立憲民主党・無所属会派は7日、国会議員に支給される文書通信交通滞在費(文書交通費)の日割、差額国庫返納、使途報告・公開などを義務化する歳費法改正案を衆院に提出しました。立憲民主党の篠原孝、山井和則、手塚仁雄、後藤祐一、青柳陽一郎、森山浩行、落合貴之、井坂信彦各議員が法案提出者です。
文書交通費は、先の総選挙が10月31日に実施されたため、1日の在職でも1カ月分満額が支給されること、使途の公開がなされていないことなどに疑問の声が上がっていたことを受けて、党政治改革部会が取りまとめた法案骨子を議員立法化したものです。法案概要は次の通りです。
(1)歳費の衆議院解散時における日割り計算による支給
(2)文書交通費収支報告書の提出及び公開(報告・公開の基準等は使途の透明性の確保を図りつつ両院議長が協議して定める)
(3)その年の文書交通費の残余額があるときの返還
(4)文書交通費の日割り計算による支給(死亡・解散の場合を含む)
(5)自主国庫返納にかかる公職選挙法の適用除外(公職の候補者等の寄付の禁止は適用しない)
法案提出後、記者団の取材に応じた篠原孝政治改革部会長は、「(文書交通費の)日割りは当然だが、使途をきちんと明らかにして領収書をつけて報告すること、そして(使用しなかった分を)国庫に返納すること」がポイントだと説明しました。日本維新の会と国民民主党が共同提出した法案との違いについては「解散した後の(歳費も)日割りで、きちんと計算すること、(国庫に)返納することが(わが党案に)入っていることが違う」と述べました。
法案づくりを中心的に担った小西洋之参院議員は、維新が文書交通費を寄付すると主張している点について「報道によれば、新人議員から100万円を集めてどこかに寄付する準備をしていたようだ。公選法の寄付禁止の特例を設ければ、国民の税金を国民の手に取り戻すことができることを維新は分からなかったのだと思う。私たちは当初から国庫返納すべきと議論し法案に盛り込んだ」と説明しました。
【政治改革部会における議論の経過】
○11月17日政治改革部会
文書通信交通滞在費(文書交通費)等の現行制度の仕組みや改正経緯等についての説明を受けて議論し、(1)文書交通費を日割り計算に改めること(2)10月分としてすでに支給された分について個々の議員のケースごとに日割りで計算した額との差額を国庫返納できるようにする公選法の特例(当該国庫返納を選挙区内での公職候補者等の寄付禁止の例外とする)を設ける(3)使途報告・公開について検討する――という方向で法案化の検討に入ることを確認。
○12月3日政治改革部会
次のような法案骨子を確認。(1)現在「月割り」支給になっている文書交通費について、「日割り」計算により支給することとする(2)今年10月に支給された文書交通費については、その支給額と日割り計算による額との差額を自主的に国庫返納できるよう、選挙区内での寄付を禁じる公職選挙法の適用除外を設ける(3)文書交通費の収支報告書を、領収書の写しを添付して議長に提出しなければならないこととするとともに、収支報告書を公開しなければならないこととする(4)現在「月割り」支給となっている衆院解散時の歳費についても、「日割り」支給とし、今年10月に支給された歳費の支給額と日割り計算による額との差額を自主的に国庫返納できるよう、公職選挙法の適用除外を設ける。
○12月7日政治改革部会
法案を了承。法案は(1)歳費の衆議院解散時における日割り計算による支給(現在は死亡・解散の場合は月割り計算)(2)文書交通費収支報告書の提出及び公開(報告・公開の基準等は使途の透明性の確保を図りつつ両院議長が協議して定める)(3)その年の文書交通費の残余額があるときの返還(4)文通費の日割り計算による支給(死亡・解散の場合を含む)(5)自主国庫返納にかかる公職選挙法の適用除外(公職の候補者等の寄付の禁止は適用しない)を盛り込んだ。
解散時の歳費の日割計算まで踏み込んだのは立憲民主党案のみ。
歳費法改正案(文通費日割等)要綱 .pdf
歳費法改正案(文通費日割等)法文.pdf
歳費法改正案(文通費日割等)新旧対照表.pdf