立憲民主党は25日、「自治体議員ネットワークオンライン公開討論会」を党本部で開催し、代表選挙の4候補者と自治体議員らが「党の今後と地方自治体議員との関係」をテーマに意見交換しました。
冒頭、自治体議員ネットワークの幹事長を務める川名雄児・武蔵野市会議員が開会のあいさつを述べ、進行役を務めました。今回の代表選挙で地方自治体議員の有権者は1,265人です。
続いて、代表選挙管理委員会委員の青木愛衆院議員が「自治体議員の皆さんも加えてオープンで活発な議論をおこなうことによって、より開かれた代表選挙にしていきたい」とあいさつしました。
続いて、候補者が政見を述べました。
■泉健太候補(京都3区選出の当選8回。政務調査会長)
衆院選挙の総括について、「各選挙区で善戦した。一方で、比例の票を伸ばすことができず、議席減になった」「もう一回われわれは立憲民主党だと認識をする。大事なのは立憲民主党としての政策、ネットワーク強化、行動などが求められている。野党連携ばかりを考えていたら、立憲民主党の力が弱くなってしまうのではないか」と危機感を示しました。今後について、「立憲民主党の政策力、発信力を強化していきたい。比例区は立憲民主党と言えるような選挙戦略を生み出していきたい」と決意を表明しました。
党の再生について、「執行部の半分を女性に」に加え、「地域組織の強化」「各ブロックや県連の活発化」を実現するために、党本部から地方への予算措置を検討。また、政策分野別にオンラインを活用し、自治体議員との積極的に意見交換していく考えを示しました。
■西村ちなみ候補(新潟1区選出の当選6回。元厚生労働副大臣)
新潟県会議員を経験したと自己紹介。「今回の代表選挙に立候補するにあたり、立憲民主党が掲げてきた政策、理念、そして社会像をもう一度皆さんとともにボトムアップの政治を実行することで進めていきたい。多様性を力に変えて、理不尽を許さない社会をつくっていきたい」と決意を表明。
「『地方自治は民主主義の学校』とも言われているが、現場そのものだと思う。政治に対して言いたいことがある。党本部に対しても言いたいことがある。ボトムアップの政治を実行していく上で、自治体議員のみなさんの力は党にとってかけがえのないものだ」と呼びかけました。
「自治体議員のみなさんが党運営に参画していただける仕組みをつくっていきたい」と意気込みを語り、国会議員のいない県連や総支部を支援していく考えを示しました。
■逢坂誠二候補(北海道8区選出の当選5回。元総理大臣補佐官)
11年間役場の職員を経て町長を3期経験、「私の原点は自治」と自己紹介。
国政を志した理由について、「小泉政権の下で、市町村合併が財政や行政の効率性だけを中心におこなわれた」「三位一体改革によって、地方交付税が大幅に減らされた」とし、2005年に「自治がわかる国会議員がいなければこの国はダメになる」という思いで立候補したと語りました。
民主党政権で、総理補佐官を務め、「地方交付税を3年間で1.6兆円回復させることができた。これが今の地方財政の基盤になっている」「国と地方は対等であるべきという思いで、『国と地方の協議の場』法をつくった」と訴えました。
「これからは自治の現場を大切にしながら、日常的にみなさんとつながれる場」と、地域の課題について、党本部も一緒に取り組んでいく考えを示しました。
■小川淳也候補(香川1区選出の当選6回。国会対策副委員長)
中央政界の影響が地方自治に及んでいる責任について触れ、「残念ながら、政権の受け皿として、有権者から認知していただくに至らなかった。どのように政権の受け皿たる野党第一党に作り変えていくのかということは、代表選を通じて、今後の党運営で問われる」と述べ、「対話の姿勢」に努め、「次の時代を担う政策体系、ビジョン、構想をつくっていく必要がある」と意気込みを語りました。さらに、「地域に密着した活動を積極的に展開し、地域住民ひいては有権者から信認を得るためには、地方議員のみなさんの存在が党再生の鍵となる」と強調しました。
参院選や統一地方選挙に向けて、候補者の発掘、自治体候補者への資源配分、ジェンダーの観点から、十分な体制を構築し、党のガバナンスについて、青年局の責任者を党の意思決定に参画させる考えを示しました。
質疑応答では、自治体議員ネットワークの副代表を務める梶谷大志・北海道議会議員と中村ひろし・東京都議会議員が、(1)衆院選総括と党の再生ビジョン(2)来年の参院選への戦い方、特に一人区について(3)党の政策へ自治体議員の意見をどのように反映していくか(4)自治体議員を増やすための支援策(5)支持率アップに向けてどのような対応を考えているか――などについて質問し、各候補者が答えました。