と迫りました。
これに対して田村厚生労働大臣は、「全体は河野大臣の担当」と前置きした上で、「ワクチン量は市中に十分にあるが、(各自治体への)供給が合っていない。法律上、都道府県がその総合調整をおこなうことになっているが、それが上手くいっていない部分もある」と問題が露呈していることを認めました。
さらに自治体では、ワクチン接種を急かされたため、すでに長時間労働になっている上にキャンセル業務も加わり、深刻な業務過多に陥っていると指摘。どのように対応するか見解を求めました。厚労省の担当者は「自治体の負担を軽減するよう努力する」と答弁しました。
オリパラ関係者の行動管理について
続いて来日したオリパラ関係者への感染症対策に伴う行動管理についてただしました。政府がオリパラ選手、報道関係者らが行動制限に違反した場合、国外退去を命じるとの方針に関して、違反者が続出していると報道されているが、これまでに強制退去の事例があるか確認しました。法務省の担当者は「事例はない」と答えました。
オリパラ関係者と報道関係者を合わせると少なくとも7万8,000人にも及ぶが、それだけの人の行動管理をどうおこなうのかを質問しました。内閣官房の担当者は、東京五輪・パラリンピック組織委員会が担当し「宿泊滞在の場所、移動、会場、用務先のそれぞれの管理者を置いている。1対1で管理をしているわけではない」と答弁しました。
この答弁を受けて打越議員は、「適正な人員の管理者がいる」と言うだけで、人数すらも明らかにしないことに対して「本当に危うい。昨日の衆院での山井議員の質問で、コンビニにも事前に了承もなく行けることも明らかになった。全くバブルどころかザルと言うか、ザルもないとひどい状況だ」と感染対策への深刻な懸念を示し質問を終えました。