泉健太代表記者会見(2023年度定期大会終了後)

2023年2月19日(日)15時35分~16時14分
於:都市センターホテル「コスモス」
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/wvCq53DHQ6Y


■冒頭発言 (なし) ■質疑


■冒頭発言

(なし)


■質疑

○2023年度定期大会を終えて(1)

【日本経済新聞・大澤記者】
 2問お伺いしたい。先ほどの党大会で、統一地方選挙や、来る衆院の補欠選挙の勝利、また、政権交代を目指すことを確認した。改めて今回の意義、開催したことのご所感を伺いたい。
 もう一点。議案について。立憲・維新が主導した昨年秋の臨時国会の救済法案の成立を「歴史に残る快挙」と記載した。他党の名前が盛り込まれることは新立憲になって初めてだと思うが、改めて両党の連携の意義と手応え、また、政権交代に向けて各党の連携の重要性について教えていただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 このコロナ禍がまだ完全に全国的に明けてはいないという状況なので、少し会場の規模を絞って行いましたが、非常に熱気のある大会であったかなと思います。
 冒頭、ウクライナの避難をしてこられた子どもたちと、日本で暮らすウクライナの方の歌もありましたが、我々立憲民主党としてもやはり支援をしていかなければならないということで、いろいろなNGOやNPOともつながってきた立憲民主党ですので、こういった国際的な支援もこれからも続けていきたいし、トルコ・シリア(地震)の募金活動も行いましたので、そういった取組はまずやっていきたいと。
 そして、来るべき統一地方選挙、また、衆議院の補欠選挙に向けて、きょう候補者全員はもちろん集められませんでしたが、全国各地で戦っている仲間たちを、この会場にいる皆で応援しようと。そして、全国の党員・協力党員・パートナーズ、皆で応援しようと。そういう意識合わせができた会ではなかったかなと思います。
 そして、昨年の救済法の取組は書かせていただきました。ちょっと新立憲になって初めてかどうかというのはよくわかりませんが、やはり今、総選挙が終わった直後というのは本当に野党にとって厳しい状況で、もう自民党が全て黄金の3年間で進めていくのではないかと言われているところからのスタートでしたが、その中で野党第1党の責任として国会をどう機能させるか、おかしなものをどう変えていくかということに我々としては努力・腐心をして築き上げた与野党協議でしたので、そういった意味で、野党第1党としての役割というものを発揮できたのではないかと考えています。だからこそ、今国会でも同じように、できる限りの、連携できるところについては連携をして取り組んでいくということを書かせていただいたということです。
 こういうものの積み重ねが、何かしら野党としての共通する課題が明確になってきて、そして、場合によっては共に政権を担おうという話になるのか、それとも、まずはこの国会の政策別連携ということのみにとどまるのか。これは今後やってみなければわからない話ですし、当面、今、向かっている選挙でいえば、それぞれの政党が競い合うという環境にありますので、できる限り努力は続けていきますが、両にらみでやっていくということになります。

【フジテレビ・阿部記者】
 代表の挨拶でも言及があった、年内にあるかもしれない総選挙。あった場合には政権交代を目指すのか。現時点での代表のお考えをお聞きしたい。

【代表】
 はい。これはもう繰り返しですが、立憲民主党として政権交代を目指すというのはもう当然のことです。あとは、どこまで努力をできるか、その構図をつくれるかというところですので、はい、目指していきたいと思います。

【フジテレビ・阿部記者】
 もう一つ。本日採択された活動計画の中で、衆議院候補の擁立について「与党候補と互角に戦える候補者の擁立」を掲げているが、野党候補の一本化について、現時点でのお考えをお願いしたい。

【代表】
 まずは立憲民主党が、候補者、その小選挙で勝てる候補者を1人でも多く擁立をするということですね。各党との連携というのは、それぞれの政党、どこでどういう形で立候補者が出るかというのはまだ全く不明ですので、いろいろな可能性は持ちながら、今後も進めていきます。

【共同通信・久納記者】
 まず、活動計画についてお尋ねしたい。総論の中で「自らのおかれた厳しい状況を直視し」「一層の努力を重ねる必要がある」と言及されている。現在の党勢について、党の置かれた状況について、泉代表の危機感というか問題意識、どういった部分にあるのかということと、国民の支持を得るために何が必要か、どう取り組んでいくか、お考えをお願いしたい。

【代表】
 それはまず、基本的には、さきの総選挙で結果が出て、そこから何か変わるということはないわけですね。それはなぜかといえば、前回総選挙で97議席になって、その後、勝手に議席が増えるわけではありませんので、引き続き厳しい状況の中で党運営をしているということになります。
 だからこそ、ある意味、前回の総力戦で議席を増やすことができなかった、議席が減ってしまったというところから再生をするにはそれなりの時間もかかるというふうに思っていますが、きょうの雰囲気などでも、皆さんのその熱意、気持ちというのは、私は相当高まってきているというふうに感じましたので、徐々にそういった意味では立憲民主党が改めてもう一度、自分たちの持っている資源、政策、そういったものを生かして前に向かって訴えていこうと。そういう機運になってきたのかなと、こう感じています。

【共同通信・久納記者】
 現状のその厳しさみたいなものを、党の支持率などを含めて、それをどう考えていらっしゃるか。また、代表として再生に向けてどう臨むのか、決意をお願いしたい。

【代表】
 ですから、さきの総選挙から基本的にずっと構図ですとか状況はそんなに変わっていませんので、厳しい状況はずっと厳しい状況なのですよ。次期総選挙まで厳しい状況です。その中でどう頑張るかということですので、別に、総選挙の後に、例えば今が低迷していて、いつの時点で上がっていたとか、そういうことではなくて、基本的に総選挙以降はずっと厳しい状況であり、次の総選挙まで厳しい状況が続くという認識を持って、その中でも再生の、今、党が再起をしていくその姿というものが徐々に私は出てきていると感じているということですね。

【共同通信・久納記者】
 もう一点。千葉5区について代表は挨拶の中でも触れられたが、予備選を呼びかけたりもされたが、改めて、野党間の候補者統一も含めて、どう臨むか、お考えをお願いしたい。

【代表】
 それは我々としてはいろいろな選択肢を持って他の政党の動きは見ていますが、他の政党に、この自民党との対決を制して今回野党の議席を生み出そうというやはり思いがあるのかどうか。そこによって状況は変わっていくと思いますから、その他党の状況を見つつではありますが、我々としては、とにかく今、既に擁立を決定した矢崎堅太郎さんの勝利に向かってまず全力を尽くすということですね。

【共同通信・久納記者】
 最後に一点。きょうハラスメント研修も実施されたが、改めてこのタイミングで実施した意義や、統一地方選に向けてどのように、神奈川県連等でのハラスメントもあったが、どう再発防止につなげていくか。代表のお考えをお願いしたい。

【代表】
 そうですね、やはり党本部だけではなく全国の県連役員も共にハラスメント研修を受けたという意味合いはとても大きくて、立憲民主党としても、女性候補の擁立を進めたり、あるいは若手の擁立を進めたり、これまで政治の世界にはいなかった人材、新たな人材をどんどん集めようとしているということであれば、当然世の中の、新しいさまざまな配慮すべき問題については党としては配慮していく必要があると思っておりますので、一人ひとりの意識、当然ながらハラスメントということで許されない行為をまず認識しつつ、そこに至らないようにするための日常の心の持ち方というか考え方ということも学べた、大事な機会であったと思います。

【時事通信・木田記者】
 2点ほど伺いたい。まず、きょうの党大会の中でも幹事長や代表から言及があった次期衆院選について。改めて獲得議席目標など数値目標についてお聞きしたい。

【代表】
 我々が今言っているのは、小選挙区で150の、戦える選挙区、小選挙区獲得ができる状況をまずつくり出していこうと。これが現在の我々の考え方です。

【時事通信・木田記者】
 もう一点。きょう岡田幹事長のほうから、国民民主党について、「政権交代可能な政治の実現という大局に立って、大きな固まりを目指す」「働く人々を代表する政党は一つで十分ではないか」という発言があった。今後、国民民主党との関係をどうしていきたいのか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 多くの全国の立憲民主党・国民民主党の支持をしていただいている方々も、元々民主党支持をしていた方々も多数おられるでしょうし、その意味で、同じ思いを持つ方々が多いのではないかということを感じました。ですから、既に全国でも統一地方選挙に向けて県連同士でお互いに応援をし合うという取組をしている県連も幾つかありますので、その意味で、なるべくやはり岡田幹事長が言ったような、労働者のために働く政党が一つであってほしいと、その思いを持っております。粘り強く、そういった環境が生まれるように、お互いに何が必要なのかということを見つけ出していければと思います。

【NHK・岩田記者】
 前の方の質問と若干重なるところもあるが、先ほど岡田幹事長の発言の中で、次期衆院選挙で結果を出すことが私の責任だという趣旨のことがあったが、代表も同じ認識でいらっしゃるかどうかということと、また、先ほどの150の戦える選挙区をつくるということ以外に目標設定をされることがあるのかということ。また、責任だということの意味について、代表自身はどのようにお考えか。

【代表】
 岡田さんの発言についてということですか。

【NHK・岩田記者】
 はい。

【代表】
 ありがとうございます。
 当然、我々として、この次期総選挙で結果を出していきたいと思っています。
 そして、この岡田幹事長のおっしゃる責任というのは、やはり我々執行部としては、そこに向けて、残された期間の中で、候補者を擁立して、勝利に向けた環境をつくっていく。これがまさに責任だということで、その責任を果たしていきたいと思います。
 もう一つ、何かおっしゃいましたね。

【NHK・岩田記者】
 150の戦える小選挙区をつくるという以外に、目標をつくるか。

【代表】
 これは現時点では、まずはその言葉からというか、その方向性からスタートしているということですね。ほかに何か言葉があるわけではありません。

【「報道府」・金剛記者】
 選挙に関して、きょうの「ビジョン22」に「新自由主義と決別」「経済成長至上主義から脱却する」という言葉がある。岸田総理のほうに事前に確認したところ、「新しい資本主義」は合本主義、渋沢栄一翁のものに近しいということだが、今回、立憲民主党さんのこの新自由主義との決別となると、何主義というふうな言い方になるか。

【代表】
 ちょっと何主義という言い方になりますかということで言われると、ここにはそういうことが書いているわけではないので、我々としては何主義だから何主義という言い方はしていないということですね。

【「報道府」・金剛記者】
 そういうのがわかりやすいと、ちょっと若い人も票を入れやすいのかなと思う。もう一問。今月の8日、立憲民主党と日本維新の会で行政改革のプロジェクトチームの会合が行われたと聞いた。こちらに関して、元自民党の安藤裕元衆議院議員が、立憲と維新が合流する可能性があるのではないだろうかということについて言及していた。そこで、現時点で合流についてのあるなしなどを教えていただければありがたい。

【代表】
 わかりません。私もその安藤さんがどう言ったのかもわかりませんし、安藤さんが予測をされるのはご自由なのかなというくらいですね。

【「報道府」・金剛記者】
 最後に。今の質問では、以前の希望の党の話などがあり、維新の会が進めているのはたぶん静かなM&Aだと思われるが、M&Aとなると防御策が必要だと思うが、どういったような防御策があればそういった合流というのをブロックできると思われるか。

【代表】
 ちょっと、まず、なぜM&Aなのかもよくわかりません。ごめんなさい。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 岡田幹事長の挨拶にはある種の危機感に迫るものがあり、2回国政選挙で惨敗した、もう後がない、まずその危機感を共有しなければならない、そうでなければおそらく政権交代はできないと、はっきりおっしゃっているわけだが、私は正直言って泉さんのご挨拶からは今の立憲の現状に対する危機感はあまり感じなかった。もう後がないと、逆に岡田さんは、今97人で、23人を通して、それでも足りないと数字もはっきり出しておっしゃっているわけだが、その危機感。まずそこを伺いたい。

【代表】
 これは役割分担でありまして、それぞれ私たち代表と幹事長の中で発言の中身というのは分けておりますので、幹事長はむしろ厳しめに、代表はむしろ前向きにということでお話をさせていただいております。
 もう一つは、もちろんこれが最後だという言い方で危機感を出すということはあるのですが、私もこの世界に入って、これまで何度かそういった発言も先輩方から聞いてきておりますので、若い世代だとか、これからこの政治の世界で政治を変えていこうという仲間たちからすれば、これが最後だというふうに言われるのも、それはそれでまた別に、ちょっと違うんじゃないのという声もあると思います。長い戦いになるというふうに思っている仲間たちもいるでしょうし、それは世代によって表現の仕方が違うのかなと認識しています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 今回の党大会は、やはり統一地方選と。他党のことはあまり言いたくないが、他の野党では完全な数値目標も出して背水の陣という、それは明らかに次の衆院選挙のときにやはりそこが勝敗を分けるという意識がある。ただ、きょうでも、地方選で一体何人立憲民主党が擁立していて、どれくらいの人数を当選させようかと、900という数字だけ出てきたが、その統一地方選。岡田さんははっきり、サミット後に総選挙があるかもしれないと言っているわけだから、もう統一地方選でどこまで行くかというのが一つの、他党はみんなあれになっているが、その危機意識さえないで、代表と幹事長が分け合っているというのが、一体立憲の支持層がそれで共感するものなのか。その辺は私は全然理解できないが、改めて、統一地方選について、どれくらいの人数を立て、来たるべき衆院選で勝てるためにどれくらいの結果を出さないといけないという、そのことのメッセージが全党員・サポーターに伝わっていないと思う。統一地方選はやはり国政と分けるからあまり関係ないということならそれはそれでいいが、一体どれくらいの改選議席があって、どれくらいの候補者を擁立して、今の1200何人からどれくらい増やそうとお考えになっているのか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 この世界に詳しいお方なのでそういうご質問になるのかなと思いますが、今、立憲民主党が統一地方選挙で仮に100人を増やしても、それは自民党や公明党に比べれば圧倒的に少ないわけです。統一選で100人増えたから立憲民主党の国会議員の候補者が次々と受かるということではないと私は思います。それくらいに差があるわけです。
 そういう中で言えば、私は、この党がまずどれだけ次の統一地方選挙で議席を増やすことができるかというところからのスタートだと思っています。現時点でも数多くの自治体議員を擁しているわけですから、その仲間たちを1人でも多く増やしていく。そういうところからの一個一個の積み上げですね。
 「危機感」「危機感」と言いますが、選挙に1回負けた2回負けたで毎回政党をころころ変えていたら、それこそ私は問題だと思いますよ。そういう意味では、粘り強く、そして着実に、どれだけ積み上げをしていけるか。そこにこそ私は本当の芯というか気合というか決意というものを持つべきであって、ただ単にできなかったからああしますこうしますみたいなことを繰り返しているということにはならないと思っています。

【西日本新聞・井崎記者】
 先ほどの質問に関連して。統一地方選、勝利を目指すというふうにおっしゃっていたが、獲得議席数の目標がなければ、勝利かどうかという、その分岐点をどう考えられるのか教えていただきたい。

【代表】
 このいわゆる選挙に臨む今回の立憲民主党の議席、これは現在もどんどん候補者が増えている状況ですから、最終確定というのはもちろんわからないわけです。そのときにならないと確定しないのですが、やはり現有を上回るということですね。現有議席を上回る、これが我々にとっての勝利ということです。

【フリーランス・安積記者】
 先ほど幹事長もおっしゃったが、国民民主党との合流みたいな話をおっしゃったわけだが、実際もって国民民主党にどういうふうな働きかけをされているのかというのはやはり見えない。今のところ国会での動きは、前回の臨時国会から維新とは国対のレベルで各政策については意思疎通はされているが、国民民主党側と意思疎通をされているような様子もない。働きかけの様子もない。国民民主党のほうを見たら、立憲民主党は視野に入っていないような、そういうふうな雰囲気さえ感じられるが、この具体的な動きというのはあるのか。

【代表】
 ありますが、見えないものもたくさんあるということですし、見せるものでもないということですね。

【フリーランス・安積記者】
 「星の王子さま」ではないので、大切なものは見えないとか言ってもたぶん国民には伝わっていかないと思う。「星の王子さま」から脱却して、地に足のついたアプローチというか、そういったものを国民に対して訴えていただけたら非常にわかりやすいのだと思うが。

【代表】
 代表的なことを言えば、国対で常に呼びかけをしているわけですね。ただ、それは一個一個、きょうはこの党に呼びかけましたとか、わざわざアピールする話ではなくて、話合いというのはアピールが過ぎればやはり相手からは信頼されなくなると思います。それぞれの事情があって、表に出せるやり方というか、表に出せるやりとりと、表に出すべきではないと考えるやりとりはあろうと思いますので、別にその「星の王子さま」ということではなくて、やはりそこはお互いの信頼関係の中の話かなと思います。

【千葉日報・福田記者】
 先ほど千葉5区補選について少しお話が出た。他党の動向を見ていくという形でご発言があったが、日本維新の会の馬場代表も国民民主党の玉木代表も候補者調整には応じないという姿勢をはっきり示されている。今後、泉代表としては再び呼びかけていかれるのか。

【代表】
 いや、再びというか、まだ呼びかけてはいないですよ。どうなのか、どんな考えなのかということを聞いてみたいという話をしましたが、実際に表から何かを呼びかけたというものはまだないですね。あくまで我々としては矢崎堅太郎さんの必勝に向かっているということです。

【千葉日報・福田記者】
 今後正式に候補者調整を呼びかけていかれるか。

【代表】
 いや、わかりません。

【フリーランス・横田記者】
 同性婚と選択的夫婦別姓のことをおっしゃっていたが、通常国会で制度化の法案を提出するというふうに理解してよろしいか。

【代表】
 実際の国会戦術というか、やり方は、党内でよく判断をして決めていきたいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 意気込みは特にないか。

【代表】
 これまでも法案をつくって提出もしてきていますので、常に実現をしたいという意気込みで活動しています。

【フリーランス・横田記者】
 山口ダブル選挙で、地元で候補者擁立が難航している。統一地方選で手いっぱいだみたいな声を聞くが、執行部で自ら擁立に動くというお考えはないか。山口2区補選の、例えば平岡秀夫さん、元法務大臣に声をかけるとか、そういうお考えはないか。

【代表】
 執行部は常に動いていますので、おっしゃるような考えについてどうこうというのは、もちろんこれは明かせない話ですので。執行部としては動いています。

【フリーランス・横田記者】
 最後。救済法案について、画期的なことだというこの文章が出ているが、一方で、馬場代表に対して「重馬場」発言をした。与党の誘いにすぐ乗ってしまう、それは救済法案でもそうだったというふうに、救済法案が甘いまま、十分勝ち取れないまま成立してしまったというふうに会見で述べたというふうに見えるが、ちょっと明らかに食い違っていると思うが、これはどう解釈すればよろしいか。

【代表】
 まず、その見え方が間違っておられるということなので、私はそういう意味で言っておりません。

【フリーランス・横田記者】
 救済法案でも与党の誘いにすぐ維新は乗ってしまうということを会見でおっしゃっているが、これは明らかに矛盾するのではないか、この文章と。

【代表】
 しません。

【フリーランス・横田記者】
 しないですか。

【代表】
 はい。

【フリーランス・横田記者】
 維新との連携強化で支持率が下がって地方選で伸び悩むと。目標設定はされないということだが、責任論に関する、補選で全敗したときは代表を辞められるお考えはないか。

【代表】
 支持率は一進一退ですね。辞める考えのあるなしというのは、お答えをするつもりはありません。

【フリーランス・横田記者】
 全敗でも責任論に発展するかどうかは、はっきり明言しないと。

【代表】
 お答えするつもりはありません。

○世論調査の結果について

【読売新聞・岩本記者】
 世論調査について伺いたい。読売新聞が今週末に世論調査を行い、岸田内閣の支持率は先月から微増して4カ月ぶりに4割台に回復する見込みだ。一方で立憲民主党の政党支持率は前回と変わらず1桁台の見通しだ。これの受け止めと、今後の対応を伺いたい。

【代表】
 先ほどもお話ししたとおり、総選挙で負けて、そこからずっと厳しい状態が続いているわけで、基本的にはやはり支持率がそう変わる状況にはないということです。
 この前もお話ししたかもしれませんが、政党として一つ一つの政策を実現するという取組は、仮にうまくいっていたとしても、マスコミの世論調査の場合はやはり政権を取って運営できるかというところも見ながら世論調査に答えていることも多いと思います。ですから、自民党の、例えば岸田政権に対してイエスかノーかということでの内閣支持率というのが出る一方で、では、それに代わる政権があるのかということで言うと、今、野党それぞれ分かれてしまっているので、なかなかこの群雄割拠の状態では、どこかの野党だけに支持が集まるという状況をまだつくれていないということで、ここが今、最も難しい局面なのかなと思っています。この中からどうやって事態を打開していくのか。そこを執行部としては考えていかねばならないと思っています。

【読売新聞・岩本記者】
 もう一点だが、岸田首相が進める子育て支援策の大幅拡充への期待について、「期待できる」が2割強、一方で「期待できない」が6割強という結果になった。また、物価高による家計負担について、「大いに感じる」あるいは「多少感じる」と答えた人は9割台と過去最高になった。これについての受け止めと、今後どのように国会について含めて対応されていくか伺いたい。

【代表】
 国民の声は正しいと思いますね。物価がどんどん上がっても、今、春闘、頑張ってはいますが、年金も物価上昇に負けている。そして実質賃金が下がっているという局面ですので、国民生活はもう苦しくなっているというのが、もうまさに実態。ですから、政府はこの賃上げをいかに実現するかを後押ししなければいけませんし、各中小零細の価格転嫁、こういうものも取り組んでいく必要があるだろうと。価格転嫁の支援ですね。取り組んでいかねばならないと思いますし、いわゆるインボイスだとか、年金生活者の中で苦しい方々に対する給付金だとか、そういうさまざまな手立ても、政府が今どれだけ考えているのかといえば全然聞こえてこないわけですので、そういったことが私たちとしては訴えていくべきことかなと思っております。
 もう一つが、子育てですね。これは対GDP比の倍増を言っていると思ったら、どうもそうではないということになってきて、これは週が明けてからの予算委員会の中でも直接総理に問わなければいけないと思っています。結局のところ、倍増という言葉はあるけれども、まさに倍増ありきで、何を倍増するか決まっていなかったという、とんでもない話でしたので、お題目だけの子育て予算倍増にならないように、私たちとしては対GDP比の倍増を目指して具体的なメニューを訴えていきたいと思います。

○2023年度定期大会を終えて(2)

【「週刊金曜日」・金本記者】
 今の世論調査の質問にもちょっと関連するかもしれないが、岡田幹事長が挨拶の中でネクストキャビネットに触れられ、もうちょっと仕事をしてほしいということと、もう一つ、政策について、1割の方の支持を得るのではなくてやはり5割とおっしゃったと思うが、より多くの、過半数の方の賛同を得られるような政策を目指さなければいけないと。先ほどから幹事長・代表は役割分担だというお話があったが、この岡田幹事長の今のご発言についてどう思われるか。

【代表】
 そこはよく我々代表・幹事長で雑談をするときなどにも話をしていることでして、理想を持ちながら、高い理想、政策としてのビジョンというものは持ちながら、それをいかに現実の中に落とし込んで一歩一歩着実に目標に向かっていくのかという政党でなければならないと、このようによく言っています。
 それは、ですから、エネルギー政策も安全保障政策も金融政策もそうで、アベノミクス脱却、例えばスローガンとしては言うにしても、我々も市場の混乱を望んでいるわけではないので、急激な政策転換ということを訴えてはいない。原子力についても、今すぐの再稼働を全部認めませんという考え方ではなくて、当面の当然安定供給のためには私たちは再稼働はすべきものはする、しかしながら将来的なビジョンとしてやはり原子力に依存しない社会を2050年のときにはつくっていたいと。こういうことについて一つ一つ現実的なアプローチというものを見せていくことによって、何か急激に世の中をがらっと変えてしまうことを目指しているのかと、それに対しては不安だという方々に対して、そういった不安がないようにバランスよく政策を訴えていきたいと考えております。
 そういったことを、「次の内閣」がいかに「次の内閣」として発表、アピールができているかというところが、まだまだ岡田さんのおそらく頭の中の想定には至っていないということが示されたのかなと思いますので、そこはよく長妻さんと話合いをして、さらに強化をしていきたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 先ほどは少し厳しい質問にしてすみませんでした。岡田さんとか野田さんにとってはもう後がない、これは世代観だと、私もその世代だから思うが、逆に泉さんやきょうの30歳の方たち、あるいは今回代表質問された若い人たちにとってはこれからですよね。そうすると、やはり立憲民主党は大臣経験者の世代層と、それから20代・30代・40代の、この人たちを育てる。自民党なんかにはそういうのがあるが、何か若い人に活躍をあれして次にやるのが今まで弱い面もあると思う。積極的に若い方を国会で活躍の場を多く増やしていっていると思うが、代表はお若いが既に8回当選されているが、若い人の育成についてどう思われるのか伺いたい。

【代表】
 そこが最も力を入れているところと言ってよいと思います。私が代表になって、やはり代表選に立候補したほか3名に全て執行部に入ってもらったのも、考えてみると、民主党、民進党、立憲民主党を含めて、やはり大臣経験をされた方だとか政府の中枢を担ってきた先輩方がある意味ずっと幹部職を担い続けてきたというのが我が政党で、そうですね、当選7回、8回でも、執行部を一度も経験したこともないという仲間たちが数多くいるわけですよね。私が代表になったときには、やはりそういうものをがらっと変えたいと。ある意味チャレンジでもありますし、経験がそれは未熟だとも言われました。でも、未熟でも、それをやらなければ次の世代は育たないので、だからこそ思い切ってそういった役員会にしたということがまず一つです。
 そして、その後も、今、執行役員の中はある意味ベテランということにはなっていますが、私は常に仲間たち、若手たちに言っているのは、もう今とにかくそのベテランの皆さんから、手法、振る舞い、発言、学べということを繰り返し言っておりまして、場を与えられているというのは一つの姿ですが、決してそれだけではなく、日常の幹事長の記者会見や、安住国対委員長のぶら下がりや、長妻政調会長のネクストキャビネットの回し方等々から、全てからやはり若手が学んで、いつ自分が党のリーダーになっても、執行役員になっても、党運営もできる、そして国会質問もできると、そういうメンバーに育てていかなくてはならないし、選挙に勝つというのもそうですね。今のうちにとにかくしっかりと若手たちを育成するということにかなり重きを置いて日頃の党運営をしています。