枝野幸男代表は30日、国民民主党、社会民主党、日本共産党、れいわ新選組(会談実施順)とそれぞれ党首会談をおこないました。会談には福山哲郎幹事長が同席しました。
枝野代表は、国民民主党の玉木雄一郎代表との会談後、記者団の取材に応じ、一連の党首会談の趣旨について「昨日、自民党の新総裁が決まり、いよいよ政権を競い合う総選挙という決勝戦にここから突入していく段階になった。改めて、この総選挙に向けて最大野党の立場として、野党各党の皆さんと意思合わせをしていきたいということだ」と言及しました。
玉木代表との党首会談では(1)次の総選挙において、自公政権を倒し新しい政治を実現する(2)両党は連合との政策協定に基づき、共有している政策の実現に努める(3)総選挙において両党は協力して選対委員長名で交わした覚書に基づき、小選挙区での勝利のため全力を尽くす――という3点に合意したと報告しました。
また、4日に予定されている首班指名選挙について、「枝野と書いていただきたい」と申し入れたが、残念ながら書いていただけないという回答だったが、総選挙については、一体となって、小選挙区の勝利のため努力して全力を尽くしていくことで一致をしたと話しました。
さらに、臨時国会では新総理の決定後、所信表明と代表質問にとどまらず、予算委員会でしっかりとそれぞれの考え方を議論する実質審議を要求することでも一致したと述べました。
次に、社会民主党の福島みずほ党首と会談をおこない、終了後に記者団の取材に応じました。枝野代表は会談で「次の総選挙において、自公政権を倒し、新しい政治を実現するということで確認をした。会派を共にしていることを踏まえ、次の総選挙において小選挙区での勝利のために全力を尽くすということでも確認した」と話しました。また、4日に予定されている首班指名で枝野と書いてほしいと要請したところ、「会派を組んでいることもあり、当然枝野と書きます、ということでお受けをいただいた。大変ありがたく光栄に思っている」と述べました。
さらに、臨時国会でしっかりとした実質審議が必要であり、予算委員会を開いて、きちんと実質審議をし、それぞれの立場、考え方を示して総選挙における国民の判断を仰いでいこうということでも一致をしたと話しました。
岸田氏が総理に就任しても、今までの自公政権の問題点が変わらないという認識かと問われ、枝野代表は「残念ながら、この総裁選挙のプロセスを拝見していても、あるいは昨夜の新総裁の記者会見を拝見しても、若干の表現、言い回しに違いはあっても本質的なところは変わらない。特にアベノミクスの過ち、これによって格差と貧困を拡大をし、強い者をより強くしたことに対する反省と教訓は示されていない。そして森友・加計・桜を見る会に代表される、隠ぺい・改ざん体質に対しての姿勢が全くブレブレの状態だ。コロナ対策についても、この1年半余りの反省は示されていない」と述べ、「自民党は変わらない、変われないと受け止めている」と断じました。
次に、日本共産党の志位和夫委員長と会談をおこない、終了後に記者団の取材に応じました。枝野代表は会談で(1)次の総選挙において自公政権を倒し、新しい政治を実現する(2)立憲民主党と日本共産党は、新政権において、市民連合と合意した政策を着実に推進するために協力する。その際日本共産党は、合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする(3)次の総選挙において、両党で候補者を一本化した選挙区については、双方の立場や事情の違いを互いに理解、尊重しながら、小選挙区での勝利を目指す――の3点について合意したことを明かしました。また、4日の首班指名で「枝野幸男」と書くことをお願いし、賛同を得たこと、本会議での代表質問にとどまらず予算委員会の実質審議が必要であることも一致したと報告しました。
最後に、れいわ新選組の山本太郎代表と党首会談をおこない、終了後に記者団の取材に応じ、冒頭、「市民連合の政策合意、長年の各党との積み重ねの枠組みにれいわ新選組も加わっていただいたことを改めて歓迎申し上げる」と述べたことを報告。その上で(1)次の総選挙において、自公政権を倒し、新しい政治を実現する(2)立憲民主党とれいわ新選組は、現在競合している選挙区について、できる限り一本化を実現するよう努めるとともに、協力して小選挙区での勝利のため全力を尽くす──ことの2点について合意したと報告しました。
また、首班指名について協力を要請し、快くお受けをいただいたと話しました。同時に、予算委員会での新生総理との実質審議が必要であるということについても一致したと話しました。
衆院選に向けて野党としての自民党との対立軸はどういう点かと問われると、すでに連合や市民連合との政策があるので本日の会談では話していないとした上で(1)誰が総裁になっても、変わらないと。1つは、この間、自宅で十分な医療を受けられず、亡くなっている人も含めて、国民の命と健康を脅かし、あるいは十分な支援もなく、事業を打ち切らざるを得ない人たちをたくさん出した。水際対策も検査も補償も不十分なコロナ対策が違う(2)株価だけを上げて、格差を拡大させ、消費等を冷え込ませて経済を低迷させてきたアベノミクス、経済政策が違う(3)モリカケ桜に代表される、改ざん・隠ぺい政治を変える──を挙げ、「これは、残念ながら今の岸田さんが総裁になられても、変わりない対立軸だと思っている」と述べました。