立憲民主党は1日夜、りっけんチャンネル第4回 「コロナ・五輪で見えた『おっさん』政治の実態」を配信しました。
辻󠄀元清美副代表と大学生を中心に若い世代の政治参加をもっと身近なものにすることを目指す団体「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんが対談しました。対談では、男性中心の日本政治の中で、なぜ議員の男女比50対50に早くできないのか、若者の政治参画をさらに促す方法等が話題になりました。
「若者なくして日本なしと言える社会にしたい」という思いで団体を立ち上げ、2019年7月の参院選挙の頃から若い人の投票率を上げるために活動を始めた能條さんは現在23歳。今の社会は若い世代の問題意識が反映されておらず、若い人が投票に行かないために若い人の声が大事にされていないと問題意識を持っています。また、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長が女性蔑視発言をした際には、森前会長の処遇検討と再発防止を求める署名活動をおこない、15万7千筆以上も集める行動を起こしています。
デンマークに留学経験のある能條さんは、「(デンマークでは)20代の投票率が80%を超えていたり、友達が当たり前に政治の話をしていて、日本もこういう風になったらまた変わっていくんじゃないかと思ったことが日本で活動しようと思ったきっかけ」と説明しました。辻元副代表は、日本の衆院総選挙における年代別投票率を示し、60代以上が70%を超える傾向にあるのに対し、20代は30%程度となっており、「デンマークと比べるとえらい違いだ」と指摘しました。能條さんは日本とデンマークの若者を比較して、「意外と若い世代の意識がそんなに変わらないと思った」と述べる一方で、「(デンマークでは)若い人の声がしっかりと社会に届いていたり、社会を動かせていることは違うなと感じます」と若者の政治との距離の違いに触れました。
辻元副代表は 、日本の国会議員の女性比率が9.9%と191カ国中166位である表を示し、「割合が低い」と指摘。女性がリーダーである国について、「政治への信頼度が高く、政治への信頼度が高いから男性も女性も出てきて、同時にジェンダー平等で多様な社会になっていき、若者の政治参加の率が増えていくという話もある」と紹介しました。さらに辻元副代表は、女性の議員が増えない理由として、女性議員が少ないためロールモデルがなく、出産をし、子育てをし、働き方の問題もあるため「職業の形になっていない」と問題視。能條さんも「政治家になりたいと思う人たちは周りにたくさんいるが、ほとんどが男性だ」と述べました。
こうした現状に対し、若い人たちに政治参加を促しどのような希望を作っていくのかを辻元副代表が能條さんに問うと、能條さんは「経済成長というより、格差が開いている時代で生きているからこそ、格差が縮まったり、みんなが当たり前に当たり前の生活が普通に送れるように将来設計ができることが実現できればいいと思っています」と考えを示しました。辻元副代表は、「『当たり前』がキーワードだったと思いますが、今までは高度経済成長期というのがあって、1960年代ぐらいからずっと来て、あの成功体験に縛られた『おじさん』たちが政治の中心にいるのが困る。モデルチェンジしなければいけない」と提唱しました。そのうえで、選択的夫婦別姓やLGBT差別解消法等の多様性を象徴する法案が自民党内では議論が進まなかったことについて意見を問うと、能條さんは「当たり前の感覚でやれば良いのではないかと思うことが、なかなか通らない印象がある」と意見を述べました。
能條さんは、「男性女性の対立の構造ではないと思いますし、男性中心の社会でも別に全ての男性にとって生きやすい社会だったわけでもない。一部女性でもそこに入って『おっさん政治』の一員になっている人ももちろんいる。そう考えたときに、いろいろな人の意見が反映される社会になれば、ジェンダー平等にとっても良いし、若い人にとっても良いし、民主的になるしみんなが生きやすい社会になるんだろうなと思っていて、そのために一人ひとりが参加することが大事だと思って活動を続けていく」と決意を述べました。