小川淳也幹事長が2月12日、国会内で会見を開き、選択的夫婦別姓推進本部の設置などについて発言しました。
小川幹事長は、選択的夫婦別姓について「今国会の大きなテーマになるので、国対、政調、幹事長室から所要の人員を配置した。全党あげて、国会内外の連携、各党調整を行い、その実現を推進するために、辻元清美参院議員を本部長として選択的夫婦別姓推進本部を設置」したことを明らかにしました。
選択的夫婦別姓に関しての野党間での連携に関連して、小川幹事長は「一部の政党に慎重なトーンの発言があることは認識している」として、「子どもの姓を決める時期に関して結婚時、出生時、出生後なのかについては、各党間で調整できるよう少し柔軟に幅を持たせて最大公約数を求めていきたい」と意気込みを語りました。
小川淳也幹事長記者会見
2025年2月12日(水)15時41分~15時59分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/yzuKXdoJau8
■冒頭発言
■質疑
- 選択的夫婦別姓推進本部の立ち上げについて
- 各級地方選挙の結果について
- 高額療養費制度の上限額引上げ 政府方針について
- 参院通常選挙に向けた取組について(1)
- 予算審議 修正協議について
- 参院通常選挙に向けた取組について(2)
■冒頭発言
【司会(中谷幹事長特別補佐)】
皆様準備が整ったということで、本日の小川幹事長の定例記者会見を始めさせていただきたいと思います。まず、幹事長、よろしくお願い申し上げます。
○第118回常任幹事会を開催
【幹事長】
きょうもご協力ありがとうございます。今週もよろしくお願いします。
きょうは常幹後の定例会見ですので、常幹の決定事項を報告申し上げます。
まず、定期大会。2月24日でございますが、活動計画案・予算案等をご承認いただくべく、常任幹事会において確認をいただきました。代表選挙規則については、既に一部報道等もございますが、(必要とする推薦人数について)所属国会議員の1割または20名の少ないほうとするということで、きょうご了解をいただきましたので、党大会にご報告したいと思っております。あわせて、疾病・災害等の際には(代表選管が)出張して不在者投票ができるということで、規定を整理いたします。
その他、鳥インフルエンザ対策本部の設置。党外交推進本部、これは代表が本部長でございますが、設置。青年局の充実。政治改革においてはワーキングチームの設置等を議論いたしております。
協議事項として、選挙の公認内定を行いました。資料を追ってよくご確認いただきたいと思いますが、参議院の選挙区候補として、千葉の長浜先生。東京選挙区は、塩村さんと奥村さん、両現職。比例区においては、水岡参院会長、吉川沙織さん、そして前職の森裕子さん。以上6名を公認内定させていただいております。
衆議院においては、兵庫2区の舩川さん、兵庫10区の隠樹さん、お二人を公認内定いたしました。
沖縄県議選の補欠選挙がございますので、先般市長選で一歩及びませんでしたが、仲村未央さんを公認させていただきます。
口頭で設置を了承いただきましたが、これから重要法案の審議に関連して、選択的夫婦別姓の推進について、今、法務部門の現場とジェンダー(平等)推進本部で議論を精力的にしていただいているところですが、この際、ジェンダー推進本部長の辻元清美さんに本部長にご就任いただき、選択的夫婦別姓の推進本部を党として立ち上げます。骨格人事等については来週ご報告をいただく予定ですが、まず設置を取り決めいたしましたので、口頭で恐縮ですが報告させていただきます。
■質疑
【司会(幹事長特別補佐)】
ありがとうございます。それでは、ここからは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。
○選択的夫婦別姓推進本部の立ち上げについて
【共同通信】
ご発言のあった選択的夫婦別姓の推進本部について伺いたい。設置日はきょう付ということでよろしいのか伺いたいのと、これまでジェンダー平等の組織でやっていたことを推進本部を新たにつくる意義、この2点について伺いたい。
【幹事長】
設置日はきょう付です。
意義については、ジェンダー推進本部は、いろいろな課題を抱えながら、その一環として選択的夫婦別姓の議論もしていましたが、ちょっとこの選択的夫婦別姓は大変大きな今国会のテーマになりますから、党として専任の体制で本部を設置するということです。国会対策委員会、政調、幹事長室から所要の人員を配置いたしまして、部局横断的に全党挙げての推進体制を図ります。したがって、党内調整、各党調整、国会内外との連携、ここを中心に行っていくという趣旨です。
【共同通信】
もう一点。その各党調整の部分に関わるところだが、与党はさておき、野党間でもここのところ選択的夫婦別姓の議論について若干軌道修正がある政党もあるように感じられる。これから調整なのかもしれないが、現状どの程度野党間で足並みがそろっているのかお聞きしたい。
【幹事長】
少し、ここへ来て一部の政党に、従来賛成していたはずですが、慎重なトーンでの発言があるということは理解・認識しています。
選択的夫婦別姓そのものに反対している方も当然いらっしゃるでしょうし、通称使用の拡大ということを主張しておられる方もいらっしゃる。これは理解はしていますが、当方はそこは乗り越えたいと思っています。
一方、特に子どもの姓に関して、結婚時なのか、出生時なのか、あるいは出生時ごとなのか、様々議論の幅があると認識しておりまして、我が党として基本的に持っている考え方はありますが、これから各党調整や様々な連携を図る中で、少し柔軟に幅を持たせて、共通の理解、最大公約数をつくっていく努力が求められるということを自覚しています。
○各級地方選挙の結果について
【フリーランス】
北九州市議選では数を減らし、川越市長選では相乗りで負け、仲村未央さんも負け、横浜南区の市議補選では国民民主党に大差をつけられて負けた。選挙で勝てないのですか。
【幹事長】
候補者の擁立から、その後の運動。また、背景にある国会対策や党運営。全力を尽くしているつもりですが、物により、時により、結果が出るものもあれば厳しい結果をいただくものもある。いずれも謙虚に受け止めて、今後の取組に反映したい。そのためにも敗因や様々な分析等については詳細な取組が必要であると認識しております。
【フリーランス】
特に横浜の市議補選だが、投開票日の翌日には神奈川県連で常任幹事会もありましたよね、中谷さん。それで結果というのはわかっていないのか。大惨敗だ、正直言って。国民民主党に、共産党にも負けている。お答えください。
【幹事長】
ご質問なのか、ご批判なのか、ちょっと。
これから、代表からもよくよく敗因の分析が必要であるというご指示をいただいているところです。現状少し上がってきていることとしては、候補者の様々な、年齢や性別を含めて、いろいろな判断が有権者にはあったと思います。それから、当方は4名区に1名、現職が別におりますので、それも含めていろいろと選挙運動上メリットもあれば難しい部分もあったやに聞いております。等々、詳細はこれからよく分析が必要だと思っておりますが、いずれにしても厳しい結果をいただいたということは厳粛に受け止めているところです。
○高額療養費制度の上限額引上げ 政府方針について
【NHK】
幾つか伺いたいが、まず、高額療養費制度の件に関して。上限額の引上げをめぐり、きょう福岡厚労大臣とがん患者や難病患者の団体が面会している。予算委員会でも患者の意見を聞かずに上限額を引き上げるということを決定しないでほしいと立憲民主党として求めていたと思うが、きょうの大臣と当事者団体の面会の動きについてどう受け止めているかと、政府に今後どのような対応を求めていくか。あわせて、立憲民主党として今国会で上限額の引上げ凍結を求める法案提出についての検討状況を伺いたい。
【幹事長】
ちょっと遅きに失したのではないか。お会いになられたことは多としたいと思いますが、遅きに失したのではないか。こういう案をそもそも提出・提案する前に様々な関係者とよく認識をすり合わせるべきであったということで、猛省を求めたいと思っております。
今後、いずれにしてもこれは相当不安が広がっておりますので、事実上撤回を求めたいと思いますし、法案については現在政調で議論をしていると思いますが、ちょっと詳細な報告を受け切れておりません。政調会長の会見等で詳しくお尋ねいただきたいと思います。
○参院通常選挙に向けた取組について(1)
【NHK】
別件で、参議院選挙の関連で、予備選に関連して。候補者一本化に向けて維新が検討していた予備選の案があったかと思う。立憲民主党は現時点で回答していない状態だと思うが、まず、こちらの検討状況について伺いたい。野田代表のほうからも、相当改善しなければならないことがあるということで、ドント方式で振り分ける案については慎重な意見・立場を示していたと思うが、こちらについて、まず現状の検討状況を伺いたい。
【幹事長】
1人区の一本化が必要であるという認識については共有しているところですが、ご提案いただいている仕組みそのものに乗れるのか乗れないのか、利用できるのかできないのかについては、なかなか簡単にイエスともノーとも言い切れないということをかねて申し上げたとおりでして、それは現状、今も変わりません。
岩谷幹事長からは内々ご連絡をいただいて、報道されているような見直しを行いたいという趣旨の連絡は受けています。そのご努力については多としたい。しかし、我が党としては全党が参加できないとなかなか意味あるものになりにくいという点と、それから、そもそも総枠制というアプローチをすること自体がどれほど妥当性を持つのかという、大きな議論が幾つも論点としては残っていますので、仮に報道されていることが事実だとすれば、その候補者でしっかりその強弱を測るといいますか、それは半歩なのか数分の一歩なのか、前進と言えなくはないと思いますが、それにしてもちょっと全体に残っている課題が大きいという認識です。
【NHK】
維新が見直しをした場合の案を示してきたとしても、次回例えば説明をする際には、立憲民主党としては全党がやらなければ予備選への参加は難しいというお考えなのか。
【幹事長】
課題はそういうことも含めて幾つもあると申し上げたとおりで、何か個別の条件闘争でこれならできるできないということをなかなか言い難いほどに、イエスともノーとも言いにくいというのが偽らざる現在の状況です。
○予算審議 修正協議について
【NHK】
最後、また別件で、予算の修正に関して。予算案の修正協議をめぐり、今、与党と野党の政策協議がかなり活発化してきていると思う。立憲民主党としても修正案提出を調整している段階だと思うが、改めて今後どのような点を強調して修正を求めていくかということと、修正の中でどういうものを勝ち取ろうとしているのか、幹事長の考えをお聞きしたい。
【幹事長】
全体の大枠については今週末にも代表が公の場でお示しできるように現在政調において詳細の議論を行っており、あらあらの点については本日の役員会でも議論したところでございます。
中身については、既に当方が議員立法で提出している学校給食の無償化を初めとした社会政策、そして一方、省庁別審査については様々な効率化や、あるいは無駄遣いを改めることを含めて財源の議論も進めているところですから、その辺りを全体としてバランスよく盛り込むということを念頭に、今、詰めの議論を行っているところです。
○参院通常選挙に向けた取組について(2)
【新潟日報】
森裕子さんについて伺いたい。きょう参議院の全国比例の候補者として決まったということだが、期待するところを伺いたい。
【幹事長】
私も長らく一緒に仕事をさせていただいて、非常に、ちょっと攻撃力と言うとあれなのですが、力のある、実績のある、知名度のある大先輩でございます。この間、雌伏の時を過ごしておられる中で、いろいろとお考えになったりお感じになったりということが更にあるでしょうから、改めて国政復帰していただいて一緒に取組をしたい、努力をしたい。そう思っているところです。
【新潟日報】
選挙戦略上というか、森さんは独自のネットワークもお持ちでしょうし、また、新潟で選挙区で出る打越さんとの連携といったことも考えられるのかと思うが、立憲民主党として選挙を戦っていく上で期待している部分があれば教えていただきたい。
【幹事長】
極端に言えばですが、辻元清美さんが、大阪の小選挙区で戦われていたあのスタイルから、全国幅広くあの実力と知名度で戦われたという一つのモデルがございますが、森裕子さんにおかれては、もちろん新潟での地盤とか知名度というのもあるでしょうし、森裕子さんの戦いのスタイルといいますか、それは全国津々浦々、よくご存じの方、あるいは期待している方がいらっしゃるでしょうから、それらを含めて広く盛り立てて、そして、党に対する期待にもつなげていきたい。今までの戦い方をベースとしつつも更に活躍の場を広げていただきたいと、そういう思いでおります。
【NHK】
先ほど質問した件で、追加でお尋ねしたい。予備選の件で、維新は立民からのこういうところを修正すべきではないかといった提案を受け新たな案を今つくっている状況だと思うが、修正してきた予備選の案に対しては次回面会されるときにどのような回答をするのかということと、今、窓口は具体的に立憲民主党はどなたがやっているのか確認させていただきたい。
【幹事長】
岩谷幹事長とは断続的に様々な連絡は取っております。それから、もし仮に公式に面談・面会をということであれば、前回大串代表代行・選対委員長と一緒に対応いたしましたので、おそらくそれがベースになると思いますが、ちょっとそういう場を持つかどうかも含めて、ご努力は多としているのです、ご努力は多としているのですが、なかなかそれで直ちにイエスともノーとも答えられる環境にはないという現状の私の認識からすれば、残されている課題は非常に大きく、今のご努力は多としつつも、直ちに前に進めるという実感というか感覚というか、それは持ち得るに至っていません。
【NHK】
もう一点。維新がこうした立憲の指摘を受け改善した案を示したのに対し、それでも難しいと回答する場合は、1人区の一本化に向けて、立憲民主党の幹事長としてこれからどういう努力ができるというふうにお考えか。
【幹事長】
再三申し上げたように、あの仕組みそのものに乗る乗らないという話があるでしょうし、あの仕組みが持っている考え方の一端を利用させていただくいただかないという論点もあるでしょうし、いずれにしても、一本化の必要性を唱えていることは、私どもはかねてから唱えてきましたが、今回維新さんもそれを強く主張されていることは非常に前向きに捉えていまして、あの仕組みに乗る乗らないという議論に直ちにイエス・ノーと言われるとお答えのしようがないのですが、いずれにしても、あそこに込められた知恵とかアイデアというものをベースにして、一本化の努力をお互いしていくということは今後展望できるのではないかという期待を持っています。
【司会(幹事長特別補佐)】
そのほか、よろしいでしょうか。それでは本日の記者会見はこの辺りで終了させていただきます。皆様、ご参集いただきましてありがとうございました。
【幹事長】
ありがとうございました。お疲れさまでした。
(以上)