長妻昭厚生労働部会長は15日、在宅医療の拡充、追加支援策の実施等を求める緊急要請書を田村厚労大臣に国会内で手交しました。申し入れには、大西健介子ども・子育てプロジェクトチーム座長、中島克仁、山井和則、早稲田夕季各衆院議員と塩村あやか参院議員が加わりました。

 申し入れは、医療ひっ迫地域において、新型コロナウイルス感染症患者が入院できず自宅療養を強いられ、亡くなられている方が相次いでいること、人流抑制を実現し新規感染者を減らすためにも、さまざまな影響を受けている方々への必要かつ十分な追加の経済支援等が必要であることを踏まえ、一定の条件のもとでの抗体カクテル療法の自宅での使用許可をはじめ、医療従事者らへの3回目の接種、低所得家庭向けの「子育て世帯生活支援特別給付金」の再支給、「新型コロナウイルス感染症生活困窮者支援金」の要件緩和等、13項目を求めるものです。

在宅医療の拡充、追加支援策の実施等を求める緊急要請.pdf

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 長妻厚労部会長は、新型コロナウイルス感染症対策をめぐり、「重症者の数は高止まり、自宅療養者は全国で10万人を超えているにもかかわらず、政府のなかでは新規陽性者数が減り、ひと山超えたといった安堵感が漂い、緊急事態宣言の要件緩和あるいは行動制限の緩和の議論が始まっている」と懸念を表明。長引くコロナ禍で貯金が底をついた個人、家庭も多く、生活崩壊も深刻であることから今回の緊急要請に至ったと趣旨を説明。「総裁選よりコロナ対策。せめて政務三役は職務に専念してほしい」と訴えました。

 子ども・子育てPT座長の大西衆院議員は、「デルタ株は、これまでと違って子どもに感染しやすいのが特徴。子どもにフォーカスした支援が必要だ」と強調。特に低所得家庭向けの「子育て世帯生活支援特別給付金」(児童1人あたり5万円)の再支給の必要性について触れ、「例えば大学共通テストの出願が今月末に始まるが、1万8千円の受験料を払えない、あるいは払ってほしいと親に言えないために受験をあきらめる子どもたちもいる。しっかり現金を届けることが大切だ」と述べました。

 新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する課題検討PT座長の中島衆院議員は「早期治療の導入が非常に大事。唯一、軽症・中等症に適応になっている抗体カクテル療法については2カ月前から自宅でオペレーションやモニタリング体制が整っている医療機関・地域では早急に対応をと求めているが実現していない。実際に現場の医師からも要望を受けているので、自宅での体制が整っているところには早期に使用できるようにあらためて求めていきたい」とコメント。加えて、独自に在宅医療体制を整えている医療機関に対する診療報酬上の措置のさらなる拡充、9月までとされている特例加算の継続、冬に向けて先行している医療従事者への3回目の接種が迅速に対応できるよう、ワクチンの確保を含めた明確なスケジュールの明示を求めました。

 早稲田衆院議員は、抗体カクテル療法の自宅での使用を認めるよう重ねて訴え、「自宅療養者は3週間続けて10万人以上で、まだまだ医療にアクセスできない方がたくさんいる」と指摘。「神奈川モデル」として訪問医療の体制を充実させている自身の地元・神奈川のように、一定の条件が整った地域での使用許可は、救われていない命が助かることにつながると意義を述べました。診療報酬と同様、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の上乗せ特例についても、10月以降の延長するよう重ねて求めました。

 塩村参院議員は、小学校休業等対応助成金・支援金の再度支給について、休業支援金・給付金と同様に、事業主の了解がなくても労働者が単独で申請できるよう強く求めました。

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 山井衆院議員は、「新型コロナウイルス感染症生活困窮者支援金」をめぐり、申請要件が厳しいことから7月末で想定の1割、8月末までで2割しか支給されていないことを問題視。現状では、ハローワークに求職の申込みをし、一定の求職活動を行っているか、生活保護を申請し、申請に係る処分がおこなわれていない状態にあることが条件になっていることから、自身の地元・京都市をはじめ多くの自治体から苦情が出ていると話し、「(勤め先が)休業していたり、シフトが減らされていたり、自営業の人はハローワークには行かない。見直しに向けて後押ししたい」と力を込めました。

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 続いて文部科学省で同緊急要請を髙口文部科学戦略官に手交しました。

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 今は平時の発想ではなく、コロナ禍での特別な対応が必要だとし、(1)小中学校でオンライン授業を受けた場合や感染不安等により自らの判断で登校しない場合に出席扱いにすること(2)ワクチン接種で受験生等を優先させる際に、進路に就職を選ぶ人も優先対象とすること――等について要請しました。文部科学省への要請には、長妻昭、大西健介、山井和則各衆院議員、塩村あやか参院議員が参加しました。

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