枝野幸男代表は29日、衆院選の応援で北海道札幌市を訪れ、4区の大築紅葉(おおつき・くれは)候補の街頭演説に駆けつけました。
■おおつきくれは候補(北海道4区)
おおつき候補は、「2カ月前に立候補の会見をおこない、早くも選挙戦11日目を迎えました。たった2カ月半で、皆さんのおかげで相手の背中にだんだん近づいてきました。どうかみなさんの力をかしていただけないでしょうか」と集まった聴衆にお礼と支援を呼びかけました。
「38年前、小樽市で生まれ、紅葉に染まる山々を見て、母が『くれは』と名づけてくれました。8月までフジテレビの政治部記者として、国の政治を取材してきました。ただ今の政治を見ている中で、疑問に思いました。なぜこんな古い体質の政治が長く続いて、まだ変わっていかないのか。これまでの政治を変えていきたい、変えなくちゃいけない。ふるさとに帰って、ふるさとの皆さんと一緒に、変えていきたい。そう思って衆院選挙に立つ覚悟を決めました」と政治を志す決意を語りました。
小学生と幼稚園生の2人の子どもを育てるおおつき候補は、「この2年間、皆さんコロナ対策でもどかしい思いを抱いてきたと思います」と子どもたちの学校生活へのさまざまな影響について言及しました。まずはコロナ対策として、PCR検査の拡充、国産の治療薬やワクチンへのサポートに取り組み、当たり前の日常を取り戻していく考えを示しました。
続いて、児童手当の所得制限の撤廃、高校生までの拡充などを実現すると主張。立憲民主党は「高齢者の医療費の窓口負担を2割から1割に引き下げます」「介護職員、看護師、保育士などのエッセンシャルワーカーの賃金を底上げすることによって、社会全体の経済が回る、そしてみんなが安心して、どの地域に住んでいても同じサービスを受けられる政策を掲げています」とアピールしました。
最後に「これまでの政治ではいけません。これからの政治をみなさんに聞きながら、これから育っていく子どもたちのために、10年、20年、30年後を見つめて、これからの政治をおおつきくれはと一緒につくっていただけないでしょうか」「残りの人生すべて、皆さんの声を聞いていくために、お力をお貸しください」と支援を訴えました。
■枝野幸男代表
枝野代表は、「北海道4区は大変な激戦です。まさにつばぜりあい。皆さんの力で、おおつきくれはを国会に送っていただきたい」と開口一番、支援を呼びかけました。
枝野代表は、2年に及ぶ政府のコロナ対策の問題点に言及し、昨年3月に立憲民主党はPCR検査の拡充や持続化給付金の再給付などの具体的な法案を提出したと説明。「対案もなしに、審議拒否を続けてきたのは自民党だ。コロナ対策が後手に回って、多くのみなさんの命が、ご商売や暮らしが壊されてきた」と痛烈に批判しました。
「北海道は特にひどい。拠点になる病院を統廃合し、ベッドの数を減らしてきた。岸田さんになっても、いまだに止めてない」「必要な公のサービスを削減し、壊してきた政治を変えましょう」と呼びかけました。
自民党の麻生副総裁が25日、北海道小樽市の街頭演説で「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」などと発言した件について、枝野代表は「冗談じゃない。北海道のみなさんの努力で、品種改良して、美味しいお米をつくった」「まったく国民の暮らしを見ていない。温暖化によって、地球が危ないという危機感も持っていない。とんでもない発言だ」と断じました。「私たちはもう一度戸別所得補償制度を復活させたい」と1次産業を下支えする重要性を提言しました。
政府の経済対策について、「ヨーロッパの先進国、競争社会のアメリカでさえ、バイデン政権がトランプ前政権から政策を方針転換している。もはや日本だけが、自民党だけが20年前、30年前の時代遅れの政策をとっている。だから政治を変えよう」と力強く訴えました。
「おかげさまで、『このままではだめだ。さすがに自民党にこんな力をもたせていてはだめだ』、実は全国各地でそういううねりが起こっている」と衆院選の情勢を説明しました。
「北海道4区も含めて、新しい候補者だし、活動期間短いし、なかなか厳しいと思っていたところが、大激戦になっている。ただ大激戦になっているということは、まだ抜け出せていません。変わらなきゃいけない。今まで自民党に当たり前のように入れていた人も、今回ばかりは迷っている。そうした思いを受け止めて、命と暮らしを守る、まっとうなコロナ対策を進めていける、分かち合い、支えあう社会を作ることでこそ、経済も元気になり、豊かさを実感できる社会になる。そういうもう一つの選択肢があるということを広めていただければ、この戦い勝ち抜けると思う」と意気込みを語りましたが。
おおつき候補について、「ちょっとやりにくい。この間までこの人に取材されてきた。この9年、野党がだらしないとか、バラバラだとか、皆さんにご心配をかけた。その真っただ中を野党取材の責任者として、取材してきた。にもかかわらず、野党の立憲民主党から立候補した。まさにぶれない。やりたいことの筋がある。そして、かつてと違って、野党も立憲民主党を中心にしっかりまとまって、戦っていける。そう思ったから、一番そばで取材していたおおつきくれは、立憲民主党から勇気をもって立ち上がった。自らも子育て真っただ中。これからの地域と日本の未来を担っていける、大物ルーキー、おおつきくれは。何とか皆さん、肩を並べるところまでやってきた。政治を決めるのは、動かすのは、主権者、有権者であるあなたの力が必要です。おおつきくれは、最後の一押し、どうぞよろしくお願いします」と激励し、支援を訴えました。