小川淳也幹事長は2月18日、国会内で会見を開き(1)予算の修正(2)高校の無償化――等について発言しました。
小川幹事長は、来年度当初予算に対する立憲民主党の修正案について「予算委員会が動いており、昨日は野田代表が予算の修正を求めた。本日の夕刻、自民党の政調会長から打ち返しがある」と述べました。
与党の対応について「理想は丸のみ。中でも我が党が提案する暫定税率の廃止、高校の無償化、各党で要求した給食の無償化」を挙げ、「与党に対して真摯な対応を求めました。
修正項目の1つである高校の無償化については、「立憲民主党の案は、各党の主張も意識しながら、汎用性もある、全体感を持った主張がベースにある。維新は大阪での実践が根っこにあると思うが、それが全国で考えた時にどれだけ合理的があるかが問われている。大阪事情に引きずられることなく、全体としてどうあるべきか、冷静に考えている」と党のスタンスを説明しました。
また、高額療養費自己負担引き上げについては、「優先順位はかなり高い」と述べました。
政治とカネの問題について、小川幹事長は「明日の予算委員会の集中審議で、先頭打者として質疑に立つ。20日には参考人招致が実現する。完全公開、完全な場でとはならなかったが、大事なことはいつ誰が、こうした裏金を始めたのか、真相の解明、責任の追及は十分なのか」と述べました。
小川淳也幹事長記者会見
2025年2月18日(火)10時30分~10時47分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/EtgWDcHpA0I
■冒頭発言
■質疑
- 予算審議 修正協議について(1)
- 鈴木法相の菓子折り配布問題について
- 参院通常選挙に向けた取組について(1)
- 予算審議 修正協議について(2)
- 参院通常選挙に向けた取組について(2)
- 予算審議 修正協議について(3)
- 参院通常選挙に向けた取組について(3)
- 予算審議 修正協議について(4)
- 国民生活 エンゲル係数の上昇について
- 「青空対話集会」の定期開催について
■冒頭発言
【司会(中谷幹事長特別補佐)】
それでは、定刻でございますので、本日の幹事長記者会見を始めさせていただきたいと思います。まず冒頭、小川幹事長より、よろしくお願い申し上げます。
○第119回常任幹事会について
【幹事長】
おはようございます。きょうもご協力ありがとうございます。
きょうは常任幹事会が午後、お昼を挟んで臨時に行います。青森・奈良・三重で参議院の公認候補者内定を決定する予定です。党大会がこの週末ですので、臨時でそうした態勢を取らせていただきたいと思っています。
あわせて、常任幹事会に報告をいたしますが、選択的夫婦別姓実現本部。辻元本部長の下、参与には枝野元代表。本部長代行には手塚幹事長代行、打越ネクスト法務大臣。事務局長には黒岩衆議院法務委員会筆頭理事にご就任をいただき、事務局長代理には田島参議院法務委員会筆頭理事を骨格とした人事を常任幹事会に報告する予定です。本日16時半、第1回の本部会合を開催し、野田代表にもご出席をいただく予定であります。
○「青空対話集会」の定期開催について
【幹事長】
それから、二三、雑件ですが、今週金曜日から私自身、有楽町での「青空対話集会」を定期的に開催したいと思っております。
○予算審議 「修正協議」「参考人招致」等について
【幹事長】
最後に、予算委員会が動いており、昨日は野田代表が我が党の(示した)予算の修正を石破総理に求めました。きょう夕刻、自民党の政調会長から当方重徳政調会長に一定の打ち返しがあるとお聞きしております。ぜひ誠意を持って真摯にご対応いただくように、この場をおかりして与党にもお願いしたいと思っています。
これに関連して、あすは政治と金の集中審議がある予定ですが、私自身も先頭打者として、トップバッターとして質疑に立ちたいと思っています。
それから、20日には(旧安倍派会計責任者の)参考人招致が、ちょっと変則的な形ですが実現するということで、この間、与党側も相当努力してくれているなという感触は得ていましたので、何らか実現というふうに期待はしていましたが、ひとまずこういう形になったことで、その努力を多としたい。完全公開、完全な予算委員会の場でというふうには至りませんでしたが、それにしても一定この努力を多としたいと思います。
大事なことは、いつ、誰が、なぜ、こうしたことを始めたのか、真相の究明。そして、責任の追及は現状で十分なのか、不十分なのか。こうした点が少しでも明らかになることだというふうに期待をして見守りたいと思っております。
■質疑
【司会(幹事長特別補佐)】
ありがとうございます。それでは、ここからは質疑応答に入らせていただきたいと思います。質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。
○予算審議 修正協議について(1)
【朝日新聞】
冒頭もあった予算の修正のことで伺いたい。きょう夕方、自公の政調会長から打ち返しがあるということだが、幹事長として、もう少し具体的に何か、向こうにどう受け止めてほしいとか、どう対応してほしいとか、何かお考えがあればお願いしたい。
【幹事長】
理想は丸のみ。理想は丸のみです。
中でも、我が党は、国民民主党も主張している暫定税率の廃止。それから、維新の会が主張している高校無償化。そして、全党でといいますか、そうした各党で要請した学校給食の無償化。野党第1党として各党の主張にも配慮しながら全体感のある提案をしていますので、そこら辺も含めて与党側にはよく酌んでいただきたい。そう思っています。
○鈴木法相の菓子折り配布問題について
【朝日新聞】
別件で、もう一点伺いたい。週末に電子メディアの「現代ビジネス」が報じているが、鈴木法務大臣が法務省の職員に対して崎陽軒の月餅を配っていたという報道があった。きょうの閣議後会見で鈴木法務大臣は認め、慰労や激励の趣旨の差し入れだったと説明している。この問題について何か受け止めがあればお願いしたい。
【幹事長】
極めて不適切で、責任問題だと感じております。
きょう、ごめんなさい、ちょっと私は把握し切れていないのですが、予算委員会で誰か法務大臣を呼んでただしているのでしょうか。ちょっと私、それが朝から気になっていたのですが、もしきょうの予算委員会で取り上げられていなければ、私があす取り上げます。
【朝日新聞】
取り上げる場合、どういう点をただしていくお考えか。
【幹事長】
法務大臣は法秩序を預かる極めて重要な立場ですから、公職選挙法の規定を場合によっては無視して職員に(配布したとすれば)、動機がどうだったかわかりませんが、結果として買収疑惑につながりかねない事態ですから、極めて責任は重い。場合によっては辞任に値する、場合によっては石破総理からすれば厳しく処していただかなければならない、そうした事案ではないかと理解しております。
○参院通常選挙に向けた取組について(1)
【共同通信】
現職2人が改選を迎える参院選の神奈川選挙区について伺いたい。神奈川県連からの公認申請がない中で党本部が主導する形で現職2人の公認が決まった。小川幹事長は先週11日に続き今週末も神奈川に入り現職2人の街頭演説に駆けつけると承知しているが、今後党本部としてどのように県連をサポートしていくか。あわせて、神奈川での党勢拡大に向けた意気込みもお聞きしたい。
【幹事長】
参院選に対する総合選対としての強い意欲で、地元には慎重論も多々あった中ですが、2人擁立ということでご理解をいただき、また、活動を最大化するように取り組んでいるところです。これは資金面から、私自身も汗をかいていることも事実ですが、人員・動員態勢を含めて全力を挙げて2人当選に向けて取り組みたい。そう思っているところです。
○予算審議 修正協議について(2)
【毎日新聞】
予算の話に戻るが、自公と維新の間で教育無償化の話が進んでおり、高校無償化の話は立憲も求めているところだが、自公維の中で立憲が求めている案に少しずつ近づいてきているようにも見える状況だ。これをどのように評価しているかと、維新との協議の中で立憲の案に近づいているわけだが、これが仮に盛り込まれるようなことがあった場合に、立憲の成果としてどのように評価をするか、あわせてお聞きしたい。
【幹事長】
そもそも我が党は何かシングルイシューで条件闘争に持ち込みキャスティングボートを握るという立場にも役割にもないということは、かねてから申し上げているところです。先ほども(申し上げたように)、各党の主張も意識しながら、汎用性のある、横にウイングを広げた主張を全体感を持ってしているということがベースにあります。
維新さんの主張には、おそらく大阪での実践が、歴史上、経緯の上で根っこにあるのだと思いますが、それが全国で考えたときにどれだけ合理的で、どれだけ説得力があるのかということが結果として問われており、その点、我がほうが元々主張していたのは、あまり大阪の事情に引きずられることなく、全体としてどうあるべきかということに引きつけて考えてきた結果ではないかと、冷静に受け止めているところです。
○参院通常選挙に向けた取組について(2)
【東奥日報】
冒頭のご発言にもあったが、青森県連がきのう、元地元テレビ局アナウンサーの福士さんを擁立することを決めた。これから常任幹事会の議題に上がると思うが、幹事長から福士さんに対する評価や期待したいことがあれば教えていただきたい。
【幹事長】
青森県連では複数の潜在的な候補予備軍の中から慎重に選考を進めてまいりました。この際、一定の経験、知名度、また、国会に圧倒的に少ない女性でもあるということで、大変大きな期待を寄せております。常任幹事会での決定はこの後になりますが、決定を速やかにしていただいた上で、党としても全面的なバックアップ態勢を早急に整えたい。そう思っているところです。
○予算審議 修正協議について(3)
【産経新聞】
予算の修正案に関連して、高額療養費の凍結について伺いたい。この高額療養費の凍結の問題は非常に世論の関心も高いが、現在予算の規模としては200億円で実現できるということで、この予算の修正の中における優先順位について伺いたい。
【幹事長】
かなり高いという認識です。
ただ、これを放置すると、将来的には5000億なのですね。当面200億なのですが、将来的には5000億です。
ちょっとあすは政治と金の集中審議なのでどこまで踏み込めるかわかりませんが、私もちょっとこの制度の矛盾については、ぜひ時間の許される範囲で取り上げ、総理に凍結を迫りたい。そう思っています。
○参院通常選挙に向けた取組について(3)
【産経新聞】
別件で、参院選に関連して。静岡選挙区で地元の源馬謙太郎県連代表が静岡選挙区に擁立しない意向を示された。党本部として、静岡選挙区には国民民主党の榛葉幹事長が出馬される予定だが、それに対して推薦などを考えているか。
【幹事長】
香川選挙区も国民民主党さんが、私の地元ですが、擁立を発表されましたが、現状、特段先方からの支援要請がない中ですので、我が党としての対応は、それは静岡であれ香川であれ、未定です。できれば共闘態勢を組みたいと当方は思っていますが、先方の出方を待っている状況です。
県連の意思決定なり報道ぶりについては承知はしていますが、正式な報告は受けていません。前回の流れを受けてのいろいろな判断だと思いますが、ちょっと正式な報告を待って党本部としても今後の対応を検討したいと思います。
○予算審議 修正協議について(4)
【NHK】
他党のことでちょっとコメントしにくいかもしれないが、あえてお聞きしたい。国民民主党と与党が今、予算の修正に向けて交渉しているが、「103万円の壁」の打破に向けて、きょうの報道にもあったとおり、与党が年収に段階的な所得制限をつけて提案するというようなことが報道されているが、幹事長はこれをどうご覧になっているか。
【幹事長】
ちょっと正確なところを把握できていないのですが、基本的に基礎控除は、どういう所得水準であれ、ここは課税できない、すべきではないという哲学に基づいているはずなので、そもそもは、あまり階段状になるということは本来は想定されていない制度だと思います。それから、給与所得控除についても同様、基本はそのはずです。
しかし、最近、給与所得控除については一定の所得水準を超えると適用されないとか、何というのでしょう、制度の理念とか哲学とはちょっと別に、再分配の観点とか財源の観点からの議論が少し幅を利かせるように最近なってきていると。その一環として受け止めていますが、ちょっと制度の筋論としてはなじみのない考え方だなという感想を持っています。
ちょっとまた改めて詳細を確認したいと思います。
○国民生活 エンゲル係数の上昇について
【「FACTA」】
名目では600兆を超えたが、日本は貧乏になると。その象徴は、やはり家計支出に占める食費が3割近くになり、G7の中で最も高くなっている。赤澤大臣にエンゲル係数を引き下げるようなことは政策目標になるのかと聞いたら、あまりそういう意識がないみたいだが、立憲民主党はそこをどうお考えになるか。銀座で対話集会などをやるわけだが、やはり食費が3割ぐらいになってくると全く豊かさがないのではないかと思うが、その辺は江田さんが今やっているような動きともリンクすると思うが、小川幹事長の考え方を伺いたい。
【幹事長】
相当危惧しています。格差と貧困の拡大が社会を不安定化させており、政治が荒れている背景でもあるというのが私の認識です。
したがって、ちょっとここは給付なのか減税なのかという大きな大議論はあるわけですが、給付であれ減税であれ、生活をこの物価高の局面の中で下支えするという政策は立憲民主党として極めて大事な一丁目一番地だと。国民生活を底上げし国民生活を底支えするということは極めて大事な一丁目一番地だという認識で、これからの国会での発信、そして参議院選挙に向けた政策の取りまとめ、全力を挙げたいと思っているところです。
○「青空対話集会」の定期開催について
【朝日新聞】
冒頭あった「青空対話集会」、有楽町で定期開催するということだが、幹事長は既に全国をぐるぐる回り忙しい日々を過ごしていると思うが、その中で新たにこうした打ち出しをする狙いがあればお願いしたい。
【幹事長】
この間も浦和でやったりとか、この週末は島根に行ったりとか、各地域・地方には結構行っているのですが、意外と都心・都内がちょっと減ってきていて、ですから、関東近郊の方を含めて希望がある方が(足を)運びやすい環境で、しかも、私にとっては実は有楽町は原点でもあるのです。3年前の代表選挙のときに、きょう手塚・中谷両先生方がおられますが、お支えをいただきながら戦ったときの原点が有楽町の青空集会でして、そういう自分自身の原点。かつ、世のニーズといいますか、今の生活苦、食料品高、いろいろなお声を受け止めなければいけないという責任感で、改めて都心に回帰したいという趣旨です。
【司会(幹事長特別補佐)】
そのほか、いかがでございますか。よろしいでしょうか。それでは本日の記者会見はこの辺りで終了させていただきたいと思います。皆さんご参集いただきまして誠にありがとうございました。
【幹事長】
ご協力ありがとうございました。
(以上)