逢坂誠二代表代行記者会見

2022年1月27日(木)10時32分~11時00分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://cdp-japan.jp/news/20220126_2923


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「持続可能な社会ビジョン創造委員会」を設置

【代表代行】
 どうも皆さんご苦労さまでございます。逢坂誠二でございます。よろしくお願いいたします。
 きょうは私から大きく2点お話しさせていただきます。
 1点目でございますが、あすの午後3時から「持続可能な社会ビジョン創造委員会」、こういう会議を開催したいと思っております。これは泉代表をトップにいたしまして、有識者の皆さんにお集まりいただいて、今後の社会のあり方、持続可能な社会のビジョン、これを検討しようという委員会であります。
 ご案内のとおり、この間、日本は30年間、例えば賃金が上がらないとか、あるいはまた、これまでの政権の経済政策、さまざまやってきましたが、なかなか現状の打開につながっていないわけであります。そういう中において、さらにまた新たな社会のあり方、こういうものも今、求められる状況になってきております。
 私ども立憲民主党は、綱領をもとにして、基本政策があり、そして日々さまざまな政策や提言を行っているわけですが、その政策や提言を行う前提としての社会のあり方、こういうものを「持続可能な社会ビジョン創造委員会」で議論して、春ぐらいまでにはある一定程度の考え方をまとめたいと思っております。
 泉代表を会長にして行うわけですが、外部の有識者として、お手元のペーパーにございますとおり、井手英策慶応大学経済学部教授、あるいは片山善博早稲田大学教授、こういった先生方にもご参加をいただいて行おうと思っております。
 今回の創造委員会の特徴でございますが、会議は基本的にはフルオープンでやろうと思っております。
 それから、年齢構成あるいは男女比。男女比については、外部有識者については男女同数。それから、お一人、高校生の方にもご参加をいただいて、幅広い年代の方からお話を伺おうと思っております。
 あすの初回でありますが、通常のこういった委員会ですとロの字になってそれぞれの委員がある種の資料を提出して見解を述べるというようなことで会議が終わるというパターンになっておりますが、そういうことではなく、それぞれ委員の方にグループになっていただいて、そのグループの中でお話しいただいて、さらにそれを全体の会議で披瀝するといったようなやり方も含めて、少し今までの会議と違ったやり方で進めていきたいと思っております。
 それから、委員の中にお一人、山田夏子さんという、グラフィックファシリテーション協会の代表理事の方が入っておりますが、この方には、会議の内容、会議で話し合われている内容をリアルタイムでイラスト化していただいて、会議の議論を視覚的にもわかるように伝えるなどということもやれたらいいなと思っています。
 今後でございますが、あすを第1回としながら、月1回程度この委員会を開いていこうと思っていますが、委員会と委員会の間のインターバルには、代表、あるいは政調会長や幹事長、場合によっては私も含めて、識者の方との対談、あるいは事務局が識者の方からのヒアリングを行うといったことも間に挟み込んだ上で、この委員会そのものの議論に深まりを持たせていきたいと、そう考えているところでございます。
 これまで日本の国では、この社会のあり方、こういう社会であらねばならないという議論が不足していたと思っておりますので、このビジョン創造委員会を通して、我々の思うこの社会のあり方、これについてある一定の姿を春までには提示できるようにしたいと、そう思うところであります。
 「持続可能な社会ビジョン創造委員会」については私からは以上でございます。

○第49回衆議院議員選挙総括について

【代表代行】
 次でございますが、これもお手元に資料が行っているかと思いますが、第49回衆議院議員選挙の総括についてであります。これにつきましては、一昨日の党の常任幹事会で案を提示いたしまして、そこで出された意見も踏まえて修文を行い、昨日、持ち回りの常幹を開きまして最終決定に至っているものでございます。
 簡単に内容を説明いたしますと、まず冒頭、「立憲民主党は現有110議席から14議席を減らす結果となり敗北した」、残念ながら選挙には勝つことはできなかったということであります。一方、「1対1の構図となる選挙区をより多く作った結果、前回比における小選挙区当選の増加を得るなど一定の成果はあった」。他方、「比例代表においても得票が伸びず、23議席減となった結果も踏まえると、選挙戦における全体的な戦略の見直しを図っていく必要がある」ということであります。ただし、「選挙結果は敗北だが、96議席の野党第一党の立場を頂いた立憲民主党の役割はより重大であり、その責任を果たしていかなければならない」ということも明記させていただきました。
 次ページ以降、「選挙の概要」ということで事実経過が記載されております。
 4枚目の「Ⅱ」、(1)の二つ目の丸であります。「2017年選挙では、立憲民主党と希望の党の比例得票を合算すると2070万となり、旧民主・民進系の比例票としては下野以来、初めて自民党を上回る数字となった」が、結果的にその票は立憲に今回の比例では上積みはできなかったということで、野党第1党としてのスケールメリット、こういったことは発揮することができなかったという、比例についての分析であります。
 それから、次のページ下段、「2017年選挙の結果における共産党との機械的な得票合算で、想定では小選挙区当選を計算できない選挙区からは12選挙区で当選の結果を得た。合算しても圏外だったポジションから小選挙区当選を得たことは一定の成果である」「小選挙区全体として9議席の増加となったことは評価できる」と、そういう判断をしております。
 それから、そのページの(3)、「限定的な閣外からの協力」であります。この「限定的な閣外からの協力」という言葉でありますが、これは「政権は一緒にしないという合意」、これがその本当の中身といいましょうか趣旨でありました。「政権は一緒にしないという合意」だったわけでありますが、それがそうではない形で誤解となって有権者に伝わってしまったということだと認識しております。したがいまして、こういった他党との関係など、候補者調整においては、「今後はより慎重に対応する必要がある」。慎重・丁寧に対応するということだと理解しております。
 それから、ページをどんどんおめくりいただきまして、選挙情勢等、皆さんご承知のことが記載されておりますが、最終的には立憲民主党として「今回の選挙では無党派層や保守層までの受け皿になりきれなかった」。しかし、「コアを固めながら中道の立ち位置までウィングを伸ばし、幅広いアプローチを展開」していきたいということで最後結んでおります。
 選挙総括については私からは以上でございます。


■質疑

○「持続可能な社会ビジョン創造委員会」「衆院選総括」について

【毎日新聞・宮原記者】
 ビジョンのほうと、総括について、1点ずつ伺いたい。
 まずビジョンのほうだが、幾つか識者のご紹介があったが、例えば井手さんはベーシックサービスについて提唱されている方でもあるが、委員を選任された狙いなどを幾つかご紹介いただければというのと、先ほどフルオープンでやるとおっしゃっていたが、その狙いを伺いたい。
 総括の部分について、先ほどの冒頭発言でも修文してということをおっしゃっていたが、常任幹事会で提示されたところから修文された内容について、ご紹介いただける範囲内でどういったところを修文されたか改めて伺いたい。

【代表代行】
 ありがとうございます。
 まず、最初に、常任幹事会で出された話のほうからお話ししますと、一つはやはり野党連携、その影響・効果について、常任幹事会に出した案ではそのプラス面とマイナス面が両方書いてあったのですが、そのマイナス面のほうが文面からはどうも強調して読み取れるのではないかという話がありまして、マイナス面とプラス面が同じウエートで伝わるように、そういう修文を一点しております。
 もう一点が、略称「りっけん」ですね。略称「りっけん」のところについて、やはりこれは相当影響があったということで、そこへの指摘があって、それは軽微な修正をしております。
 以上2点でございます。
 ビジョン創造委員会ですが、これにつきましては、私たちがこれから目指すべき社会、持続可能ということ。それから、経済の成長というのは非常に重要でありますが、成長した結果、国民が不幸せになるような経済では、これはやはり人に優しい経済とは言えませんので、そういったこと。さらにまた、環境、これにも配慮する。あるいは、人権、これにも配慮するといったような観点で、今回の委員を選ばせていただきました。委員の候補は幅広にたくさんいろいろな方がおられましたが、受けていただけるという先生方に今回お願いをしたということであります。

【毎日新聞・宮原記者】
 フルオープンについては。

【代表代行】
 やはり我々がどういう議論をしているかということを知っていただくことが、我々の党のある種のあり方、これを理解していただけることにつながっていくと思います。
 それからもう一つ、議論、ボトムアップということも我々の党の一つの特色でありますから、そういう点でフルオープンということをやりたいと思います。

【朝日新聞・神澤記者】
 2点伺いたい。一つは、きょう選挙の総括が一つ出されたのと、今後の次の公約づくりということだが、この総括の結果を、次の公約への影響をどのように考えていらっしゃるか。たぶんいろいろと聞かれるとか、地方からの声を聞くというような話も先ほど政調会長からあったが、どのように影響していくのか、お考えを伺いたい。
 もう一点が、新しい委員の方で、一人先ほどご紹介があった高校3年生の方はどのような方で、どんなふうにして選ばれたのか伺いたい。

【代表代行】
 今回、実は昨年の衆議院選挙の反省点の一つとして、党でさまざまな政策を打ち出しましたが、その浸透度合い、特に戦う皆さん自身が党の公約そのものを十分認識できないといった声も実は今回の総括をつくる上でありました。したがいまして、早い段階から議論をオープンにしつつ、多くの人に、その我々がつくっていく政策、これを理解するというプロセス、これが非常に大事になる。だから、前回の反省を踏まえて、プロセスを大切にしながら公約をつくっていくということになると思います。
 もう一点でございますが、今回、高校3年生の方、井上さんという方にお入りいただきましたが、これは実は今回コーディネーターをお務めいただく本間先生からのご推薦です。京都芸術大学の本間先生からのご推薦で、彼女自身は海外で若干の期間、「少年少女国連大使」ですか、そういうことを海外で若干の期間やられて、スウェーデンのマルメで研修を受けたことがあると。その研修を受けた後、帰国してから、一人からでも世界は変えられるという思いから、中高生のSDGsコミュニティづくりに取り組んでいたということであります。SDGsの関係で「第1回松下幸之助杯スピーチコンテスト」に参加して優秀賞、優秀賞というのは2位に当たるそうでありますが、これを受賞していると。演題は「答えのない時代を生きる」、こういう演題でスピーチをしたようであります。お聞きしますと非常に、何と言いましょうか、活発で、社会のことに対して強い認識を持たれている方というふうに承知しております。

○衆院選の総括について(2)

【共同通信・田川記者】
 総括について伺いたい。野党連携について、成果と課題とどちらも挙げられた。参院選では1人区で一本化をしていくという方針だが、改めて参院選に向けて野党連携をどのように進めていくか、総括を踏まえて伺いたい。

【代表代行】
 今やはり国民の皆さんが求めているのは、野党がそれぞれ分断をして、つばぜり合いをして、野党がそれぞれの中で埋没していくということを望んでいるというふうには思っておりません。やはり野党が大きな固まりとなって力を発揮し、これまでの自公政権にきっちりと対峙できる存在になるということが、私は大きな方向感だと思っております。
 その意味で、今私が言ったようなその大きな方向感、野党が大きな固まりになるぞといったようなものが共有できる皆さんと、しっかり1人区においては最大限一本化をしていくし、他の選挙区においても可能な限り野党が議席を伸ばせるような取り組みをしていきたいと、そう思っております。

【東京新聞・井上記者】
 総括について2点伺いたい。まず、今の質問とも関連するが、「『限定的な閣外からの協力』の影響」の最後に「今後はより慎重に対応する必要がある」とあるが、これは具体的にはどういった対応をする必要があるとお考えなのかお聞きしたい。
 もう一点、最後の「コアを固めながら中道の立ち位置までウィングを伸ばし、幅広いアプローチを展開していく」、これはアプローチも含めてどういったふうにそのウィングを広げていこうとお考えなのか、これも具体的にお聞きしたい。

【代表代行】
 まず一つは、今回、野党が連携をして一本化をしていくというプロセスの中で、どうしても政権交代といったようなことが叫ばれるようになったわけですね。その中で、仮に政権交代をしたときにどういう立ち位置になるんだということを言うために「限定的な閣外からの協力」ということを言ったわけですが、それが逆に、本来政権の外にいるんですよということを明確にするつもりで言ったことが、国民の皆さんに、本当にこれは我々の発信の仕方のまずさだと思うのですが、逆に政権の中に入ってしまうよというような印象を持たれるようになってしまったわけです。だから、そういうことが起きないように、丁寧に慎重に対応するということであります。
 それから最後のところですが、やはり今の選挙というのは、9・6・3の法則というのは皆さんもご承知だと思いますが、我々の支持者の9割を固めること、あるいは中間層もある一定程度固めること、さらに保守層からも応援をしてもらうということがなければなかなか選挙で勝ち上がっていけないという実態があります。これまで我々の政策の中には実は幅広な政策が入っているのですが、その幅広な、どちらかというと保守層の皆さんが「なるほどな」と思うような政策についてはうまく伝わり切っていない部分がありますので、そういう部分についてもしっかり伝えていく、そういうことも含めて幅広いアプローチを展開したいと思っています。特に外交とか防衛に関しては、何か奇をてらったようなことをやるのではないかというような印象を持たれる部分も場合によってはあるのですね。そうではないということも含めて、安定的な政策の発信をしていきたいと、そう思います。

【東京新聞・井上記者】
 関連で。「限定的な閣外からの協力」のほうだが、今の話で、この合意を結んだこと自体が間違っていたというか、そこをもっと慎重に、合意を結ぶかどうかも慎重に判断しなければいけないということなのか。それとも、その後の発信の仕方のことを言っているのか。

【代表代行】
 それについては両方あると思います。合意というか、どういうあり方をするのが最大限、今我々が自公を、改選議席の半分にできるか、半分を割り込ませることができるか。それを考える上でさまざまなパターンがあると思いますが、そういったことも含めて慎重に対応する。そういうことであります。

○「持続可能な社会ビジョン創造委員会」について(2)

【時事通信・眞田記者】
 社会ビジョン創造委員会と参院選の公約づくりの関係性について伺いたい。先ほど公約づくりについてオープンなプロセスを大切にされたいということだったが、オープンなプロセスというのはビジョン創造委員会のことをおっしゃっているのか。その関係性をまず一点伺いたい。

【代表代行】
 ビジョン委員会は基本的にはフルオープンでやりたいと思っています。その理由は先ほど述べたとおりでありますが、公約づくりにおいては、これも先ほど申し上げたつもりなのですが、昨年の衆議院選挙ではやはり我が党の政策そのものが、有権者の皆さんにもそうですが、立候補している皆さんにもなかなか十分伝わっていなかったという、そういう反省がありますので、そういうことのないように、特に立候補する皆さんも十分理解していけるようなプロセスを踏むということであります。そういう意味で、このビジョン委員会はフルオープンでやる、それから公約づくりについてはきちんと皆さんに浸透できるようにやっていきたいと、そういう意味です。

【時事通信・眞田記者】
 その社会ビジョン創造委員会でまとめたものが公約づくりの土台になるという理解でよろしいか。

【代表代行】
 土台というか、その公約をつくる上での社会のあり方を提示するということになると思います。

○衆院選の総括について(3)

【時事通信・眞田記者】
 総括の中で、旧民主・民進系の比例票が下野以来初めて自民党を上回る数字となったが立憲民主党には上乗せされなかったという総括があると思うが、この要因についての分析というか、元々の常幹でかけられた素案では共産党との連携によって比例票の約5%近くが他党に流れたみたいな分析もあり、今回それは修文でなくなったが、立憲民主党にその比例票が上乗せされなかった要因についてはどのようにお考えか。

【代表代行】
 それが、先ほどご質問いただきました最後のくだりでありますが、最終的には無党派・保守の皆さんにまで我々の思いというものを伝え切ることができなかったというところが要因だと思っています。その意味で、最後に書いてあるとおり、「コアを固めながら中道の立ち位置までウィングを伸ばし」ていくというのが今後の方針になろうかと思います。理由としては、無党派・保守までの、なかなか受け皿になり切れなかったというところが比例票を減らした理由だというふうに認識しています。

【読売新聞・北村記者】
 今回の総括に関しては従前から科学的な調査に基づいてということが言われていたかと思うが、逢坂さんとして、その科学的なという点は達成できたかという評価と、今回まとめるに当たって調査を行っていたかと思うが、それはどのような方々を対象に、サンプル数や対象となった地域など、少し詳細をお聞きしたい。

【代表代行】
 今回、前執行部において、科学的な観点からやるということを、私どもになりましてから新たにその前執行部の発信を受けて実際に実施いたしました。
 調査の具体的なところ、簡単に概要を申し上げますと、調査対象にしたのは接戦の15選挙区であります。接戦になった15選挙区、そこで1選挙区当たり500サンプル以上を回収できるように皆さんの意見を聞いたということであります。その中で、例えば競り負けた要因はどこにあるのかとか、票が伸びなかった要因はどこにあるのか、あるいは菅政権から岸田政権への移行の中で自民党にやっぱり投票しようというふうに思った票はあるのか、といったようなことを聞かせていただいた上で分析をしております。これがその調査の内容であります。

【NHK・坂井記者】
 この今回の総括だが、決定されたのは、昨日の持ち回りの常任幹事会での決定ということになるのか。

【代表代行】
 はい、そうです。

【NHK・坂井記者】
 その持ち回り常幹で、全会一致と言うのかわからないが、そこでは特に意見は出ずに了承という形になったのか。

【代表代行】
 特に反対はなく全会一致という理解です。

【フリーランス・堀田記者】
 選挙前の現有のことで伺いたいが、110と言っているが、大手マスコミが110と109と書いたことについて福山幹事長に伺ったら、要するに生方さんは公示の前に離党しているので109だということをはっきり言われた。それはまだ福山さんが幹事長のときに会見ではっきり聞いたが、109ではないのか。

【代表代行】
 当時の福山幹事長がどういう発言をされたかは承知していないのですが、我々の今の認識としては110だと理解をしておりますが、当時の発言をちょっと承知していないので今の段階では何とも言えません。

【フリーランス・堀田記者】
 正式な会見で、彼が正式に答えていたので、私はいろいろなところに書くときに109と書いていた。

【代表代行】
 なるほど。ただ、我々の認識は110のまま、今の段階では受けとめているというふうにご理解いただければと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 野党というのは、逢坂さん並びに今の立憲民主党は、どこまで含めるか。

【代表代行】
 次の参議院選挙について、自公の改選議席半数割れを我々は目標にしたいということを代表も言っているわけであります。そういう意味で言いますと、自公以外の勢力が野党という位置づけになると思います。