岡田克也幹事長記者会見

2022年9月6日(火)16時00分~16時22分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/UtTj0MJ2t3M


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第57回常任幹事会を開催

【幹事長】
 私のこの定例会見は、基本的には西村幹事長がやっておられたように、常任幹事会が行われたときに、したがって隔週を原則として一回行っていきたいと思います。
 私からは、まず、その常任幹事会の報告ですが、資料がお手元にあると思いますので細かくは申し上げません。
 若干説明しておいたほうがいいかなと思うのは、協議事項の中の、「次の内閣」設置のための規約改正であります。これは泉代表のほうから「次の内閣」を設置するという方向性が既に示されておりますが、規約の中にそれをきちんと書き込むほうがいいだろうということで、そのことについてご協議をいただきました。若干の条文の整理も必要になりますので、きょう少し議論を行ったところであります。
 その議論に基づいて、来週には、これは規約ですから両院議員総会マターですので、両院議員総会を開いて、その他諸々もありますが、この規約改正についてご承認をいただき、その上でネクストキャビネットをスタートさせるという段取りになります。その規約改正についてご議論をいただいたところであります。
 私からはこの常任幹事会については以上であります。

○旧統一教会問題について

【幹事長】
 そのほかの件について、旧統一教会の話。先般もNHKの「日曜討論」で茂木幹事長とも議論をいたしましたが、よくわからない話が、ほとんど返事をもらっていないわけですが、岸田総理の会見を見ても、旧統一教会が問題ある団体であるということは認識して、今後の関係を絶つとか、あるいは調査、調査ではなくて点検をするとか、こういうことをおっしゃっているわけであります。ただ、何が問題だったのかという説明は全くなされていないわけです。
 したがって、これは「日曜討論」で申し上げましたが、やはり被害実態をきちんと政府として調べて、そして明らかにするというところが非常に大事ではないかと思います。総理も問題があるということはお認めになったわけで、関係を絶つとまでおっしゃったわけですから、相当な問題があるというふうにお考えだと思います。そうであれば被害実態をきちんと調査するということが必要だと思います。
 そして、その結果によっては、旧統一教会をこれからどうするのかという議論が場合によっては必要になってくるということになります。「日曜討論」でも申し上げたのですが、宗教法人法上の取扱いなども含めて、これは被害実態次第というところもありますが、そういう議論も必要になる。そこの部分は全く総理の会見からは出てきておりませんので、問題がある、したがって実態を点検する、そして発表する、これからは関係を絶つということで、では問題があるその団体をどうするのかというところが全く抜け落ちておりますので、そういったところについてしっかりと求めていきたいと思います。
 もう一つは、やはり自民党の中の調査であります。点検をするとおっしゃるのですが、これも「日曜討論」で申し上げましたが、山際大臣、あるいは政調会長、党の執行部三役の一人ですね、そして閣内の大臣、そこに度々会見などで新しい事実が明らかになったりして前言が次々と翻っているわけです。だから、そういったことについてしっかりと調査をして、これぞ決定版というものをやはり自民党としては出す責任、説明責任があると思います。
 安倍元総理についても同じでありまして、関係者のいろいろな発言もございます。そういうことについて、自民党として調査をして、そして、安倍元総理がどういうふうに関与してきたのか、いろいろな人がいろいろなことを語っておりますが、そういったことは事実なのか。総理といっても総裁でもありますから、そういったところをしっかり明らかにしていく責任があると思います。

○国葬問題について

【幹事長】
 国葬の問題もありますが、これは議運で泉代表も立って総理と議論をするということになります。具体的な時間、その他、あるいは曜日とか、まだ決まっておりませんが、しっかり十分な時間を取って、国民の疑念が晴れるような、そういう答弁を総理には求めたいと思います。
 もう既に私の名前で出したペーパーにもありますように、やはり法的な問題、あるいは、きょうも急に必要な金額が跳ね上がったということでありますが、費用の問題、それから安倍元総理と統一教会の関係など、そういうものがきちんとクリアされていくということが非常に重要ではないかと思いますが、具体的なところは代表と総理のやりとりにまちたいと思います。

○五輪・パラ汚職について

【幹事長】
 五輪汚職の疑惑が次々と明らかになってまいりました。アスリートがすばらしい演技をされた、その裏でこういった不透明な金のやりとりがあった。贈賄・収賄ということは極めて残念なことですし、日本が世界に大きな恥をさらしたということだと思います。
 まだ捜査中で、どこまで広がりを持つかということは明らかではありませんが、当面その捜査の行方も見定めなければなりませんが、本当に国辱ものではないかと私は思います。日本がオリンピックの裏でこんなことをやっていたということは本当に情けないし、残念な思いであります。

○沖縄県知事選について

【幹事長】
 最後に、沖縄知事選ですが、沖縄知事選、それから宜野湾市長選、名護市議選が行われます。台風でなかなか、さきの週末の役員派遣もままならなかったのですが、これからも役員も入り、あるいは自己完結型で議員の皆さんにも入っていただく中で、しっかりと結果を出していきたいと、そう思っているところであります。


■質疑

○国葬問題について(1)

【朝日新聞・高木記者】
 国葬について伺いたい。今、野党各党が国葬の出欠について表明してきている。立憲民主が国葬に反対していながら出欠をいまだに明言されていない理由をお聞きしたい。

【幹事長】
 まさしく、今、我々の疑問をぶつけているところです。議論しているところなのですね。それを踏まえて結論を明確に申し上げたいと思います。

【朝日新聞・高木記者】
 もう一点、同じく国葬についてだが、けさ逢坂代行が国葬に出席できないとブログで表明されていたが、これは執行部の統一見解ではないという認識でよろしいか。

【幹事長】
 何も決めておりません。

○尖閣諸島問題について

【産経新聞・大橋記者】
 まもなく尖閣国有化から10年ということでお尋ねしたい。野田佳彦内閣で、尖閣諸島周辺の領海に侵入したヘリコプター搭載型の中国公船からヘリコプターが発艦し領空侵犯した場合に、航空自衛隊の戦闘機がスクランブルをかける手続が検討されていたと、当時の防衛省関係者が証言している。これに対し、当時副総理だった幹事長が戦闘機によるスクランブルに反対し、結局野田政権ではこうした対処は見送られたという証言もある。幹事長は中国公船から飛び立つヘリコプターに対するスクランブルに反対したのか。反対したのであれば、その理由も教えていただきたい。

【幹事長】
 お答えする必要はないと思います。中で議論していることについてお答えする必要はありません。
 むしろ、そういう中の議論、どういう議論だったか私は定かに記憶しておりませんが、そういうことが外に漏れてしまうという、そういう官邸の状況が極めて問題だと思います。

【産経新聞・大橋記者】
 それは事実だということではないか。

【幹事長】
 いや、そんなことは言っていません。詳細は記憶しておりませんので。

○「次の内閣」について

【毎日新聞・古川記者】
 きょうの幹事会の中で、「次の内閣」設置のための規約改正というのがあったが、改めて「次の内閣」の党内での位置づけと、どういった人選を行っていくか、教えていただきたい。

【幹事長】
 人選は代表を中心に、いろいろとお考えがあると思います。来週議員総会を行いますので、そのときには発表できるのではないかなというふうに思っています。今、それ以上のことは申し上げられません。
 代表を中心に政策を決めていく。今の政府に対峙する形で。従来の民主党時代は「次の内閣」というのはあったわけですね。私もそのほうがいいというふうに代表に申し上げてきたところですが、よりわかりやすいと思います。例えば外務大臣とか防衛大臣に対してこちらはこういう人がいるとか、経産大臣に対してこちらはこの人ということで、その人が責任を持ってその政策を担うという形が、そして全体を代表がネクスト総理として束ねるというやり方がわかりやすいというふうに思っています。

【毎日新聞・古川記者】
 前回つくったときと、また今回変わってくる部分は出てくるか。位置づけとして。

【幹事長】
 何が。

【毎日新聞・古川記者】
 以前に「次の内閣」をつくったときと、今回の「次の内閣」をつくるときで、何か変わってくる部分、機能として変わってくる部分はあるか。

【幹事長】
 基本的にはないと思います。

○「党人事」「統一地方選公認」について

【フリーランス・宮崎記者】
 大きく二つの項目を伺いたい。一つは選挙対策だが、きょう選挙対策委員会、大串委員長のほか合計4人の役員ということで、このうち副委員長に岸真紀子参議院議員が入り、この方は自治労の組織内だが、旧立憲発足以来、選対正副委員長には必ず自治労の方が入っておられるが、この件に関して幹事長が認識されているのかが1点目。
 選挙でもう一つ。五月雨式に統一地方選挙のほうの公認もきょう出ているようだが、例えば足立区などは来年4月でなくて5月だが一緒に出ている。現職の地方議員の人で、なかなか地元の総支部が自分の公認を上申してくれないということで、どうなっているんだというようなことも、固有名詞はこの場では申し上げないが、何の立場かは別にして私のところに複数、何で自分は上申してもらえないのかわかるかというようなところも来ているが、この辺で何か混乱があるようなことを幹事長は現在認識されているか。

【幹事長】
 岸さんはすばらしい政治家ですので、大串選対委員長も人選をされたというふうに思います。それ以上のことは私は承知しておりませんが、どこかの産別に属しているかとか、そういうことは全く関係のないことだと思います。
 公認作業というのは、基本的には都道府県連でまず決めて本部に上がってくるものです。まず都道府県連でしっかりと候補者とコミュニケーションを取って円満な決定をしてもらいたいということだと思います。党本部としてはそれを、都道府県から上がってきたものをもって最終判断をするということになります。

○五輪・パラ汚職について

【フリーランス・宮崎記者】
 もう一点は五輪汚職の件だが、捜査中なのであくまでも一般論だが、幹事長は、国辱ものと。オリンピックの裏でこんなことをしていたのはとても残念だと。おっしゃるとおりかと思うが、ただ、今回この問題、現時点では一体誰が経済的被害者なのかと。自分も一納税者として、あまり税金を無駄にされたという話ではないのかなと。ここまで特捜部と、その報道を見ている限り。そこで岡田さんとしては、やはり裏でこそこそみなし公務員がやるということが望ましくないというふうに、そういったオープンでない、裏で、民間企業の社長だろうが3億円とか5000万円とか、そういったものを支出するという、そういったやり方があまり好ましくないというお考えか。

【幹事長】
 もしそういうお金が裏で動かなければ、よりよい選択というのがなされたと思うのですね。それが、お金の力でベストの選択が妨げられたと。したがって、オリンピックそのものがベストな状態ではなくなったということですから、私は、非常に問題があるというふうに申し上げているわけです。

○国葬問題について(2)

【NHK・岩田記者】
 国葬について伺いたい。冒頭でも幹事長発言があったが、国葬について政府が費用を示されたが、具体的に疑念というのはどういうところにあると、費用についての疑念はどういう部分にあると感じられているか。また、国会、閉会中審査で、党としてどういうところを追及していきたいとお考えか。

【幹事長】
 国対委員長も言われたように、急に増えるわけですね、聞くと。で、まだこれで終わりかどうかもわからないと。もっと多いのではないかという説もありますよね。そこが納得いくような説明になっていないということだと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 改めて常任幹事会のメンバーを見ると、日本の首脳級というのを経験されたメンツは外相で副総理であった岡田さんしかおられないと思う。そういう意味で、今回の国葬、もちろんいろいろ問題あるが、50人の世界の首脳級が一応来ると。このことを外相経験者であり副総理であった岡田さんはどういうふうにお考えになるか。もちろん額が跳ね上がったこともあるが、そういう問題を含め、外交的な意味で、本来、先ほどおっしゃったが、岸田さんがやはりしっかり野党第1党の党首を説得するぐらいにして、そういう考え方もあっていいと思うが、外交的には。その辺を、外交的な意味で、野党第1党の首脳級であられた岡田さんはどうご覧になるのか伺いたい。

【幹事長】
 別に国葬でなくても、今までの合同葬等々、自民党と内閣の合同葬でも来られていますよね、海外からは。だから、どれくらいの方が来られるかというのは僕は承知していないのですが、海外からいろいろな方が来られるからもう今更変えられないみたいな、そういう発想というのはよくわからないし、国葬でなければならないという理由はないというふうに思います。
 この前、ドイツの元大統領のウルフさんが来られまして、私は旧知の仲なので私のところにもお見えになって話していたのですが、ドイツは結局メルケルさんは来ないし、もちろん現在のショルツさんも来ないということで、ウルフさんがドイツを代表してお見えになるということです。もちろん、大統領経験者、立派な方で、日本に来ていただくのはありがたいことだと思いますが、そういう海外から来る方のためにも、やはり国民の多くが認める形で葬儀が行われることが必要なのだというふうに思います。
 実は、国葬ということで最高裁の長官もご挨拶をされることになると思うのですが、本当に最高裁の長官は来られるのですかね。つまり、法的に全く問題ないならともかくとして、議論が分かれる、あるいは場合によっては訴訟も起こるというようなときに、最高裁長官が出られるということは一定の方向性を出すことになってしまいますので、私はかなり最高裁も困ったことになったなというふうに思われているのではないかと思うのですね。私の想像ですが。
 そういういろいろなところに摩擦を起こすようなやり方ではなくて、皆が納得するような、そういうやり方で岸田総理にはやってもらいたいと。今のような状況で、国民の半分以上が反対というような状況で国葬を強行されることは、私は、亡くなった安倍さんにとってもお気の毒な話ではないかというふうに思います。