参院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会は11月16日、公職選挙法の一部を改正する法律案の審議を行い、立憲民主・社民から小西洋之議員が質疑に立ちました。
小西議員は、2021年の総選挙での寺田総務大臣の選挙運動収支報告書における、合計106万842円の支出について寺田稔竹原後援会名義の振込明細書が領収書に代わり添付されていたことが公職選挙法違反ではないのか質問しました。
寺田大臣は、寺田稔竹原後援会が各支払先の口座番号を把握していることから支払いを取り次いだ「取次行為である」と説明。公選法違反に当たらず収支報告書の訂正の必要はないと答弁しました。
この支出が寺田大臣が任命した出納責任者の責任において行われた支出であるという大臣の説明に対し、小西議員は「出納責任者がなぜ第三者である寺田稔竹原後援会の口座を使って支払うことができるのか」と尋ねました。寺田大臣は「単に支出の取次行為で行ったもの」と繰り返し、出納責任者から竹原後援会の事務担当者に支払い承諾した文書が作成され保管していることを話しました。小西議員は、この文書の委員会への提出を求めました。
小西議員はまた、「竹原後援会の口座は政治資金のはずだが、なぜそれを使ったのか」と質問。寺田大臣は、「私の資金はあらかじめ選挙用資金として、事務担当者に渡していた」と述べ、「私が選挙用に準備した資金の全てが竹原後援会に入っていたわけではないが、先ほど言った通り支払先の口座を竹原後援会がこれまでの後援会活動の中で把握している分について竹原後援会に一部入れてあって、取次行為として竹原後援会が支払った」等と説明しました。
続けて小西議員は、自分に関係のある政治団体が選挙関係の支出を取次ぐ行為は公選法上許されるのか、他の政治家も行っていいと解釈するのか追及しました。寺田大臣は「取次という行為は全く違法な行為ではございません。公選法違反でもない」「あくまで出納責任者の下で行われる支出であればそうした取次は可能」等と答えました。
小西議員は、これまで寺田大臣が「政治とカネ」にまつわる複数の疑惑が取り上げられていることに触れ、「国会議員として公選法あるいは政治資金規正法をおとしめようとする大臣は許せない。委員会の威信で寺田大臣を解任することを委員会で審議することを求めます」と委員長に対応を求めました。
また、小西議員は「収支報告をきちんと行って国民の批判と監視を受けるのが政治資金収支報告書の目的だ」と述べ、寺田大臣に「国民の批判と監視を適正に受ける前提を欠いていたということを認めますね」と迫りました。寺田大臣は「全ての収支も公開している。もちろん、不手際やミスは迅速に訂正させていただいている」と質問に対する答弁はしませんでした。
最後に小西議員は、杉田総務政務官が同性のカップルについて「彼ら彼女らは子供をつくらない。つまり生産性がない」と寄稿したことに対して撤回・修正する考えはあるのかただしました。杉田政務官は「今後とも差別のない社会の実現に向けてしっかり努力してまいります」と質問に対する直接の答弁を避けました。