28日に逝去された江田五月元参院議長の告別式が31日、岡山市でおこなわれ、菅直人最高顧問、枝野幸男代表、福山哲郎幹事長、及び岡山県連所属議員が参列しました。
枝野代表は参列後、記者団の取材に応じ、夫人からここ2カ月はかなり容態が悪かったと聞いたことを明かした上で「そういう話は伝わっていなかったので本当に突然のことで、びっくりもしましたし、大変残念だと思います。立憲民主党の立ち上げに直接携われたわけではないが、江田先生の長年の歩みの、ある意味では延長戦上で今われわれが活動させていただいている。本当の恩人の一人だと思っております。私個人としても、こういう先輩のような政治家になりたいという方でありましたので、本当に感謝の思いと残念だという思いで今日は参列させていただきました」と話しました。
また、江田元議長とは初当選直後に知り合い、薬害エイズ問題を一緒に取り組んだ菅議員が江田先生と親しかったことから関わりがあったと振り返り「われわれに対しては温和で穏やかで、ただしお話されている中身はカミソリのような鋭さがあり、それとお人柄の、良い意味でのギャップがあった。私もどちらかというと冷たいとか堅いとか言われるが、江田先生はそれと真逆の包容力を兼ね備えているというところに学ぶところが多い先輩だった」と語りました。
どのようなことを引き継いでいきたいかを問われると「江田先生がすごいなと思うのは、ハンセン病や東ティモールのこととか、世の中が注目していない段階から、大事な人権、平和の問題で具体的に困っていらっしゃる方に寄り添う活動をされてきて、それが実際に時間をかけて結実をさせていらっしゃる。私は目指す大きな方向性は当然としても、こういう目につかない、目につきにくい課題を見つけて寄り添うという姿勢が引き継げていけたらと思っています」と述べました。
江田元議長が野党共闘による政権交代を目指していたことについて聞かれると「江田先生が社民連の頃と今の政治状況は次元が全然違うと思いますが、江田先生は党派を超えて、人脈というか人間関係で信頼を得ておられた。『江田さんがおっしゃることだから』ということで物事が動くとか、江田さんがおっしゃることは皆が信用するとか。そういう方だからこそ、最初は小さな政党で長くやられていたにもかかわらず、参院議長にまでなられた。当時の民主党にとっての重鎮というよりも、日本の政界全体の重鎮として、まさに重きをなすことができたのだと思います。党派や主義主張にとらわれない信頼を得られる、そういう政治家が求められているのだと思う」と語りました。
江田元議長の逝去が衆院選挙で地元選挙区に影響が出るかと問われると、「岡山は1区に限らず、全体としても比較的若い候補者が多いが、江田先生を見習って良い部分を引き継いでもらいたい」「もう一歩、一皮むけてもらいたい若い仲間が多いので、江田先生からお教えいただいたことを活かせば、間違いなく一皮むける。江田先生に安心していただけるようにそれを活かして一皮むけてもらいたい。そうすれば結果はついてくる」と期待を込めました。