プロフィール
水野素子
1970年生まれ、中2男児・小5女児の3人家族
(学歴)東京大学法学部卒/オランダライデン大学修士課程修了(国際法)
(職歴)宇宙航空研究開発機構(JAXA)参事、元東京大学非常勤講師・元慶応大学非常勤講師
(社会活動)宙女(そらじょ)発起人・種子島宇宙芸術祭発起人、日本国空宇宙学会宇宙法政策委員長(初代)
(趣味)温泉・旅行
水野もとこ公式サイト|立憲民主党神奈川県参議院選挙区第4総支部長 (mizunomotoko.com)
(5) 水野もとこ(宇宙かあさん) 【立憲民主党神奈川県参議院選挙区第4総支部長】(@spacemom2019)さん / Twitter
(2022/06/13にインタビュー)
――宇宙かあさんの由来は何ですか?
宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)に28年勤め、中2と小5の子どもを育てながら、働いてきました。友達が「宇宙かあさん」という言葉を私のために考えてくれました。「宇宙」と「子ども」「平和」という言葉を胸に頑張ります。
――JAXAではどのような仕事をしていましたか?
大学を卒業して1994年に宇宙の業界に入りました。入った頃はやっと日本のロケットが世界水準になった時期です。技術を作る人、技術を使えるように法律にする人、国際交渉する人など等いろいろな立場がありますが、私は国際協力や産業振興のための法政策立案と国際交渉の立場で28年間やってきました。
今日は、はやぶさの日です。2010年に小惑星探査機「はやぶさ」が宇宙から地球に戻ってきたのが6月13日。国際宇宙ステーション計画、はやぶさ計画、アルテミス計画(有人宇宙飛行)、宇宙のゴミ対策の国連での議論、宇宙的視野で世界と一緒に、私は働いてきました。
――働く母として政治に対する思いは?
小5と中2の子どもを育てています。小1の壁も経験しました。学童保育になると1時間早く18時には終わってしまう。通勤する人は間に合わず、子どもが寂しい思いをする。どうにかしなければと1,700筆以上の署名と陳情で開所時間を延長していただけました。なんとか育児と仕事を調整しました。このような苦労を知っている女性目線、生活者の視点が今の政治には必要だと思います。
――取り組みたいテーマは何ですか?
これまで仕事をし、生活する現場の中で感じてきた考えてきた三つのことを、約束します。
一つは、元気な産業、働く人の笑顔を取り戻す。失われた30年とも言われるこの30年には未来を見据えたビジョンや戦略がありませんでした。現場には、技術があり頑張る人がいるのに、国際競争力につながらない、悔しい想いをしてきました。未来を考えずに自分の地盤だけに予算を使う古い政治の構造を変えなければなりません。未来に向けて成長産業をつくっていきたい。
元気な産業は環境に対応する技術、クリーンエネルギー技術、災害に強い社会を作る技術など、先端の私たちの安心安全を守る技術で未来に向けた産業を皆さまとともに作っていきます。
働く人の元気。この30年は給与水準が上がりませんでした。こつこつ働いて通勤している私たちの給与が上がらないのに株で大儲けする人が増えていき、非正規も増えていく。バランスの悪い政治や税制度を改革したい。
二つ目は、子どもたちの未来を守ることです。今、私は中2の男の子、小5の女の子を育てています。働きながらの子育て、介護を笑顔でできるようにしたいです。生活の笑顔を届けたいです。教育費が無料の国は結構あるのに、日本は学費が高くてみんな悩んでいます。少子高齢化と言われながら、政府は何をしてきたのか。大学までの所得制限のない教育の無償化、年金、医療、介護といったベーシックサービスをしっかり整えます。
三つ目は、平和をつくります。ウクラナイナ侵攻では、国連安保理が機能しないことがはっきりしましたが、戦争を正当化するわけにはいきません。宇宙から見たら国境はありません。国境を守ることはとても大事ですが、その手段として戦争でない仕組みを再構築しましょう。平和憲法の精神を国際社会のルールにしていく意気込みで、国際法の専門家として頑張っていきたいです。また、徹底した対話による外交でこそ抑止力を作る日本を取り戻していきたい。子どもたちに平和な日本を引き継いでいきます。
野党はもうだめ、政治をあきらめている人にこそ訴えたいです。政治をあきらめている方、頑張っている方が笑顔になる社会を取り戻すために、私は戦っていきたいです。
――女性と政治をどうみますか?
政治の場に女性があまりにも少なすぎます。生活の現場の声や提案を活かすためにも、女性の視点は必要不可欠です。働きながら子どもを育ててきた生活者としての声は今の政治の場に必要だと思います。
女性に関連して取り組みたいテーマとしては、女性差別撤廃条約選択議定書への批准がまずは一番です。女性の抱えるさまざまな困難について、声を上げれば解決に結びつくという実感を持てる社会にしていきます。そのために男女の経済格差ハラスメントを根絶していきます。
女性議員を増やすためには、候補者の半分を女性にし、政治に参加しやすい環境を整えることが必要です。また、SNSでの発信など、若い世代に届く選挙、新しい選挙スタイルが必要で、子育てや介護をしながらもできる選挙を作り出していくべきです。
――若い人たちへのメッセージを
若い人たちにとって、政治を考えることは難しく遠くにあるものではなく、「今、あなたが抱えている夢や困難」が政治そのものだと伝えたいです。
自分自身、28年間働いてきたキャリアをすべてなげうって政治への挑戦は「覚悟」の問題で済ますわけにはいきません。通勤していた経験のある人が、政治の現場に少ない。立候補休職制度を法制化して、若い人や働く人が政治参加する垣根を低くしていきたい。
――神奈川県はどのような地域ですか?
神奈川県は3つの政令市を持ち大都市部に商業宿泊施設が揃いつつ、かつ温泉・海のレジャーなど自然の恵みが豊かにある反面、県西部など郊外の地域では産科医の不足、公園などのインフラ不足などにより、子どもを産み育てる住環境として特に働く女性にとっては雇用の機会も少なく、厳しい現実が見受けられます。産業も大都市部への移転などが進み、過疎化に拍車がかかっています。年金暮らしの高齢者にとってはバスなどの公共交通も減るなか、日常生活もままなりません。大都市特有のインフラ整備・老朽化対策などへの財政需要の課題もあり、災害対策も含めて持続可能な地域づくりへきめの細かい施策を展開する必要があると感じています。