立憲民主党は8日、新型コロナウイルス対策本部と子ども子育てPT、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する課題検討PT、会派の厚生労働部会・文部科学部会の合同会議を党本部で開催。自宅療養患者が激増するなか、抗体カクテル療法の自宅使用についてあらためて政府に要望、検討を進めるよう求めました。
冒頭のあいさつでの逢坂誠二対策本部長は、新型コロナウイルスに感染しても入院できない自宅療養者が全国で13万人を超えるなど医療体制は依然としてひっ迫していることに、「これが先進国日本のあり方なのか。世界第3位の経済大国日本の現実なのかと思わざるを得ない。政府は早急に対策を講じる必要がある」と発言。生活困窮者や、地域と業種を問わずコロナの影響で収入が減少している多くの事業者の皆さんに対し、政治の力で支援が必要であり、そのためには臨時国会を開く必要があるとあらためて主張しました。自民党の総裁選挙で立候補をめぐる動きが活発化していることにも触れ、「国会を開かずに党内での総裁選びだけにうつつを抜かしているようでは国民から見放される。戦後最大の危機に直面しており、国会を開きコロナ対策についてしっかり議論が必要だ」と述べました。
長妻昭厚労部会長は、在宅医療に従事する医師らは、診療の数をこなせばこなすほど赤字となり経営的にひっ迫しているところが多く、クラウドファンディングを活用している例もあるとして、「こんな理不尽なことがあっていいのか」と提起。東京都では、宿泊療養施設として新たに17棟のホテルを用意したものの看護師不足で受け入れができていないこと、その理由として、より賃金の高いワクチン接種の仕事に人材が集中していることを指摘し、こうした構造的問題を改めるべく取り組んでいきたいと力を込めました。
斎藤嘉隆文科部会長は、保健所が機能しない地域では学校が保健所代わりになっているため、陽性者が出た場合には濃厚接触者の特定などもおこない、後々必要であるということで授業や給食の様子を動画で撮影するなど過重な負担がかかっていると指摘。「保護者が不安だということで、あえて生徒を登校させない学校も増えている。児童、生徒に感染者が出ないようにと天に祈るような気持ちで対応していると聞いている」と現場の苦労を慮り、国として必要な対応を求めました。
会議では特に、党が3週間前から要望している抗体カクテル療法の自宅での使用について、在宅診療をおこなっている現場の医師から「抗体カクテル医療の自宅使用が必要です。自宅療養という名の自宅放置は絶対に改善させなければなりません。国民皆保険で安心して医療が受けられる日本でこの現状です。外来使用は可能になり、多くの命が救われることになりますが、外来にいけない環境の方、お一人暮らしの方等々、自宅での治療で救われる命が多くなるのです」と痛切な訴えがあることも紹介しながら、あらためてこの点を強く求めました。
政府は8月13日、宿泊療養施設や、臨時の医療施設として設置された「入院待機ステーション」などで投与することを認めており、この理由について、大きくは(1)使用許可の条件を24時間の医療管理体制が整うこと(2)重篤化した場合に入院措置がとれること――だと説明。逢坂本部長は、「外来で投与を受けて家に帰るのと、家で医師の管理体制があるなかで投与を受けるのとどこが違うのかが分からない」と指摘し、あらためての詳しい説明とともに、一人でも救える命を救えるよう、十分な体制のもとでは自宅での投与を認めるよう求めました。
政府は「課題としては認識している。検討させていただく」と回答。議事録を残す形でしっかりと議論をおこない、速やかに結論を出してほしいと求めました。
また、小中学校での感染が不安で学校に来ない場合の出欠の扱いについて、「校長の弾力的な判断で出席停止等か欠席になる」というものであったことから、この点についても整理して回答するよう要請。あわせて、オンライン授業をおこなった際の指導要録への記録については、2日の文科省申し入れの際、萩生田文科大臣からは教員にとっても負担がないよう対応する旨答弁があった点が反映されていないとして、あらためての回答を求めました。
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