衆院決算行政委員会で4月11日、2020年度予算予備費に関する質疑が行われ、谷田川元議員は、他国では公表されている1接種当たりのコロナワクチンの購入単価が日本では明らかになっていないと問題視し、情報開示をめぐって質問しました。秘密保護契約の対象であることを理由に、公表に後ろ向きの政府に対し、「国民の税金を預かっている以上、できるだけ安く、そして、国民に情報公開をしなければいけないという姿勢で公表に臨むべきだ」と迫りました。
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(1)企業と秘密保持契約を締結
谷田川議員は、ユニセフのウエブサイトに掲載している資料を提示し、世界の大半の国はワクチンの単価が公になっていることをふまえ、各メーカーからの購入単価を質問。後藤厚生労働大臣は、企業と秘密保持契約を締結しているため示すことは困難とする一方、「ワクチンに対する国民の関心は高く、情報公開の重要性も認識している。どの範囲の情報を公表することが可能か、引き続き、企業との間でコミュニケーションを重ね、可能な限りの情報公開に努めていく」と答えました。
谷田川議員は、ファイザー社はアメリカと南アフリカ両方には情報を開示し、両国はそれぞれ単価19.5ドル、単価10ドルで購入すると公表していることから、日本政府も、国民の税金を預かって契約をするのだから、単価を公表してほしいと申し入れるべきだと主張しました。
(2)全人口を超えたワクチン確保数と国会閉会中に使われた予備費
谷田川議員はまた、モデルナ、アストラゼネカ、ファイザー各社から2021年と22年合わせて8億8200万回のワクチンの供給を受け、これに対しての予算措置が2兆4千億円である点を、日本の人口1億2千万人が100%打っても4億8千万回で済み、8億8千万回も確保する必要はないと指摘。また、国会開会中は予備費を使わないと閣議決定がなされているにもかかわらず、3月25日、予備費から武田薬品とモデルナと7千万回、ファイザー社と7500万回、計1億4500万回の契約を結んでいることにも触れ、「この契約がなくても、7億3700百万回分確保していたのに、なぜ追加購入する必要があるのか。使用期限を過ぎて破棄することが見込めるから、新たに1億4500万回の契約を結んだと思わざるを得ない」と迫りました。厚労省は、「安全性や有効性が分からない段階ではファイザー、ファイザー、ファイザーと十分な量を確保することも必要だった」「ワクチン製造国による輸出規制等のリスクを踏まえると、日本国内で製造されるワクチンも確保する必要がある」などと説明。国内での使用とともに海外供与も行っており、調整の上、供給確保が不要と判断した分はキャンセルすることが可能だと答えました。
(3)会計検査院と同様に国会議員にも情報開示を
谷田川議員は、会計検査院は、製薬メーカーと日本政府との契約書をチェックすることになる点を確認した上で、「なぜ国会議員に見せられないのかつくづく疑問だ」と述べ、決算行政監視委員会の一番大きな役割は予算執行が適正かの見極めだとして、「契約の中身を教えてもらわなければ、適正かどうか分からない。キャンセルできるというが、違約料が分からないと、どれだけ国民の税金が無駄になったかも分からない」と指摘しました。国会議員への情報開示・資料の提出・秘密会の開催の協議も要請しました。
谷田川議員はほかに、「英検受験料問題」「昨年の衆院選挙の日程」についても取り上げ、政府の見解をただしました。