泉健太代表記者会見

2022年9月2日(金)10時30分~11時24分

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/LTZOIl7VGhA


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○旧統一教会問題について

【代表】
 おはようございます。
 まずは(旧)統一教会問題です。
 きのうは、立憲民主党、まさにこの会場で、いわゆる祝福二世と言われる当事者の方々からお話を聞きました。そのことは既に報道されているものもありますが、改めて、息子・娘として親の信仰の下で生活をしていく中で、断食の強要とか、恋愛の禁止、さまざまなことが強いられたという、かなり生々しいお話をいただきました。自分で判断をすることが許されない、そういう環境にあったということであって、そしてまた、政治との関係、特に安倍元首相との関係ということにおいては、権力者が教団の教義を知っていることは信仰の土台であり、自分たちが正しいと自信を持てることだったと、そういうふうにおっしゃっておりました。また、教団の有利に働く人への投票を指示されたと、そんなお話も伺いました。
 改めてですが、こうした社会的に数多くの問題を有する団体と政治の関係というものが改めて問われているという中で、岸田自民党総裁が自民党のいわゆる調査について方針を出したわけです。これが、相当腹をくくったとか覚悟がとか言われていますが、改めて全くそういうことではないどころか、むしろ尻尾切りをしようとしているのではないかということを、皆さんもよく報道機関として調べていただきたいなと思います。
 というのは、まず一つは、自治体議員を外しているということの欺瞞性です。ごまかしです。全国会議員に調査をすると言えばあたかも調査をしているかのように思いますが、国会議員だけではないわけです、自民党の場合は特に。その国会議員の系列で、数多くの自治体議員が、もしかすると国会議員の総数よりも多い自治体議員がさまざまな関係を持っていた可能性があります。
 そして、それが何を引き起こしているかというと、きのう一部神戸市で報道がありましたが、神戸市の課長がいわゆる旧統一教会のイベントに出席をしたという事案がありました。では、なぜ行政の課長が、その旧統一教会のイベントに参加をしたのかといえば、自民党の自治体議員から依頼を受けて、出席してくれということで出席をしたという話でありました。
 このように、これまでも全国の自治体で、誤ってというか、表彰状を出してしまったとか感謝状を出してしまった、イベントに助成金を出してしまった、そして、行政職員が参加をした、首長が名前を連ねた、多々そういう事例があるわけですが、こういうところにさまざまな形で自民党の議員が関与していたのではないかというふうに思うのですね。こういうことを調査しないということを事実上言っているのであって、ごまかされてはいけない、だまされてはいけないということだと思います。あたかも国会議員だけで済まそうとしている。ここを皆さん特に気をつけていただきたいということがまず一つです。
 そして、もう一つは、これまた、その調査の結果をごまかそうとしているということです。
 立憲民主党もそうですし、きのうテレビで一緒だった維新の会もそうでしたが、いわゆる依頼されて電報を送る、依頼されて取材を受ける。日常的な関係や、その依頼が旧統一教会系だったものかどうかというのは、その当時認識できていなかったものも含めて、団体との接点があったものについては我々は公表しています。
 一方で、今、自民党は何をしようとしているか。祝電を送ったものは件数だけを発表すると。誰が、いつ、どのようなものに祝電を送ったのかということを発表しないということを言おうとしています。これは全く許されないことだと思います。むしろ公表どころか隠すために取組をしているというふうに言ってよいのではないかと思います。こういう姿勢では、もう本当に隠蔽工作をしようとしている、そのための調査・公表ということではないかと思います。
 改めて、自治体議員を公表対象・調査対象に含めるということ。そして、例えば祝電を送るや行事に出席するも、関係性がわかっていて出席した場合とそうでない場合とでは大きく異なるわけです。今の政権与党の中で、関係性がわかって出席あるいは対応していた人たちがどれぐらいいて、わからずに対応していた人たちがどれぐらいいるのか。これまた重要なポイントではないかと思います。先ほど話があったように、祝福二世からしても、教会に行っていろいろな政治家から挨拶があったりすれば、それが励みになった、自信になったと。それは活動の活発化にもつながるということであって、そういった意味では、ぜひ自民党は一人ひとりがどのような関係があったかということを明らかにすべきだと思います。
 何か驚いたのは、茂木幹事長は、関連会合の講演など露出度の高いものは氏名も公表すると。露出度の高いものは氏名を公表するというのはどういうことですかと。「マザームーン」「マザームーン」と言っていたものはもう世の中に明らかだから公表するけれども、皆さんにまだばれていない教団への訪問については名前を明らかにしないということなのか。ここがやはり問われていることではないでしょうか。改めて、特に会合に出席をして、大きな応援を受けて、おそらく数万票以上の票を受けた井上議員が、賛同会員を退会するということですが、退会をして終わらせようとしているという姿勢も含めて、これは大きな問題。ここをやはり隠蔽させてはいけないということを、各報道機関の皆さん、特に強く調査をしていただきたい。また、自民党にも一緒になって求めていただきたいと思っております。

○国葬問題について

【代表】
 国葬に関して言えば、改めてですが、これだけ今、世の中で関心が集まっている統一教会問題ですが、こうした自民党議員の、国会議員のつながり、自治体議員の全国のつながりが、大本が誰によって差配されてきたものなのかといえば、そこに安倍元首相の関与というものはほぼ疑いなく、最もその頂点にいた人物として安倍元総理が挙げられるということはもう多くの国民が気づいていると思います。これだけ多くの、今、問題が引き起こされているところの、そのまさにこうした団体と政治との関係の頂点にいたのが安倍元首相であるということ。
 そういったことも考えれば、我々は既に発表しておりますが、8月31日に岡田幹事長の名前で我が党のスタンスというものを公表していますが、最近まで総理大臣であった安倍元総理に対する国民の評価、これは定まっていないと。岸田総理の指摘するような高い評価というものも、そういう評価をする人もあれば、事実に反し不適切な国会答弁が繰り返されたことや、旧統一教会との関係などに対する疑問の声もあると。それも我々がこの国葬に賛成できないとしている理由の一つである。このことも立憲民主党としてはお伝えしていきたいと思います。
 ただ、きのうもこれはテレビ番組で私は言いましたが、元総理大臣ということで、平成の30年間も、そして令和の時代においても、ずっと元総理については内閣葬ということである意味決着をつけてきた、知恵を出してきたという、この長年の歴史があるわけです。全く弔うなと、国として全く何もするなということを言っているのではなくて、私たちは内閣葬であればそれは一定理解はできるというスタンスで、この国が関与する弔い方、広く言えば国葬儀というものの中でいろいろな形があるわけですが、この内閣葬というものは、一つこれまで、吉田茂元首相の国葬の際にやはりさまざまな法的問題が課題として残り、それ以上はこれを繰り返さないという中で、長年内閣葬というものが定着をしてきたわけです。これをひっくり返すというようなことが、今、大きな国民への疑念や混乱を与えているということでありますので、改めて我々はこの国葬は見直すべきということを、繰り返しですが訴えていきたいと思います。
 ちなみに、今、その葬儀への出席ということについて各党党首がどうするのかということにも焦点が集まっていると思いますが、我々は8月31日の「安倍元総理の国葬に関する考え方」という中で、総理が出席すると言った国会の閉会中審査、「今後とも、国葬とすることの是非について、国会を早期に開会し国民への説明責任を内閣が果たすことを求める活動に全力を挙げる。なお、葬儀への出席については、その成果を見極めた上で判断する」ということであります。何らかの国の行事であることは間違いないわけでありますから、本来であれば内閣葬という形で粛々と出席するということを基本としているわけですが、この国民に対する説明、国会に対する説明というものを見極めながら、最終的に判断をしてまいりたいと思っています。
 この国葬については、来週おそらく閉会中審査があるというふうに認識していますが、あった場合には、岸田総理が出てちゃんと国会で議論するということであれば、私もその質疑には臨む方向で調整をしていきたいと思っています。
 この警備費などもまだ全く明らかになっていないということですので、こういったことも明確に説明をさせる。例えば全国どこでもイベントを企画する方々おられると思いますが、あらかじめ予算はわかりませんと、終わった後でないと予算はわかりませんなんていうイベント会社は普通あり得ないですよね。どんなイベントだって事前に予算を組むのが当たり前。これが一般社会の常識です。それをひた隠しにしようとしている姿勢がまたこれ問われているということではないかと思います。

○「新型コロナ対策」「経済対策」について

【代表】
 そして、私たち国会を要求しているわけですが、改めて、なぜ国会開会を要求しているのかといえば、一つは(新型)コロナ対策であり、そして、経済対策、これが急務だからです。
 政府の有識者会議で感染症法改正案というものが検討されて、その報告が出ているわけですが、岸田総理が1年前ぐらいから言っていた司令塔の強化、これが全く盛り込まれていないということで、結局あれは何だったのか。これが今も問われているということになります。とにかく、全数把握ということについても二転三転している状況ですから、早く国会を開いて、明確にその議論を国民の前に明らかにしていくべきだと思っています。
 そして、この食品の値上げ。9月1日から値上がりしたもの、また10月1日に値上がりが予定されているもの、数多くあります。この値上がりが全否定されるものではないわけで、その一方で年金の引上げや賃上げが行われればいいわけですが、これが追いついていないということで、経済対策が必要であろうと考えております。そういった意味でも早く国会を開くということ、我々は小麦の価格の引下げということも含めて具体案がありますので、これを訴えていきたいと思います。
 もう円相場も、いよいよこれ立憲民主党が言っていたとおり140円台にまでなってきました。参議院選挙のときにまさにそれを訴えていたわけです。しかしながら、自民党の側はとにかく単にひたすら今のアベノミクスを継続するというだけで、この日米金利差がこれだけの円安の主要因であるということは間違いないわけですので、改めてこのアベノミクスの出口をどうするのか。これを今、政府に我々は問わなければいけないし、そのためにも国会を開くべきだと思っております。

○防衛費に関する議論について

【代表】
 また、来年度の概算要求は、いわゆる中身を示さない形での事項要求、要求金額を示さない事項要求が予算全体で160項目、そのうち防衛関係だけで100項目ですから、かなりこの防衛省関係、中身がわからないけれどもとりあえず要望すると。これが既に始まっているということですよね。額ありきではないと言いながら、中身がない中で事項要求をしている。これが今の姿勢です。
 そして、きょう日経新聞でも記事が出ていました。「大機小機」というところですね。「防衛論にまっとうな保守主義を」という記事が出ていましたが、本当にそのとおりだと思います。
 既に(海保予算やPKO拠出金等も含める)NATO基準でいえば日本の防衛費というのはもう1.2を超えているという状況であるということ。ですから、倍増すればNATO以上になってしまうということですね。こういうことを認識せねばならないのに、簡単に「倍増」「倍増」と叫ぶ今の政権与党・自民党の考え方はおかしいのではないかということ。
 そして、もし防衛費を5年間で10兆円にまで引き上げるとすれば、消費税2%分に当たるということ。増税をするぐらいの財源(が必要)になるということ。これも我々この参議院選挙で訴えてきました。消費税を2%ぐらい上げる増税分の防衛費の拡大ということで言ったときに、団塊世代もこれから後期高齢者になっていく、そのときに社会保障費を切り詰めるのか。どこを切り詰めるのか。教育費を切り詰めるのか。それとも、限界集落に対する予算を切り詰めるのか。いずれにせよ、先日、私はドイツ大使とも話をしましたが、ドイツでもその防衛費2%という場合に予算の調達が非常に困難でいまだに手立てがないということを大使も言っていました。このことについては全く示していないということですね。
 そして、安倍元総理は防衛費の増額は国債で対応すればいいということを言ったけれども、実は国債というのは本来は有事の際にも発行できるほどの余力を残しておかなければいけない、それが国家の安全保障であるとも言われているものだということなのですね。にもかかわらず、日本がひたすらに平時から国債を膨らませていくということになれば、これはむしろ日本にさまざまな形で圧力をかけている国からすれば、しめしめという状況になってしまうんだということも、きょうこの記事の中では言われております。
 あくまで安全保障というものは総合的なものであって、食料、エネルギー。防衛費だけを積み増せば国家が安全だということではない。そして、国債を使って防衛費を膨らませば国が安全になるわけではない。こういうことを改めて我々明確に訴えてまいりたいと思っております。

○五輪・パラ汚職「森元会長に200万円」報道について

【代表】
 あとは、これはまだ私も新聞報道だけで真偽はわかりませんが、オリンピック汚職で、森元会長に現金200万が渡ったのではないかという報道もなされています。
 もう既にAOKIホールディングス前会長の青木拡憲氏は200万円を渡したというふうに供述をしている。がん治療をしていた森氏へのお見舞いだったということまで言っているということでありますが、森氏側は現金の受領は一切ありませんというふうに言っている。この辺も明らかにならねばならないと、このように思っています。


■質疑

○旧統一教会問題について(1)

【毎日新聞・宮原記者】
 冒頭発言でもあったが、旧統一教会の関係で、今、立憲民主党では、こういった被害からの救済法案または被害の防止法案というものを考えていると思うが、どのような形で法案を提起して、今後、政府・与党に対しても働きかけていきたいかというところをお願いしたい。

【代表】
 当事者の祝福二世と言われる人たちも、党派を超えて取り組んでほしいという声がありましたので、フランスのような反セクト法のようなものなのか、そして、さらには今の法律の中でも、例えば高額の献金・寄附ということについて、これを取消しをできるかどうかとか、さまざまなアプローチを今考えています。霊感商法をどう規制していくかということもあろうかと思いますので、こういった霊感商法禁止法という考え方もあれば、幾つかのアプローチで我々としても法的措置で被害救済を図っていきたいと考えています。今、党内で鋭意その準備を進めているということですね。

○ネクストキャビネットについて

【毎日新聞・宮原記者】
 ネクストキャビネットについて、先週、泉代表のほうから新執行部発足のときに、ネクストキャビネットを発足させるということもおっしゃっていたが、今のところいつ頃に立ち上げて、また、若手や中堅、女性の起用も含めて、どのような陣容を考えていらっしゃるかというのがあればお願いしたい。

【代表】
 そうですね、できる限り早く、来週ぐらいにはというふうに思っています。
 そして、やはりNC(次の内閣)、さまざまに能力のある方がたくさんおられますので、それぞれ頑張って選んでいきたいなと思っています。いろいろな新しい人事もあれば、今までその分野で長く取り組んできて安定感のある人事もあればと、そのさまざまな人材がいるということを示していきたいと思っています。女性も複数この中には含めていきたいと思っています。

○国葬問題について(1)

【時事通信・木田記者】
 冒頭発言の国葬出席の部分に関してお尋ねしたい。国会に対する説明を見極めながら判断したいということだが、具体的に政府側からどのような説明があれば出席できるとお考えか。

【代表】
 そこは政府からのまさに説明を聞いて党として判断をしていきたいということであって、こういう何があればということを、今、条件を明示はしていません。

○憲法53条に基づく国会召集要求について

【NHK・高橋記者】
 昨夜出演されたBSフジのニュース番組でも言及されていたかと思うが、国会法について、臨時国会の召集期限を定める改正案を提出するという意欲を示されていたが、ほかの党との連携のあり方も含めて、改めて考えをお聞きしたい。また、その召集期限は何日以内にすべきだとか、その改正案は秋の臨時国会にも提出されるのか、その時期も含めて伺いたい。

【代表】
 憲法53条に基づく臨時国会の召集規定、そこには残念ながら期日が入っていないということで、(いずれかの議院の)国会議員4分の1以上の要求で憲法に基づいて要求をしているのに、たなざらしにされる。これが問題点なわけですね。
 これは自民党の側も同様の認識を持っているというふうに私は考えていまして、2012年に自民党が憲法草案をつくったときにも、ここについては、やはり20日という期日を入れて憲法草案をつくっているわけです。その意味では、我々自身も、立憲民主党としても20日という考え方を持っていますので、入るとすればそういう数字が入るのだろうなと思っています。
 そして、長妻政調会長のほうには改めて私から検討の指示をいたしました。一つは、懸念事項というか留意事項ということで言えば、本来憲法に書いてあればこれはそうそう改正されるということはないことが基本になるわけですが、法律に書くということで実現は可能であると思いながらも、法律ということになれば、場合によっては時の権力に法律を変えられてしまう可能性もある。50日にされたり100日にされたりする可能性もあるので、こういったところは、もちろん法案を私たちとしてはつくれば与野党を含めて全党に呼びかけをしていくということになろうと思いますし、そして、こういった国会のルールについては一党一派で変えるものではないという考え方で、安定性を他の法律以上に高めていきたいと、そのようには思っていますが、懸念事項としてはそういう点は懸念されると。
 しかしながら、法律としてつくるとすれば、先ほど話をしたように20日という数字を入れてつくるということになろうかと思います。

【NHK・高橋記者】
 きのう維新の馬場代表も、立憲さんがそういうふうにやってくれれば乗りたいというような感じで意欲を示されていたが、次の臨時国会に向けた野党との連携みたいなところはいかがか。

【代表】
 私は、政局で、臨時国会に向けた野党の連携のために出すものではないと思っています。あくまでこの憲法を誠実に守るために、それを具現化するための一つの手段と考えていますので、政局にあまり関係なく、必要なときに、これを国民の皆さんに諮っていきたいと。そう思っています。

○国葬問題について(2)

【朝日新聞・鬼原記者】
 国葬について幾つか伺いたい。先ほどおっしゃった内閣葬ならば粛々と出席というのは、内閣葬というのは内閣・自民党合同葬のことか。

【代表】
 それはわかりません。内閣・自民党合同葬となるかどうかは自民党が判断をするという部分もあるでしょうから。
 まず、政府としては内閣葬。これが平成、そして令和、ずっと定着をしてきていたということですね。

【朝日新聞・鬼原記者】
 国葬と内閣葬を使い分けておられるので、代表の中でどう違うのかを知りたいが、合同葬であれば費用が折半とか、いろいろあると思うが、使い分けておられる、その想定される内閣葬とはどういうものを想定されているか。

【代表】
 これまでの内閣葬です。

【朝日新聞・鬼原記者】
 費用は国が全て出すものではないという意味か。

【代表】
 そういうことです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 ということは、閉中審査などを通じて、政府が国葬ではなく今回は内閣葬であるというふうに、つまり国葬という名称を使わないことになれば出席をして、国葬ということが使われるのであれば出席はできない、そういう理解でよろしいか。

【代表】
 そこまで、今、私たちが言っている話ではなく、私がきょう言ったのは、内閣葬であれば、おそらくさらに国民の理解は広がるし、我々にとってもそこで何か大きく問題視をするということではなかったのではないかと思っています。

【朝日新聞・鬼原記者】
 おとといも伺ったが、立憲民主党が今の国葬に反対をしている理由の一つが、法的根拠。内閣府設置法を根拠にしている今の状況というのは閉中審査を経て何か変わるものではないと思うが、この法的根拠がない状態が続く中で、なぜ出席する可能性がいまだに残るのか、出欠を明言されないのか、どうしても理解できないので、ご説明をいただければと思う。

【代表】
 これは私が出るとか出ないとか勝手に決めるものではありませんし、そして、今、招待状が届いている段階でもありません。どんな国葬になるのか、どんな見送り方になるのかも、ある意味まだわからないというような状況です。その段階で、今、判断もしようがないということに尽きます。

【朝日新聞・鬼原記者】
 判断のしようがないというのが、ごめんなさい、私がばかなだけかもしれないが、よくわからない。反対は明確にされているわけですよね。

【代表】
 はい。

【朝日新聞・鬼原記者】
 招待状が届いているかどうかというのは本質の議論ではないと思うのでちょっと置いておくが、反対されているのに出欠が判断できないというのが、どうもよくわからない。代表の中でつながっておられるのであれば、ちょっとわかりやすく説明してもらいたいが、反対しているけれども出席するということがあり得るということか。

【代表】
 国葬というのは、国葬というのはというよりも国が関与する儀式というものは、やはり一つ一つ重たいわけです。ですから、本来であれば、国が関与する儀式に、国政に議席を持つ政党は基本的には出席するという前提に立っているわけなのですね。それが本当に悩ましいところではあります。それは安倍元総理を悼む気持ちは当然あるし、そして、これまでも内閣葬であれば出席をしてきたということもあります。
 そういうこともさまざま考えて、この国の行事、国の公式行事ということの中で、それを我々立憲民主党が拒否をするのかどうかというのは、よく党内で議論して決めていくべきだということで、我々としては、これは当然、先ほどから言っていますように、代表が「俺が出る」とか「出ない」とか、そういうことで決めているものではありませんので、このまさに8月31日に我々として見解を出したように、「葬儀への出席については、その成果を見極めた上で判断する」と。これが我々の公式見解です。

【朝日新聞・鬼原記者】
 代表がおっしゃる国の行事に基本的には公党の幹部としてというか出席するというのはそのとおりだと思うが、反面、国の行事にこれだけ意見が割れる状況をつくっているのは政府であり内閣でありということで、なぜ野党側がそこまでいろいろ頭を悩ませなければいけないのかという気もする。

【代表】
 そこまで頭を悩ませなければいけないのかというふうにおそらくおっしゃったのかもしれないですが、我々はもう見解を出しているので、今、何か毎日「うーん」と悩んでいるわけではないです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 要するに、このままの状況だったら出席できないということを明確におっしゃれる状況なのではないかと思っているので伺っているのです。

【代表】
 我々としてはもう見解を出したとおりだということです。

【共同通信・久能記者】
 鬼原さんの部分と重なる部分もあるが、政府は内閣府設置法と閣議決定を国葬を実施する法的根拠として挙げているが、改めてこの説明については十分だとお考えかということと、今後の法整備のあり方についてお考えがあればお願いしたい。

【代表】
 そうなんです、やはり基準は必要です。基準というか、私は、これは党内で議論していくことだと思いますが、元首相については、もちろんご遺族の意向とか、あるいは仮にですが元首相が、これは叙勲などでもそうですが、刑事罰を受けるとか、そういうことがあった場合にはこういったことは当てはまらないかもしれませんが、もう元総理は内閣葬とするというふうにシンプルにすべきだと思います。整備、基準をつくる。法律をつくってもいいと思います。元総理については内閣葬とするというふうに明確にすべきだと思います。
 やはり今回おかしな点の大きな一つというのは、時の政権が決められるということです。吉田茂元総理の国葬か否かを、佐藤栄作総理が決める。安倍元総理の葬儀を国葬にするか否かを、なぜか岸田総理が決める。ここは多くの国民はやはり納得できないのではないですかね。岸田総理の腹一つ。しかも、政治的事情を踏まえて、その総理にとってある意味有利に働くかどうかということで判断ができてしまうというのはおかしな話であって、私は、ですから、国葬というのは、よく大喪の礼が挙げられますが、それに限ればよい話であって、元総理については内閣葬とすると、そういうルールをつくる。これは可及的速やかに、もう今からすぐにでも取りかかるべきだというふうには思います。

【共同通信・久能記者】
 国葬の関連でもう一点。岸田総理は、国葬とした理由について、総理としての実績に加えて、弔問外交なども、4点を挙げているが、こうした説明に改めて納得できるかということと、泉代表ご自身が閉中審査に出席されるご意向だが、改めてどういった点を追及していきたいとお考えか。

【代表】
 岸田総理の挙げた4点。世界各国が弔意を示しているかどうかで我が国で国葬かどうかを判断する、これもやはりおかしな話ですね。中曽根元総理のときの内閣葬でも世界各国から弔意も示され、また、参列もありました。弔問外交も可能です。ですから、内閣葬だと弔問外交ができないかといえば、全くそんなことはないわけです。ですから、国葬と弔問外交はセットではないと、これはまず明確にしておかなければいけないということです。
 そして、経済の再生とか復興という話もしましたが、やはり経済の再生ということも挙げるけれども、これも我々見解で示しているとおり、評価は大きく分かれるわけですよね。子どもの貧困の問題や、格差の拡大の問題、そして実質賃金が上がっていなかったアベノミクス時代ということも含めて、決して我々はこの岸田総理の言うようなことについての評価ということはうのみにはできないし、例えば戦後最長のという話がよく出ますが、じゃあこれからもその最長になった人が出てくる度に国葬になるのですかと。
 これは何か岸田4要件というものなのですかと。一番最後には凶弾に倒れたというのもあるけれども、それは何か関係があるのですかと。民主主義に対し毅然とした姿勢を示すために国葬をするのか、ということも含めて、やはり理解はできない。この4項目というのはなかなか多くの国民は理解はできていないと思います。

○新執行部発足 国会対策について

【共同通信・久能記者】
 新執行部発足から1週間がたち、従来「提案型」を掲げてきた泉代表ではあるが、安住国対委員長を中心に対決色が強まっているかと思う。路線に修正のような部分があったのかということと、今後、提案と対決姿勢、このバランスというのはどうあるべきか。代表のお考えがあればお願いしたい。

【代表】
 昨年の発足当初というか就任当初ですね、まずは野党ヒアリングの見直しというところが必要だということで、さまざま内部で検討をしてきました。そして、内部で検討してくる中で、徐々に国対の中でヒアリングをしたり、その中継を再開したりということは、馬淵国対委員長の体制の下で既に進めてきていた中なので、安住さんになってからということではないということですね。そして、先日も、開く前に、例えばリーダーの議員からは、単に役人を追及する、追い詰めるというようなものにはならないようにというようなことも含めて、我々として、かつて、当初、最初の頃にあった問題点というものを修正しながら再開に至ったということです。

【共同通信・久能記者】
 特段路線の変更が修正があったわけではなく、今後も批判と提案のバランスを見極めていくと。

【代表】
 それはもう前からそうです。

○旧統一教会問題について(2)

【西日本新聞・井崎記者】
 冒頭発言で、安倍総理と統一教会の関係、大本が誰だったのか、差配してきたのは安倍さんではないかという発言があったが、来週あるかわからないが国葬の閉中審査の中で、そういった国葬だけではなく統一教会の話というのも追及されていくのは想定されているか。

【代表】
 想定はいろいろされると思いますが、今、何か確定的にどの問題を質問するかということを決めているわけではないです。

【読売新聞・北村記者】
 統一教会と現内閣の関係という点で一点伺いたい。山際経済再生大臣、これまで関連団体のイベントに度々出席したということが報じられているが、そう考えるのが自然だと言う程度で、十分に説明を果たしていないと思う。代表自身は、説明責任を果たしているというふうにお考えか。また、大臣としての資質、この点をどのようにお考えか。

【代表】
 大臣は、それは説明をする、資質が求められる、これは間違いないことです。
 個人の説明と、また、その個人が党所属の国会議員として党の調査票にどのように記載するかということと、その両面があると思います。党の調査票にしっかり記載をするということ、党はそれをやはり余すことなく公表すること、まずこれが入口だと思います。  ご自身のやったことを、そう見るのが自然だと思いますというような第三者的な言い方をするのはおかしいと思います。

○日本維新の会の新執行部について

【読売新聞・北村記者】
 先週末に維新の代表選があり、馬場さんが新代表に就任された。これまでと異なり国会議員の方が代表になられることで連携のあり方も変わってくるかと思うが、一方で、馬場さんはこれまで立憲民主党について、要らない政党だというふうに衆院憲法審の文脈の中でおっしゃったり、かなり攻撃的な発言というのも目立っている。今後の連携のあり方をどう考えるか。また、吉村さんが共同代表に就いた新執行部について、どのような所感をお持ちか。この2点をお願いしたい。

【代表】
 ある意味、面白い政党ではあるなと思います。代表選があるけれども、共同代表を代表選を経ずに選べるというのは、特殊なルールを持っているなということ。
 そして、東徹さん、非常に有力な候補だと言われていた東徹さんが出馬取りやめということがありましたよね。ここには、出馬をすれば党内が亀裂をしてしまうからという理由で取りやめたということが本人の談でしたが、それぐらいに本格候補と言われた人物が党内によって降ろされるということも含めて、馬場代表というのはもうある意味既定路線になっていたのかなと思います。早速、代表だった松井さんが顧問になるということで、ある意味の院政体制というか、そういうところというのは部分としてはあるのかなと思います。
 ただ、維新もかなりポジションでいろいろな発言をする政党なので、我々としては馬場さんになったからどうだこうだということはなく、政策テーマ別に、いろいろな政党と連携すべきところは連携すると、是々非々の考え方でいます。今回も、岸田総理の国会出席、ここは連携して取り組んでいますので、必要なことは立憲民主党の考え方を維新の側にも伝えて、一緒にやっていただけるものがあれば、できる限りそれはやっていきたいなと思います。

○国葬問題について(3)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 8月31日に出された、岡田先生の名前で出ている「安倍元総理の国葬に関する考え方」、これは非常に重要な文書だと思うが、これは泉さんではなくてなぜ岡田さんの名前で出ているのか。それから、この内容については、要するに考え方だが、立憲民主党としてどれぐらいのレベルの意思決定の文書なのか。これが一点。
 それから、三つの点があって、1番目と3番目は評価の問題だと思うが、2番目には、いわゆる法的根拠がないと。これも事実だと思うが、この以下のところについては、(内閣の恣意的な判断によって)弔いの方式を決定することは許されないと。これは基本的には何がしかの法令に違反しているのではないかと、内閣法は所掌事務としては儀式はあれだが決定権はないと、そういうようなことでいろいろ裁判を起こすこともできると思うが、明らかに法令違反であるということであれば、立憲の議員の皆さんに対しても納得できる結論だと。代表自ら結論して、これは憲法違反だと言えば、これはもう出られなくなりますね、基本的には。この2番目のところについて、どの程度詰めたお考えで立憲として考えておられるのか。
 つまり、お葬式って、案内状が来たら、その人と、その亡くなった人の関係において、いろいろなことがあるが総合判断して出られる人は普通にあると私は思う。要するに野党第1党として、共産党と同じような立場で、法令違反だということで戦う覚悟があるのかどうか。それだとしたら、こういう文書はやはり代表が出さないと、この後、案内状が来た後に本当に一つにまとまってやれるのかと思うが、その辺の考えを伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。宮嶋さんのお考えというのは私も理解をいたしました。
 この我が党の「安倍元総理の国葬に関する考え方」という文書は、党の執行役員の中で我が党としての考え方を出すということを認識を共有した上で、幹事長が文書を作成し、幹事長名で出すということに決定したものであります。もちろん他の役員が知らないということはありません。他の役員も、執行役員もこれを見て、我々として決めているものということになります。
 そして、今お話あったように、弔う場への出席というのは、さまざまないきさつがあっても、時には出席をするということもあり得るものだということ。一方で、法的解釈をめぐって対立が今回の場合であればあるということ。そこは当然、今、一つ問題点になっているわけです。そういう中で、国会でも、例えば、では与党が強行してセットした会議には一切出ないのかどうか、こういうことは我々常に問われるわけなのですよね。
 やはりそういうところというのは、さまざまな中で最終的に判断をしていくということになっていくと思いますので、いろいろ今後我々としても党内で議論をして、そして我々として判断をしていきたいという姿勢でおります。

○旧統一教会問題について(3)

【フリーランス・小山記者】
 先日の記者会見で「ニコニコ動画」の七尾さんのほうから、自民党議員の秘書のことを調べたほうがいいのではないかという発言があったが、こちらについて、有田さんや鈴木エイトさんなどのジャーナリストに依頼をして自民党議員の秘書の素性というのを調べるというのは外部から行う予定はあるか。

【代表】
 他党の秘書さんの素性を調べるというのを立憲民主党が行うかといえば、ちょっとそれは我々が行うものではないのかなというふうには、今、一瞬考えた中では感じます。まずは、それはむしろ自民党の中で、そういった指摘が数多くされているのであれば、自浄作用として行うべきことではないかと思います。

○国葬問題について(4)

【フリーランス・小山記者】
 100%国費というふうにされている国葬のことだが、ちょっと思ったのだが、岸田さんの頭の中では、従来の内閣葬では来賓が多いと予算を追い切れないのではないかと、そういった側面から、もうとっさに国葬と言ってしまったというような可能性も考えるが、それであれば自民党からの出費というのは今回は何も出ないというのはちょっと虫がいいのではないかと思うが、この辺りはいかがか。

【代表】
 そうですね、例えば自民党がこの国葬に対して何をするのかというのもまだ明らかにはなっていませんので、自民党合同葬の場合は費用負担はするけれども、安倍元総理の国葬の場合には自民党は何もお金を出さないのかどうか、ここもまだわからないということですよね。何かしら、もしかしたら自民党が何かをされる予定があるのかどうか。私は今のところまだそういうことを聞いていないという状況です。

【フリーランス・小山記者】
 閉会中審査のほうではこのようなご質問というのはしていただけそうか。

【代表】
 いや、それは、質問内容をどうするかは、いろいろとそういった知恵も含めて考えていきたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 来賓が多いということについてだが、今まで安倍総理、諸外国に円借款などで多大な援助を行ってきたということで海外からの評価が高いというふうになされているが、平和を保つための手段であると言えばそうなのだと思うが、国内の問題がさまざまにおざなりにされていた中で、批判の声もずっと聞かれていたが、安倍首相の海外への援助が多大であったと。この点について、今まで泉代表はどのようにご覧になっていたか。評価されるか。

【代表】
 やはり多くの国民の皆さんの中にも、国内が厳しい中で海外に出し過ぎではないかというご指摘があった。これは私も認識しています。
 そして、その円借款とかODAだとか、いろいろあっても、それは安倍さんの実績・功績という話に片づけられるのではなく、あくまで国民の税金であり、日本の取組であるということですよね。そのときの総理が誰であったということがあるにせよ、基本は国民のお金で国際貢献をしているということですので、それを国葬に結びつけるというのは、やはりやり過ぎではないかと思います。