立憲民主党は31日、新型コロナウイルス対策本部(本部長・長妻昭衆院議員)を国会内で開き、前回の会議での質問案件への回答などについて、関係省庁からヒアリングしました。

 冒頭あいさつをした長妻本部長は、週末に医療関係者と意見交換をしたことに触れました。東京ではこの2日間ほどで新型コロナウイルスに感染して高齢者の重症者が急激に増えており、「去年8月の再来になるのではないかという観測が非常に強まっております」と危機感を訴えました。他にも経口薬を投与した人にはさらに重症化した際に抗体カクテル療法を使えないと言われていることや、PCR検査について「検体を取って発注してから結果が出るまでに5日かかっています。経口薬は重症者に5日以内の投与なので、事実上できない。こういう状況になっておりますので何とかしてほしいという声がある」と医療関係者の声を伝えました。経口薬を投与すると抗体カクテル療法を使用できないと言われていることについて、担当者は「事実関係を確認する」と述べました。

 また、開業医が新型コロナウイルスに対応する中で、厚生労働省が情報共有・把握の迅速化のために導入したHER-SYSへの入力が相当に細かく、患者のカルテの作成も細かく書いているので相当な負担になっていることを問題視しました。長妻本部長は、「入力するのはカルテだけで良いのではないかということも言っていた。相当にひっ迫することを見据えた先手を打った対応をお願いしたい」と求めました。

 前回の対策本部で出た質問で、小児へのワクチン接種で打った方がいい人と打たない方がいい人への基準がどのようになっているかについて、「重症化予防の観点から、基礎疾患のある子どもへの接種を行ううべき、希望する人に対して接種の機会を提供すべき」と26日に開催された審議会で意見があったことが回答されました。

 医師国家試験や看護師国家試験の受験生が新型コロナウイルスに感染した場合に再試験を実施すべきではないかという提案に対しては、「試験問題を短期間で作成・実施することは困難であり、従来から心身の不調を理由とした追加試験は実施しておらず、緊急事態宣言下にあった昨年も行っていないことから、本年の国家試験においても難しい」と回答がありました。このことについて野間健衆院議員は、地震などの大きな災害が起きた際は大学入試は追試があることを取り上げ「大きな不備がある」と指摘。「医療関係の方々ですからコロナの時代の即戦力、また来年まで1年ブランクを置くのは大きな損害だ。追試を考えてほしい」と強く求めました。厚生労働省からは「実施は難しい」と同様の回答でした。

 会の最後に長妻本部長は各省庁の担当者に対して、「皆さんを責めるわけではないが、ここで出た意見を上にあげてほしい。緊急時ですからこういう意見もあるからと取り入れるべきは取り入れるのが国全体の意見。ぜひパイプ役として、よりよい感染対策に努めてほしい」と要請しました。

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長妻昭本部長