参院予算委員会は10月24日、集中審議を行い、立憲民主・社民から田島麻衣子議員が質疑しました。田島議員は(1)旧統一教会問題の自民党内の調査(2)マイナポイント事業――等について岸田総理らに質問しました。
田嶋議員は冒頭、岸田総理が山際経済再生担当大臣の交代を視野に検討していると報道があったことについて事実関係を聞きました。岸田総理は、「そういったことは全くありません」と否定しました。田島議員は、旧統一教会との接点が次々と明るみになる山際大臣について、「『記憶に無い』と繰り返す大臣。これは交代した方が良い。物価高騰で国民が苦しむ中、決して経済再生の仕事ができないのではないか」と交代を検討するように求めました。
旧統一教会問題について、「岸田総理が現場の声を聞いていないことを懸念している」と言う田島議員は、長年この問題に関わった全国霊感商法対策弁護士連絡会の木村壮弁護士を参考人として招致し、所感を求めました。木村参考人は、これまで見てきた事実関係や資料によって旧統一教会への解散命令は「要件を満たしている」と考えを述べました。かつて解散命令が出された明覚寺の例を挙げ「不安や悩みを抱えた相談者が相談に行った際に、霊の存在、因縁の存在を語られ、不安をあおられ、それで高額の金銭を交付させられたという事案。明覚寺については詐欺罪で立件されているが、旧統一教会で行われていたことも同一の内容だ」と説明しました。また、旧統一教会については「長期間にわたり高額の献金をさせられ続け、経済的に破綻する事例があり家族にも深刻な影響が生じる事例が多数ある」こと、明覚寺に比べて個々の被害者の損害額が「数千万円から数億円も多数存在する」ことを挙げ、「旧統一教会の方が悪質性は高い」と話しました。
さらに旧統一協会の組織性について、これまで旧統一教会の認定した「民事事件が2件あり、使用者責任ではあるが20数件の統一教会の責任を認めた判決がある。旧統一教会が一定の金銭を払って和解した事案を含めれば、全国で100件を超える裁判が行われてきた」と述べました。木村参考人は組織的に行われたことは「容易に推認できる」とし、「総理の言った組織性、継続性、悪質性の観点から、明覚寺すら解散を認めたのだから旧統一教会も認められるべきと考える」と述べました。木村参考人の話を受け、田島議員は、「すでに解散の要件を満たしていると言っているがいかがか」と岸田総理に問いました。岸田総理は、「解散事由に該当すると明確にはまだ言えないという意見もあるのも事実。だからこそ政府として、法律にしたがって、その報告徴収、質問権の行使を行いたいと申し上げている。これを進めることによって、より具体的な証拠や資料、事実関係を積み上げることによって次の段階に法律の手続きに従って進めていきたい」と答えました。
田島議員は、旧統一教会の関連団体の特定商取引法違反の検挙が2010年で止まっていることはなぜなのかを警察庁に質問。谷国家公安委員長は「2010年以降はそういう事例を把握していない」と答弁しました。田島議員は、「関連団体をしっかり調査すると言ったが、現実は全く止まっている」と指摘。「しっかり対応しないと本当に重大なことになると危惧している」と岸田総理へ対応を求めました。
また、マイナポイント事業を委託された一般社団法人キャッシュレス推進協議会に交付している補助金の内訳が賃貸料が約1億円、人件費が約2.3億円となっていることについて、実際に事業所の場所に行ったという田島議員は「外見上からはシェアオフィスに見え、1年2カ月で1億円必要な場所に思えない。報道では3人の常勤職員がいると言っていて、とても2.3億円の税金が使えるとは思わない」等と指摘しました。