泉健太代表記者会見

2022年11月11日(金)10時30分~11時13分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/yLH0iAp5MR8


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○法相職務をめぐる葉梨大臣発言の問題について

【代表】
 おはようございます。
 まずは、問題発言をした葉梨法務大臣です。岸田総理はきょう14時半ぐらいにぶら下がりをして(外遊に)出発されると、そう聞いていますが、もう決断をするタイミングが近づいているのではないかと思います。続投はあり得ないです。そして、辞任は不可避だと思います。
 これは、死刑執行という大変重たい、もちろん死刑の判決を受けた人物ではあるとはいえ人の命を権力が奪うという決断が伴う法務大臣の職務を行うという意味において、私は、この大臣が死刑執行の判断を行うのかというふうに国民が見てしまう、これはもう法務行政が滞るということにほかならないと思います。事実上もう法務行政を執行できない状態にあるのではないかと考えますと、もう辞任は不可避であると。発言を幾ら撤回しても法務行政が滞るということにおいての状況を打開することはできないのではないかと考えます。改めてですが、続投はあり得ない。辞任は不可避だと思います。
 何かきょう、私も情報として入ってきている話ですが、午前の委員会質疑の中で、自民党の議員がとんでもないおかしな発言をしたと聞きました。それは、葉梨大臣が法務大臣は金にもならないし票にもならないと言ったことに関連して、法務省・法務大臣は経済官庁でもあるからお金をもうけないわけではないみたいな、そんな全く意味不明な。いや、本当にそういうことだとすると、自民党というのは、大臣や副大臣や政務官になることというのは、何かこうポストを得て華やかなパーティーをしたり資金集めをできる立場だと考えているのか。どうも党全体がそういう意識であるのかが私は垣間見えるなと感じました。とんでもないと思います。
 葉梨大臣の発言というのは、いろいろなところが取り上げられていますが、テレビに出る出ないを自らの喜びの基準にしていたり、お金が入る入らないを基準にしていたり、そして、票になるかならないかを観点としていたりというところの発言。これが問題であるというふうに思いますので、改めて、辞任は不可避であると。こういうふうに思います。

○旧統一教会問題について

【代表】
 さて、文部科学大臣が質問権の行使を表明するということになりました。質問を行い、そして旧統一教会がそれに答えるということになるわけでありますが、年内の解散命令の請求というところにしっかりたどり着くのかどうかということが問われている。要は、質問をする、その中身等々についても、これまで寄せられている被害ということをしっかり認識・把握して文部科学省がこの質問権を行使するということが問われると思います。しっかりやっていただかなければいけないと思います。
 そして、被害者救済法の与野党協議です。岸田総理が被害者と会っていただいて、新法が必要だという考え方に至った。そして、今国会を視野に提出すべく最大限の努力と言った。この発言そのものは、私は、どこかでまだ奥歯に物が挟まっていて、ちゃんとした意思表示をしていないのではないかと思っています。提出をすればいいというものではないということですね。努力をすればよいというものではないということですね。与野党の前提というのは、今国会で被害者救済法にしっかり答えを出すということであって、法案の成立をさせるということが大事であろうと思います。
 その後の幹事長同士のやりとりの中で岡田立憲民主党幹事長から繰り返しこの法案の成立ということについて当然求めたわけですが、岸田総理の「法案の提出」というところからは半歩前進して「成立を期す」というところまでは茂木幹事長の言葉からは読み取れたのかなと思っておりますが、これもまだ「期す」という表現がついていますので、まだまだ予断を許さないと思っております。
 改めて、この法案の概要を示すということでありますが、その概要の提出というか、概要を我々に見せる段階に当たっても、十分にこれまでの与野党協議の、特に立憲民主党・維新の会の法案を踏まえて与党からの概要というものを出していただきたい。一から全く相入れないようなものを出してくれば、それそのものが遅延行為だと思われても仕方がないと思います。ちゃんとここまで与野党協議をしてきたのであれば、それを踏まえた概要なるものを出してくるということが誠実に今国会での成立を目指す者の姿勢であると思いますので、この点、しっかりとやってもらいたいと思います。
 あと、引き続き自民党の政務三役だとか委員会の委員長だとかに旧統一教会との関係がまだぽろぽろぽろぽろ出てきているという状況です。これは、やはりこの自主点検、自己点検なるものの自民党のいい加減さがもたらしている今の状態ですし、自治体議員についても全く調査もしていませんので、本当に自民党内部のこの(旧)統一教会に対する向き合い方が非常に甘い。ばれたものを出せばよいという形になっている。この点も自民党には見直しを求めていきたいと思います。

○閣僚の相次ぐ不祥事について

【代表】
 岸田改造内閣はもうもはや統一教会内閣と言われていますし、見つかれば、発覚すれば説明をする、そういう今の内閣の姿になっていると思います。
 これは統一教会のことだけではなくて、寺田大臣もまさに山際大臣と同じ状態になっていると思います。問われて指摘されれば謝る、お詫びをする。指摘、お詫びの繰り返しでして、発覚すると謝るということを繰り返しているのが、当の、全国の政治団体の政治資金をつかさどる、所管する総務大臣の姿だとしたら、これはもう全くもって範にもならないし、そして、その最高責任者であるということの任にも値しないと思います。
 当然、立憲民主党は、全ての大臣がけしからん、全ての大臣に辞任しろと言っているわけではないのです。何でもかんでもとらまえて辞任しろと言っているわけでもないのです。おかしいことはおかしいと言わなければいけないわけで、そういう意味で寺田大臣そして葉梨大臣はその辞任をするレベルにもう達してしまっているということであるわけでして、これは他党からも辞任を求める声が出てきているというのはまさにそういうことであると思います。立憲民主党だけの辞任要求ではないということを強く受け止めていただかなければいけないと思います。

○「補正予算審議」「新型コロナ対策」について

【代表】
 補正予算については、これから予算委員会で議論が始まります。この政府の予算水増し。そして、先送り。政府の予算、この水増しということで言うと先食いですよね。先食い。本来来年度予算でやるべきことを無理矢理補正の中に持ってきて膨らませているのではないかということも言えると思います。つかみ金のようなこの予備費も、今もなお今回用意してしまったということについても、我々は、組替え動議の提出ということもそうですし、この予算委員会で徹底的に議論していきたいと思っております。
 また、(新型)コロナの感染がまた随分と、第8波ではないかと言われる状況に近づいてきておりますので、政府には医療体制が万全を期せるようにということを求めていきたい。我が党は先週4日に小川淳也コロナ対策本部長が加藤厚労大臣に申入れも行っております。今、症状が出た方が改めてどうすればよいのかというのが随分とわかりにくくなっていたり、自治体ごとに変わっていたりしますので、政府にはわかりやすい広報、これも求めていきたいと思います。

○「子ども・若者応援」の取組について

【代表】
 今週水曜日、立憲民主党として、「子ども・若者応援」政党ですので、若い世代との直接の意見交換「リアル立憲ボイス」(リアル版!立憲ボイス 現役学生の将来への希望と不安)というのを行いましたが、非常に若い世代の皆さんからも、こういう貴重な場があってよかったという声をいただきましたので、こういったこともぜひ続けていきたいと思います。
 その「子ども・若者応援」政党であるということで言いますと、10日、きのうですね、兵庫の明石の泉房穂市長が、あの市長自身の発言の責任を取って出馬しないということはもう明言しているわけですが、次の明石市の市長ですとか市議会ということについては政治団体を立ち上げて多くの政治家を輩出したいということを表明されました。
 泉市長とやりとりをさせていただきますと、市長辞任表明以降、市役所にかかってくる電話の90%以上が、この市政、要は子どもを大事にする市政を続けてほしい、変えないでほしい、そういう声が寄せられているというふうに泉市長は言っていました。
 そういった意味では、立憲民主党自身も「子ども・若者応援」政党として、明石市というのは全国に誇るべき子育て支援政策を行ってきた自治体であり、全国から視察が訪れる自治体でもあったわけですので、こうした泉房穂市長が政治団体として、この政策に理解をする政治家・議員を増やしていきたい、首長を増やしていきたいということであれば、これは連携をしていきたいと考えております。その旨は先方にも伝えているところであります。
 まず私からは以上でありますが、改めて、岸田総理ですね。外遊出発前に葉梨大臣、法務行政というのは当然空白が許されない大臣のポストでありますので、決断をしていただかなければいけない。このことを改めてお伝えしたいと思います。


■質疑

○葉梨法相発言問題について(1)

【時事通信・木田記者】
 冒頭発言に関連して2点伺いたい。葉梨大臣の件だが、昨日も総理は続投させる考えを表明し、葉梨さん自身も続投する意向を示している。このまま葉梨氏が閣僚の職にとどまる場合、法務省だと国会に民法など所管法案も出ているが、国会審議にどのような影響が出る可能性があるか。立憲民主党としてどのように国会対応に臨むかお聞きしたい。

【代表】
 既に影響が出ていますね、国会日程に。きのう衆議院の本会議で民法についても扱う予定であったものが、それが流れたということもありますし、委員会質疑にも影響を与えていると思います。
 これは岸田総理の認識が極めて甘いのではないかと思います。先ほどお話ししましたように、死刑執行という判断も伴う法務行政のトップの法務大臣があのような発言をすれば、これは本当に法務行政が滞ることになりかねないということが、今、次々と各方面から起こっているわけですね。総理はきのうの段階でそこにまで頭が至っていなかったのではないかと、大変心配をしています。あり得ない発言をしたということについての、総理自身の自覚・認識が乏しいまま発言をされているのではないかと思います。
 現に国会にも影響が出ていますし、これまで法務行政を見てきた例えば歴代の法務大臣からしても、おそらく、この発言はさすがにあり得ないと。だから自民党の内部からも数多く強い疑問あるいは戒めの声が上がっているのだと思います。
 例えば上川陽子元法務大臣なども、この死刑の執行ということについては慎重に慎重な検討を重ねて、本当に悩みに悩んで、過去の判決文等々もよく読んで、本当に真剣に悩みながら死刑執行と向き合うということを言っていた大臣もあります。
 そういった法務大臣に求められる資質からしても、著しくそれを欠いているということを、総理は全くきのうの段階では認識を持てていなかったのではないかと思います。ですから、その認識をもう一度しっかり総理自身自覚していただいて判断をしていただかなければいけない。そうでなければ、本当に法務行政、それは国会運営においても、影響は著しいと思います。

【時事通信・木田記者】
 もう一点だが、先ほども言及があった葉梨大臣、寺田大臣、どちらも岸田派の所属の議員だ。身内に甘いといったような指摘も出ているが、岸田派の閣僚の不祥事が続いていることについて受け止めをお願いしたい。

【代表】
 身内に甘いのでしょうね、本当に。そもそも身内だから入閣させたというのもあるし、身内から期待のできる人物を選んで入閣させたのだと思うのです。それがこの惨状ですから、辞めさせたくないという感情が先に出てしまっているのだと思いますが、もう世間的にはだめですよね。資質的にはだめですよね。

【NHK・高橋記者】
 葉梨大臣の関連で、先ほどの委員会で、撤回はされたが、同様の趣旨の発言をほかの政治家のパーティーでも複数回されていたり地元でもされていたということで、それには自民党の政治家も参加していたということだが、それに対する受け止めはいかがか。

【代表】
 そのパーティーで大臣が話し始めれば、主催者はもとより誰も止められないわけですよね。ということは、大臣はまさに自分の思いを好きなようにしゃべるわけです。ということは、葉梨大臣は同じ発言を過去も繰り返していたということは、まさにそれが本音であるということですね。大臣としての喜びは、テレビに出ること、票が集まること、お金をもうけられること。そういう大臣であったということが過去の発言からも明らかになった。たった一回の口の滑ったものではないということでしょうね。
 だからこそ、大臣の任には到底値しない。人の命を預かる法務大臣として全く適格性に欠いているということですね。辞任は不可避です。

【NHK・高橋記者】
 ほかの自民党の政治家もその話を聞いていたというふうに考えられると思うが、見過ごされてきたとも言えることについてはいかがか。

【代表】
 どこまでそのパーティーなるもの、過去の発言の機会が表に開かれていたものなのか。また、どれだけの議員が出席していたのか。私はわかりませんので、そこはわかりませんけれども。
 ただ、きょう先ほど冒頭紹介したような委員会質疑の中でも、法務大臣はもうけられない大臣というわけではないみたいな、全く感覚を疑う発言が自民党の議員から質疑の中で出たということであれば、やはり党全体を覆っている体質として、偉くなれば票もお金も集まってくるという、そういう文化があるのではないかと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(1)

【フリーランス・宮崎記者】
 総理の外遊だが、きょう午後発って延べ9日間、かなり長く外す。この間、茂木派の国会議員、先ほど話が出ている元法務副大臣の津島淳議員が先ほど葉梨大臣に異例の厳しい質問をして、経済官庁なんていう話もあったのかもしれないが、この人は茂木派だ。4党協議の実務者の若宮幹事長代理と宮崎政久実務者・弁護士、この2人も茂木派だ。そうすると、茂木派の国会議員がどうも岸田派の大臣を、あるいは総理の年内の発言などに関して、ちょっと何か攻撃し出しているような感じが私はする。何となくそういう気がする。そこで総理が外遊8日間、大丈夫なのかなと。日本の政治を見てきて、そういう趣旨のことはあまり思ったことはなかったが、来週1週間、茂木幹事長や萩生田政調会長からの野党との交渉には応じられるか。

【代表】
 ごめんなさい。萩生田政調会長からのというのは、何についての。

【フリーランス・宮崎記者】
 茂木幹事長とか与党からの、総理が日本にいない状態で、与党の幹部が、自民党の幹部が、若干ちょっと違ったことを野党を通じて言うこともあるのではないかと思うが、いかがか。

【代表】
 今、茂木幹事長については国対委員長会談を止めるほどの指示も出したというふうにも聞いていましたので、茂木幹事長兼国対委員長と言われたり、今お話のあった与野党協議には茂木派の皆さんが前面に立っているということで言えば兼政調会長というふうにも言えるところもありますし、総理がいない間は兼総理大臣というぐらいに茂木幹事長の力が強まっているのかなと思います。
 この被害者救済法の与野党協議においても、私は茂木幹事長が何かしらのリーダーシップを発揮しようとしているのかなというふうには思うわけで、それはしかし、国民のためによいリーダーシップであることを望みます。党内の権力闘争ではなくてですね。総理の権限や岸田派を侵食するというリーダーシップではなくて、国民のためになるリーダーシップ。これを期待したいと思うときに、やはりこれまで4党の実務者で行ってきた与野党協議の中で、茂木幹事長が各党の幹事長を呼んで会談をした、その中で14日の概要を提出するという話にまで持っていっているとすれば、まさにこの与野党協議を被害者救済に資するものにするための、今、茂木幹事長は大きなリーダーシップが問われていると思いますので、そこは国民のために、被害者のために、当事者のために、ちゃんとやっていただきたい。総理がいなくても前に進めていただきたいというのがまず一つです。
 もう一つは、自民党の中の権力争いなんでしょうねというふうに思います。
 ただ、岸田派の閣僚が極めて資質に欠いてしまっているというのは事実ですから、茂木幹事長がやきもきするのも当然のことだと思いますし、ご自身は非常に有能な方だというふうに周りもよく言っておられますので、ご自身とすれば、自分自身であればもっとうまくできると。そういう思いもあって、今、動いているのではないかなと思います。

○衆院小選挙区「10増10減」について

【フリーランス・宮崎記者】
 冒頭発言でなかったが、衆議院の区割りに関して伺いたい。もちろん「10増10減」はこれから参議院で審議もあるが、衆議院の委員会の附帯決議に、国会議員を選出する選挙制度は重要な課題のため不断に見直していくべきものであり、人口減少や地域間格差が拡大している現状を踏まえつつ、立法府のあり方を含め、議員定数や地域の実情を反映した選挙区割りのあり方等に関し、国会において抜本的な検討を行う。次回令和7年国勢調査の結果が判明する時点をめどに具体的な結論を得るよう速やかに与野党間で協議の場を設置する、というふうな附帯決議が入った。過去25年間の中でおそらくこれは初めてだと思う。参議院の審議が終わってからでしょうけれども、この協議会の設置について、参議院のほうは参議院改革協議会の立ち上がりが決まったが、参議院の審議が終わり次第、場合によっては年内に協議会の設置といったものはあるか。

【代表】
 ありがとうございます。
 「10増10減」そのものはもう決まっていることですから、立法府がしっかり手続を進めていくのは当然のことだと考えています。
 一方で、今お話のあった与野党の協議の場を速やかに設置する。これはもう我々自身も賛同しております。必要性のあることだと思っていますので。具体的な設置の時期は議運の中で議論されていくと思いますので、私はちょっと今、承知をしておりませんが、この協議の場の設置ということは必要だと考えています。
 参議院も同じように一票の格差の問題を抱えています。そして、やはり自民党政権がこの30年ほどほとんどを占めていた中で、一極集中を変えられていない。地方の分権や分散化が進んでいないということも、この地方の議席が減る大きな要因ですので、こういったところを政府全体として、また、政党を超えて、この一極集中を変えていくということにはもっと取り組まなければいけないと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(2)

【読売新聞・大嶽記者】
 被害者救済の協議について伺いたい。自民・公明・立憲・維新の4党協議をこれまで継続してきたと思うが、それと同時に自民・公明・国民民主の3党協議も始まった。これまで4党協議のほうを主導してきた立憲の立場として、この3党協議が4党協議にもたらす影響をどのように捉えているか。

【代表】
 ないものだと思います。もちろん自民党・公明党がさまざまな政党なり関連する方々から話を聞かれるというのは、これはもう何の妨げるものでもないと思っておりますが、そもそも4党協議というものが始まって、回数を重ねてきて、具体的論点が出て、今、その最後の詰めの段階に入っているのかなと思いますので、あくまで我々はこの4党協議にしっかり向き合って答えを出していきたいと思います。

○国会議員不在県における取組について

【読売新聞・大嶽記者】
 別件でお願いしたい。ちょっと話は変わるが、立憲民主党の国会議員不在県について伺いたい。今、立憲民主党の国会議員が不在の県は10県あると承知しているが、こうした県でのてこ入れについて、代表として、党として、どのように取り組んでいくか。今後の対応を伺いたい。

【代表】
 既に取組をしているというところでして、岡田幹事長にも各県を回ってもらっています。
 不在県というのは、選出議員が仮にいなくても県連に所属する議員がもしいればそこは不在県ではないということになるわけですが、それでもなお県連所属の国会議員がいないところが10県あって、それにおいては、県連所属ということではないのですが、それぞれ近隣の県の方を中心に、その県連の担当国会議員という形で配置を終わったところです。これから国会議員も含めて県連の会合などでの議論を深めていただいて、中央と地方の意思疎通をよくして、次の統一地方選挙での議席増、基盤の強化に努めていきたいと思います。

○葉梨法相発言問題について(2)

【朝日新聞・鬼原記者】
 葉梨大臣の件で一点伺いたい。岸田総理の任命責任というか、責任について。この間の岸田総理を見ていても、山際さんだったり寺田さんだったり、これまでの考え方からすると、もう更迭のタイミングにとっくに来ているなと思うところで辞めさせられなかった。山際さんについては、午前中の予算委員会では辞任を否定して、その日のうちに一転、事実上の更迭をするということがあった。葉梨さんについても、きのう朝のタイミングで厳重注意でとどまっている。この岸田さんの判断も含めて、総理の責任というところについての代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 任命責任とよく言われますが、任命した時点では、まさかこんな問題発言をするとは、それは思っていなかったと思いますよ。この法務大臣の発言というのは本当に最悪レベルの発言だと思います。法務大臣として不適格である発言だと思いますが、まず、情報収集力というか、各分野で起こっていることを官邸がどれだけ情報収集をして、それをどう認識するかという、認識力。そして、最後は決断力。ここが今、岸田官邸は相当弱っているのではないかと、大変不安を覚えます。
 最後はもちろん総理の決断力なのですが、あの発言を許容して厳重注意で済ませるとか、引き続き任に当たってもらいたいだとかは、おそらく法務行政をつかさどってきた方々からすればあり得ないと。今、法務省内からも、これではやはり法務行政はできないという声が上がってきていますから、そういう声が官邸に届いていないし、総理がまた官邸に届く前に発言してしまうし、そして、結局それをひっくり返さなければいけないように今なってしまっている中で、決断ができない。本当に後手後手とよく言われていますが、その後手後手の対応が今回もまた出てきてしまっていると思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 今おっしゃった情報収集力とか、先ほども代表は触れられたが、これだけ与党の中から擁護する発言が出てこないというのも珍しいような気がする。これの意味するところというのは、岸田政権のどういった現在地を表しているか。

【代表】
 ただ、私は、自民党の中にも、何でもかんでも政局だけで発言する方々がいるわけではなくて、おかしいことはおかしいと、これはアウトだというときにはこれはアウトだと発言する議員がいると認識していて、それが今回の葉梨大臣の発言に対してはやはり自民党内からも真っ当な声が上がっている、良識のある声が上がっているのだと思います。包み隠さず。
 もちろんそれを押さえ込む政治力というのはもしかしたら政治家に必要なのかもしれませんが、今回の葉梨大臣の発言においては、これはやはり辞めて当然の発言なので、これは誰も守りようがないと思います。
 だからこそ、岸田総理が早めに適切な決断をしていれば、それ以上火が広がることはないということは言えるわけで、自民党内におけるマネージメントとしても、総理の振る舞いや決断力が余計に岸田総理の基盤を弱体化させることに今なりつつあるのではないかと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(3)

【朝日新聞・鬼原記者】
 旧統一教会の被害者救済法案について一点だけ伺いたい。先ほど質問でも出ていたが、国民民主党と自民党・公明党の実務者協議がスタートした。国民民主党も既に案を出していて、悪質な寄附行為の禁止と、第三者による損害賠償請求ができるようにする、民法の特例の創設だと思うが、これが大きな柱だと。この案については代表はどのように受け止めているか。

【代表】
 国民民主党の案というのは、実は自民党の周辺から以前から出てきているものでもあるので、特段新しいものではないと認識しているし、役所の中でも、これまで検討してくる過程の中で、そういうことが取り沙汰されてきているものではないかと思っています。そういった意味では既に自民党の中の一部にはある考えであるのかなと思っていますので、そういうことも踏まえて4党協議を行ってきている。そして4党協議がここまで進んできているわけですから、やはりその進捗が、後戻り、引き返しにならないようにというところは我々強く訴えたいと思っています。

【朝日新聞・鬼原記者】
 国民民主党の案では不十分、後戻りになってしまうというご認識か。

【代表】
 今、我々例えば、国民民主党の案に限らずですが、マインドコントロールという言葉。これそのものが定義が難しいと言われる中でも、しかし、歩み寄りの中で、マインドコントロールという言葉を使わねばならないとは思っていない。例えばそういうところはあります。いろいろな考え方で表現する方法はあるのではないかと思っていますので、我々の側も与党側とのやりとりの中で折り合えるものは折り合っていきたいと思っておりますが、それはあくまで4党協議の場でこれまで行われてきたという歩みがありますから、その中でしっかり一つ一つ答えを出していくということなのかなと思います。

○泉房穂氏の地域政党設立表明について

【朝日新聞・鬼原記者】
 最後に一個だけ。冒頭触れられた明石市の泉房穂市長の地域政党との関係だが、連携をということでおっしゃり、それを先方に伝えられたということだが、きのうたしか記者会見をされた。先方に伝えたのがどういう方法で、どなたに、どのタイミングだったのか。もう少し詳しく教えていただきたい。

【代表】
 どなたにって、そんなほかに誰かいるわけではありませんから、当然本人と話をしています。

【朝日新聞・鬼原記者】
 電話でされたと。

【代表】
 はい。

【朝日新聞・鬼原記者】
 それは連携で合意をしたという認識でいいか。

【代表】
 いや、何か例えば形になるものとか、何かを合意とか合意ではないとかという話ではなく、会話をしてきている中で連携をしていきたいと考えているということです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 先方は受け入れられる趣旨のことはおっしゃっているか。

【代表】
 具体的な形というのは、もちろん今、何か明示的にあるわけではありませんが、意思疎通・意見交換を重ねていって、まずはとにかく明石市の市民の皆さんが非常に高く評価をしていた子育て政策をいかに継続させるのか。これがまず第一です。
 そして、ここは泉市長とも思いは一致すると思いますが、それをよく言う横展開。要は他の自治体にも広げていくために共に何ができるのかというところでは協力し合えると思いますし、連携できると思っていますので、そういうことについては基本的にはお互い意見は一致したのかなと思います。

○葉梨法相発言問題について(3)

【日本経済新聞・大橋記者】
 葉梨法相の関連で伺いたい。山際大臣が事実上更迭された際は、臨時国会の予算委員会が1周回って終わったところだったと思うが、その際には野党側からは予算委員会の時間の浪費だったという批判も出た。来週外遊で総理はいなくなるわけだが、再来週からは補正予算、経済対策の議論が予算委員会で開かれる見通しだが、その点も踏まえて、総理が外遊に発つ前に葉梨さんの処遇を考える、決断することの意味について教えていただきたい。

【代表】
 今のご質問の文脈でいけば、まさにそのとおりで、本当に山際大臣に対する度重なる質疑というのは何だったのかというか、答えがそもそも見えていたにもかかわらず無理やりもたせて逃げ切ろうと思ったけれども、失敗して辞任に至ったということですよね。本来その真っ当な答えを出すために時間を要する必要はなかったはずで、今回の葉梨大臣でもそれは同じだと思います。
 本当に法務行政が滞ると思いますよ。それを考えれば、岸田総理は今、外遊前に、出国前に決断すべきだと思いますし、これ以上また質問時間の浪費になるようなことは絶対避けていただきたいし、それは自民党の中に、歴代の法務大臣も含めて、もっとまともな人がいるでしょうと。これは間違いないと思いますよ。そういうことをしっかり受け止めて、総理として決断をしていただきたいですね。

【日本経済新聞・大橋記者】
 岸田総理はきのうも、夜、官邸で記者団に対して、説明をきちんとしてもらいたいと。これまでの追及を受けた大臣に対する考えと同じようなことを述べていると思うが、今回の発言というのは国民・有権者や野党が説明を求めている類いのものではないと思うが、そこについて、総理の認識についての考えを伺いたい。

【代表】
 決まり文句ですよね、総理が言っているのは。自身の政治資金のことであれば自身が説明をするとかというのはあるかもしれませんが、今回の発言はもうその言葉そのものが説明になってしまっているので、葉梨大臣はそういう大臣であるということがもう既に確定してしまっている話ですから、それ以上の説明というのは後づけの言い訳にしかならないということですよね。だからこそ岸田総理は答えを出さなければいけないということだと思います。

○岸田政権の評価について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 不祥事続きに加えて、一発レッドカードの法務大臣の首を切れない。かかる状況というのは想像を絶するが、仮に辞めさせたとしても、月曜日に出てくるべき要項は法務大臣が代わっていればまず出てきはしないだろうし、さすがにこれはもう野党第1党としては内閣不信任というか、やはりこの政権に対する評価の段階に来ているのではないかと思うが、どうご覧になるか。よくよく考えると、安倍さんの時代は長かったが、菅さんも1年ちょっとだし、岸田さんも1年過ぎているわけで、今後、1年で代わるような、また政治不安の時代が来るような、嫌な予感もするが、野党第1党としては岸田政権にどうあってほしいと思っておられるか。嫌な政治不安の時代になるように思うが、そこをどうお考えか。

【代表】
 ありがとうございます。
 政権に対する評価というのは我々常に党内では行っておりますので、特に岸田派の大臣が続けざまにこうした不祥事を起こす、もう大臣の任にふさわしくない、そういった大臣になってしまっているということは、当然立憲民主党の中で、今、評価をさせてもらっています。それをどう表現するかということ。
 私、前回の記者会見のときには、この被害者救済法の与野党協議においては、これは非常に重たい与野党協議でありますので、これについては、もしこの協議がまとまらないということであれば、これはもう内閣不信任に値するという言い方をしたわけですが、何かそれももちろん変わっているものではありませんし、そういう評価というのは党内で常々行わせていただいています。
 岸田総理、おそらくというか、就任する前までは当然元気だったわけで、本来なすべき「新しい資本主義」をご自身がちゃんと進める力があれば、それは多くの国民も期待したのだと思うのです。しかし、言ったこととやっていることがこれだけ違うと、何の指導力もないということになると、評価は下がって当然だということになろうかと思いますので、それはここまで至ってしまっていることは岸田総理の責任だと思いますし、このまま続けて政治の安定がもう望めないということであれば、当然政治を大きく変えていく。そのために立憲民主党も全力を尽くしていきたいと思います。