衆院本会議は22日、「所得税法等の一部を改正する法律案」の討論を行い、立憲民主党・無所属から稲富修二議員が登壇しました。稲富議員は、「日本経済や国民生活を改善する意思を感じない改正だ」と会派を代表して反対の立場を表明しました。

 稲富議員は、反対の理由として(1)岸田政権には、法案以前に財政運営に対する基本姿勢に問題がある(2)目玉と言われている賃上げ税制の効果が期待できない(3)岸田政権は足元の国民生活に対して極めて冷淡な対応を取り続けている(4)今改正案は検討事項が多く、質・量ともに中身が乏しく、税制改正を通じて日本経済を再生させる総理の熱意を全く感じない――ことを挙げました。

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 稲富議員は立憲民主党が「コロナ禍での国民生活を支える政策とともに、所得税の最高税率引き上げ、将来的な総合課税化を見据えた金融所得課税の強化、法人税への超過累進税率導入など、負担増をお願いする財源確保策も明確に主張してきた」とアピール。欧米諸国では、コロナ禍の財政支出を受けて、財源確保のために大企業や富裕層に対する増税等を実施する動きが進んでいることを紹介しました。そのうえで、「財政状況がますます厳しくなる中、財源確保に向けた具体的な税制改正の議論が政府・与党内で低調だったことは極めて問題であり、日本の財政に対する信頼を揺るがしかねません」と強調しました。

 最後に稲富議員は、「現下の厳しい状況を乗り越えていく上で、税制が果たすべき役割はますます大きくなっていると考えます。われわれは、今後も、政府の問題点をただすとともに、これからの時代のあるべき税制のあり方について提案を続ける」と締めくくりました。

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