岡田克也幹事長記者会見

2022年11月15日(火)15時40分~16時08分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/nVX09wEtZqU


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第62回常任幹事会を開催

【幹事長】
 まず常任幹事会のご報告ですが、資料は既に行っていることだと思います。それに加えることは特にございません。

○首相外遊 各国との首脳会談について

【幹事長】
 私からは、総理も海外に出られて、一連の会談が行われております。
 日韓首脳会談が行われたことは、久しぶり、3年ぶりですか、非常に有意義なことだと思っております。私は従来から、少なくとも安全保障の問題について日韓でトップ同士が率直に話し合うことは、仮にほかの問題があったとしてもやるべきだということを申し上げてまいりました。今回首脳会談が行われたことは非常によかったと思っております。
 詳細は必ずしもはっきりしておりませんが、「元徴用工」(元朝鮮半島出身労働者)の問題について、「外交当局間の協議が加速している現状を踏まえ、懸案の早期解決を図る方針で一致した」というふうに発表されております。具体的内容は定かではありません。
 従来この問題については日韓基本協定(日韓請求権協定)に基づいて解決済みであるというふうに日本政府は言ってまいりました。他方で協議しているということも言ってきたわけですが、首脳間で外交当局間で協議が加速している現状を踏まえて懸案の早期解決を図る方針で一致したというふうに、一歩踏み込んだようにも聞こえるわけであります。具体的にこれはどういうことなのかということは総理がお帰りになったところでよく聞いてみる必要があると思っております。
 それから、総理ではありませんが、米中の首脳会談が行われました。かなり長時間やったということですが、具体的なことはあまりよくわかりませんが、トップ同士が直接会って話をするということは非常に重要なことなので、そこは歓迎したいと思います。
 あわせて日中もということになっておりますが、そこでもぜひ胸襟を開いて両国のトップがしっかりと話をしてもらいたいと思います。
 習近平主席の3期目に入って、従来と基本的な方針に変化が見られるのかどうかというのが注目点だと思っております。発表されることは非常に限られたことだと思いますが、その辺の空気みたいなものを、ぜひ総理がお帰りになったところで国会質疑などを通じて説明していただきたいと考えているところであります。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について

【幹事長】
 あと、先般もお話ししました、旧統一教会の関係での被害者救済の新法の話であります。
 きょう16時から4党(協議)が行われるというふうに聞いております。おそらく今週の後半で、この前の茂木会長の発言によれば、6党の幹事長が集まって、政府の概要ですか、要綱まで至らないです、これの説明があるというふうに考えております。
 非常に遅いというふうには思いますが、いずれにしても、そこで本当に実効性のある、そういったものが出てくるかどうか。中身のないものが出てくるということになると、総理がこの国会でということで前向きな発言をされたことが結局空振りになってしまいますので、期待をしつつ待ちたいと思っております。中身のないものが出てくれば、私たちの主張をもう一度しっかり繰り返し、どこが問題かということを指摘して、意味のあるものにしていきたいと考えています。


■質疑

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(1)

【フリーランス・宮崎記者】
 茂木幹事長に関して伺いたい。今週総理がいない中で茂木幹事長が被害者救済法案の責任者ということは言わずもがなだが、茂木幹事長に関しては岸田総理の次という声も一部ある。茂木派の会長でもあり、4党協議の若宮幹事長代理や宮崎政久議員は茂木派の人だ。きょう午後4時の後に午後6時から自・公・国の3党協議の第1回があるかと思うが、こちらは宮崎議員のほかに山下貴司元法務大臣、この方も石破派から抜擢されたので隠れ茂木派ではないかと。齋藤健新法務大臣もそうではないかというふうに言われている。茂木幹事長が、岸田さんの後を狙おうとして、少し野党各党を使って撹乱しつつ、公明党にも何らかの恩を売りつつ、自分の実績をつくろうとしているのではないかという観測がある。先週金曜日、代表もある程度そういう方向性というのは持っていらっしゃるような感じだったが、いかがお考えか。

【幹事長】
 観測に基づくことについて私がコメントすることはないと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 先週の茂木幹事長との会談のときに、藤田幹事長と岡田・藤田の連名でペーパーをつくられたかと思うが、そこの若干の経緯と、反応に関する感想を教えていただきたい。

【幹事長】
 基本的に4党でこれは、つまり自民・公明・維新・立憲で政調会長クラスでやってきたことです。したがって、その枠組みは変えないというのが私たちの強い主張であるということです。そこは現時点では維持されていると。きょうもやりますし、それから、6党の幹事長に政府案を説明した後、また4党でやるということですので、それは維持されているというふうに考えております。

【フリーランス・宮崎記者】
 3党の件に関しては何かお考えはあるか。

【幹事長】
 それは他党のことをとやかく言う必要はないと思います。

○「文通費改革」「臨時国会での維新との共闘」について

【共同通信・恩田記者】
 きょう午後、国会改革の議運小委員会が開かれた。かなり久しぶりの開催だということだが、これに対しての幹事長の受け止めをまずお願いしたい。

【幹事長】
 国会改革。

【共同通信・恩田記者】
 国会改革の議運の小委員会です。

【幹事長】
 ちょっと私は承知しておりません。

【共同通信・恩田記者】
 この会では維新から文通費についてまた議論すべきだという提起があり、立民も同調したということだが、この文通費については合意項目だが、これについて今後の進め方は幹事長のお考えはいかがか。

【幹事長】
 それは国対委員長間で議論されるべきことだと思います。
 我々も法案を出しています。基本的考え方は維新と我が党で同じであります。したがって、具体的にどういうふうに協力していくかということはこれから協議されることだと思いますが、協力してその実現に向けて全力を挙げるということだと思います。

【共同通信・恩田記者】
 これでかなり合意項目が達成されることに、法案が提出されれば合意項目が達成されることになるかと思うが、これまでの共闘を振り返っていかがか。

【幹事長】
 法案を出すことは大きな前進ですが、しかし、それが成立しなければやはりだめだと思います。(臨時)国会召集に関する20日以内と、これも法案は出したものの、それが成立する見通しはついておりません。そのためには我々は従来の2倍、3倍の努力をしなければいけないと思っています。

○消費税について

【朝日新聞・高木記者】
 この前の土曜日に枝野前代表が、さいたま市内の講演で、消費税率の引下げを訴えたことについて、政治的に間違っていたと反省していると述べた。次期衆院選の選挙公約で見直すべきだと思っているとの見解を示されているが、これは党の方針として見直す方向で調整していくかどうかということを教えていただきたい。

【幹事長】
 次期衆議院選挙についての政策を、今、党の中で議論しておりませんので、現時点で申し上げることはできないと思います。
 ただ、我々参議院選挙でも時限的ですが消費税の引下げを公約として掲げましたので、それは非常に重いものだというふうには受け止めております。

○統一地方選に向けた取組について

【NHK・岩田記者】
 統一地方選挙のことで伺いたい。国会議員の不在県において、今、地方回りでも幹事長は選挙に向けた取組を強化しているところだと思うが、国政の共有や情報共有、意見交換など、これから具体的にどのような取組に力を入れていきたいとお考えか。

【幹事長】
 今、国会議員不在県、それから比較的国会議員の少ないところを中心に回っております。常任(地方)幹事会のメンバーの皆さん、執行部の皆さんですね、それ(地元県連)から連合などの幹部の皆さんと、意見交換を行っております。
 基本的に我が党がどういう考え方で統一地方選挙あるいは将来の国政選挙を戦おうとしているかということを中心に意見交換をさせていただいているということです。考え方にそごがないように、私の考え方、党の考え方をしっかりと伝えているというのが現状です。

○北九州市長選について

【西日本新聞・井崎記者】
 本日常幹で決められた北九州市長選の推薦のことで伺いたい。来年2月の北九州市長選で津森洋介氏の推薦を決められた。北九州市は、岡田さんの側近であった元民主党国会議員の北橋さんが長く、16年にわたり市長を務められてきたが、この間の北橋市政の評価と、さらに北橋さんの後継指名を受けた津森さんの評価というか、期待でも何でもいいが、コメントをお願いしたい。

【幹事長】
 推薦した候補者の評価を、幹事長がそれ以上のことを言うことはできないと思います。
 北橋さん、16年間非常に頑張られたと思います。私も最近はあまりお会いしていないのでわかりませんが、また終わったところでいろいろ話をしたいなと思っています。立ち位置は少しこう変わっていきましたが、しかし、我が党に対してはずっと好意を持って対応してもらったというふうに思っています。

○首相外遊 各国との首脳会談について

【北海道新聞・木村記者】
 今回の首相の外遊について改めてお聞きしたい。これまで日韓と日米の首脳と会談し、これから日中の首脳会談も実施の方向で調整されている。日韓・日米の首脳会談を見ていると、やや目立った成果を上げられていないと思う。岸田さんは外交が強みという評価も一部あったが、日本と岸田首相の存在感もやや薄い印象を受けている。これまで幹事長ご覧になって、日韓・日米会談の成果について評価や受け止めを改めてお願いしたい。

【幹事長】
 あまり具体的なことが発表されておりませんので、よくわからないというのが正直なところです。ですから、日本にお帰りになったところで国会などでしっかりと説明してもらう、あるいは質疑をする必要があると思っています。
 ただ、日韓に関して言うと、先ほど言いましたように、今まで首脳会談ができていなかった。これができたことは私は評価できると思います。
 具体的に「旧徴用工」についても、従来は、もう既に解決済みであると。ですから、韓国がどう対応するかが問題だという言い方を強調していたときもありました。一方で、実務者とか外相間で協議するという説明をしたこともあります。今回首脳間で協議ということになったことは従来と説明が少し変わってきていますのでよく説明を聞かなければなりませんし、基本スタンスは、もう解決済みだというところは私は変えるべきではないと思いますが、しかし、その一言で切ってしてしまえば問題の解決が望めないかもしれないと。相手も、韓国側も議会では少数派だし、なかなか厳しい中での交渉ですから、そういうことも考えて今回の表現になったのかなというふうに思っています。問題は中身次第というふうに考えています。

【北海道新聞・木村記者】
 関連で2点お聞きしたい。1点目が、葉梨前法務大臣が辞任されたことによって、一部、何か国との会談が立ち話になったという影響が出ている。それについての受け止めが一点。もう一点は、先ほどもちょっと触れたが、日中首脳会談が行われる方向で、まだ正式にセットはされていないが、日中首脳会談について首相に期待することがあればお願いしたい。

【幹事長】
 バイの会談が幾つかできなくなったことは非常に残念です。もっと早く更迭していれば相手に迷惑をかけることもなかったと思います。立ち話ができたから実質的には変わらないという説明も一部にあるみたいですが、それはとんでもないことであって、立ち話で数分間話すことと、まとまった時間を取って会談するというのは、それは全く違うことです。変わらないという、報道でそういうふうに言っている政府関係者がいるという話がもし事実だとすると、それは相手に対してもすごく失礼なことではないかと思います。
 それから、日中首脳会談は、これは非常に大事だと思います。新しい、3期目に入った習近平主席に対して、やはり会わないとわからない、伝わらない雰囲気というのはありますから、言葉も大事ですが、同時に、これから3期目を通じて日本に対してどういう基本的スタンスで臨んでくるのかということをしっかり感じ取っていただいて、そして、可能な限り国会などで説明してもらいたいと思っています。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(2)

【日本テレビ・江口記者】
 先ほど泉代表の冒頭発言の中で、救済法案について、4党協議で今まで実務的に調整してきたと。協議・議論してきたのは4党協議で、そういった旨も岡田幹事長から茂木幹事長に伝えていただいて実務協議を進めたいという発言があったと思う。受け止めとして4党協議が軽んじられるのではないかという懸念を示されたと理解したが、岡田幹事長から茂木幹事長には、いつ、どのようなメッセージを伝えたいとお考えか。

【幹事長】
 未来系ではなく過去系の話です。4党で引き続きやるということは私から茂木幹事長にもう既に述べてあります。そのことを泉代表は言われたということです。

【日本テレビ・江口記者】
 それはいつの話か。

【幹事長】
 そこまで言う必要はないと思いますが、4党でやるということは明確に伝えてあります。

【日本テレビ・江口記者】
 つまり、けさの茂木幹事長の発言を受けてお伝えしたという理解でよろしいか。

【幹事長】
 もっと前です。

【読売新聞・中山記者】
 関連して、ちょっと重なるところもあり恐縮だが、これまで救済法案の議論の中で政調会長同士がやってきた中で、幹事長がお出になり幹事長同士で話し合うということにはどういう意義があるかという点を改めてお聞きしたいのと、次回に向けての期待もあわせてお願いしたい。

【幹事長】
 まず、政調会長同士ではないのですね。相手は政調会長ではないです。
 幹事長同士でというよりは、私は、もし幹事長が出ていくとしても、それは4党でやるべきだと思っているし、そういうふうに伝えてあります。2党でやるのはおかしいですから。公明党さんも出てこなければおかしいし、それから、維新と立憲は歩調が全く合っているわけなので、ばらばらにやる必要は全くないわけですね。だから、この4党の枠組みは崩さない。
 幹事長同士といっても、そこにはたぶん長妻さんも維新の政調会長も同席してもらってやったほうがいいというふうには思います。論点が非常に煮詰まれば、それは4党で幹事長同士でやるということはあるかもしれませんが、まだまだそこまで行っていませんので、実務者として長妻さんに、4党でしっかりと論点を煮詰めてもらいたいと思っています。

【共同通信・恩田記者】
 追加で、先ほどの質問で、救済法案の4党協議について、まだ幹事長同士で話すまでには煮詰まっていないということだと思うが、茂木幹事長は週内、概要がまとまり次第、与野党の幹事長に集まっていただいて政府から説明を受けるという意向を示しており、この週後半に向けて煮詰める作業を加速していくという理解でいいか。

【幹事長】
 説明を受けることは構わないと思っているのです。6党の幹事長が集まって政府から説明を受ける、質疑も若干あるというふうに私は理解しております。それは、何というか、協議ではありません。政府とのやりとりですので、政党間の協議ではないという理解です。
 その説明があった後も4党でまたやるというふうに、私は4党の実務者でやるというふうに理解しております。

【共同通信・恩田記者】
 この前、茂木さんと会談されたときに要望の紙を渡されたと思うが、引き続き4党でという要望は茂木さんは今のところかなえているということか。

【幹事長】
 基本的にはそう思っております。

【フリーランス・宮崎記者】
 確認だが、6党幹事長が政府から救済法案の話を聞く、今週後半という話と、今週協議の仕方を整理することを水面下で進めていきたいという話が立憲と維新の国対委員長からきのうあったが、これは別の話か。

【幹事長】
 どういう意味でおっしゃったのかわかりませんが、意思疎通はよく取っていますので、間違いないと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 いずれにしろ整理はしたいということか、今週。

【幹事長】
 私たちとしては4党でというふうに主張していて、それが崩れたというふうには全く思っておりません。