枝野代表は18日、訪問先の新潟県新発田市で記者団の取材に応じました。質疑の要旨は次のとおりです。

Q)今日新潟県内をまわられた感想をお願いします

 東京でも米価の下落、これに対する農家の皆さんの大変強い不安というのは伺っておりましたが、実際に現地で当事者の皆さんから話を聞かせていただいて、やはり急いで手を打たないと、本当に米作りを続けられないという方がたくさん出てしまい、取り返しがつきません。その緊急性を改めて痛感しました。
 もう1つは、やはり戸別所得補償制度の復活に対する強いご期待。やはりあのときは良かったという声をいただいて、改めて自信を深めました。必ず政権をひっくり返して、戸別所得補償制度を復活させて、充実させていきたいと改めて決意しています。

Q)このタイミングで新潟に来た理由とは何か

 われわれの仲間が多く、参院は裏表も、議席をいただいているということで、まず強いところにしっかりと総選挙に向けて、足場をきちんと固めて、特に(衆院の)現職3人は、いずれも政権をひっくり返せば中枢を担ってもらわなければいけない仲間なので、まずそこをしっかりと固めていこうという思いと、もう1つはやはり米価の問題が少し意識にあって、やはり米といえば新潟だろうということでお話を聞かせていただく機会をこのタイミングで作れたのはよかったと思います。

Q)自民党総裁選が昨日から始まっているが、その様子をどのようにご覧になるか

 いつも申し上げているのですが、甲子園の準決勝でこちらは第1試合が終わって決勝進出を決めているので、第2試合を眺めている状況です。その第2試合について、どっちが勝った方がいいとか変な評論家みたいな解説はすべきではないと思っています。

Q)改めて衆院選に向けて一言お願いします

 特に9年近くの自民党政権の矛盾は、今回の総裁候補のいずれも、それを中枢部で支えてこられた皆さんです。それについて真摯な反省とか、そうした言葉もなく、どなたがなっても何も変わらない。やはり国民の生活を壊してきた。そして隠ぺいや改ざんなどで民主主義を壊してきた。そして国民を強いものと弱いものに二分してきた。この政治の流れは政権そのものを、自民党そのものをひっくり返さない限り変わらないと思っていますので、そのことを自信をもって訴えていきたいと思います。

Q)1、3、4、6区に党の候補者がいるが、改めて衆院選で新潟の位置づけは

 まずわが党の現職3人、そして新人も前回本当に僅差で惜敗をして、しかもこの4年間地道に地域で活動してきているので、私は4人とも小選挙区で勝っていただくということが可能であるし、そうしてもらわないと困ると思っています。小選挙区で4人とも勝ち上がれるように党本部としても、できることを最大限やっていきたいと思っています。

Q)前回3区は僅差で小選挙区で勝っているが、勝敗のポイントはどこになるか

 この4年間、特に黒岩さんは国対の幹部として、議席数が少ない中でも検察法改正を止めるとか、大学入試の英語の共通テストを止めるとか、数が少ない中でも結果を出して来た。その中枢を担ってきた。そうした実力と実行力がちゃんと伝われば必ず後が付いてくると信じています。

Q)全国各地を回られていると聞いたが、代表自ら地方を回る思いを聞かせてほしい

 やはり本部から党の代表が来るとなれば、地元の支援して頂いている皆さんも含めて、そこを1つのポイントとして支持を広げていくという運動の展開になると思っています。それからもう1つは、もちろんこれまでも正に草の根からの民主主義、ボトムアップの政治と訴えてきた。聞いてきているつもりであるけれども、やはり地域に出向いてこそ本当の生の声を一番聞けると思っているので。アウトプット、インプット両方の面で地方に出ることは大変大事なことだと思っているので、感染防止に最大限留意をしながらやっていきたいと思っています。

Q)農業政策について、米価の下落について先日提言も出されているが、改めて党として農業政策をどのように進める考えか

 きちんと備蓄のために市場から一定量を国が買い上げて隔離する。これはやはり急いでやりませんと、価格の下落傾向を食い止めることはできないし、特にいわゆる仮渡し金が低い水準で、という流れの中で、本当に農家の皆さんが、希望を失いかけている。そこには早いメッセージが必要だと思っております。やはりこういった状況を生んでいる原因も含めて、戸別所得補償制度を復活させること、そして米の需給調整に、国が一定の役割を果たすこと。これを安倍・菅政権が壊してきた。これを元に戻していかないと、日本の農政を立て直すことはできない。このことは自信を持って訴えていきたいと思っています。

Q)農家とのやりとりのなかで戸別所得補償制度について規模別や年代別を求めるやりとりもあったが、今後の制度設計についてヒントになることはあったか

 ここでも話したが、まずはベースとなる部分を復活させる。そのことで最低限の不安を小さくしていただく。その上で農業、米作りという点でも、さらにきめ細かくやっていくことが必要ですし、それからそれ以外の1次産業にも展開していくことが必要だと思っていますので、第2弾第3弾に向けて、既に大変有意義なヒントをいただいていると思っています。

Q)自民党の竹下亘衆院議員が亡くなったという報道があったが、その受け止め、竹下氏とのエピソードなどがあったらお聞かせください

 私自身は直接やりとりをするような機会はありませんでしたが、長年に渡って自民党の幹部、重鎮の一人としてお仕事をされてきた。ただ、ここ数年、外から拝見しても体調の悪い中で活動してこられたという姿を見てきたので、本当に大変残念だと思っています。心から哀悼の意を表したいと思います。

Q)自民党総裁選の候補者が男女同数となったことに対する受け止めと、一方でジェンダーに関する問題の議論が不十分という意見もあるが、どうか考えか

 たまたまなんでしょうけども、そういう数になっていることは悪いことではないと思いますが、現実に多くの、特に女性が困難を抱えている、特にお金かけずにすぐにできる、選択的夫婦別姓などを党として進める意思があるのかどうか。党の反対意見を、しっかりと説得して自民党として推進する意思があるのかどうか。そういうことをお示しいただくことが、本当のジェンダー平等推進にとっては大事なことだと思っています。

★2ショット ぶら下がりDSC00444.JPG
取材に応じる枝野代表(右)。左は黒岩宇洋議員(新潟3区)