参院本会議で3月8日、所得税法の一部を改正する法律案に対する代表質問が行われ、柴慎一参院議員が登壇し(1)岸田総理の分配政策(2)賃上げ(3)NISAの拡充、(4)インボイス制度――等について政府をただしました。

 冒頭、柴議員は、小西議員が予算委員会で取り上げた放送法をめぐる問題について、「総務大臣が公文書だと確認するのに一体何日かかったのか」等、政府の姿勢を怠慢だと指摘し真摯な対応を求めました。

(1)岸田総理の分配政策
 岸田総理が「歴史的な難局を乗り越えるために政策の転換が必要」と述べたにもかかわらず、本法案が「従来ベースの延長線でしかない」ことを指摘し、「賃上げを実現するための政策の転換」「税による所得再分配機能を発揮させるべき」と訴え、政府の見解をただしました。
 鈴木財務大臣は、「再分配機能の強化の観点から、時々の経済情勢の変化等に対応しながら累次の改正を行ってきた。引き続き検討をしていく」と述べました。

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(2)賃上げ
 柴議員が政府の賃上げ促進税制の効果について質問したところ、鈴木財務大臣は「毎年、10万社の企業に活用されてきたことを踏まえると一定の効果があった」「利用の見込みの推計は全法人の3%」と説明しました。
 岸田総理が、施政方針演説で「公的セクターや政府調達に参加する企業で働く方の賃金引き上げ」に言及したことを指摘し、「くれぐれも人事院勧告に基づく賃上げなどという責任逃れをしないように」と政府の具体策をただしました。
 岸田総理は「人事院勧告を踏まえ」「率先して引き上げる努力が必要」と答えました。

(3)NISAの拡充
 NISAの拡充について、政府はその政策目的を「眠った現預金の有効活用」による経済効果にあるとしているが、一方で、ターゲットとなるべき若年層は投資に回す原資そのものが不足している等の実態を指摘し、「 こうした現状で貯金を持たない世帯の『資産所得倍増』はどのように実現されるか」を問いました。
 鈴木財務大臣は「金融所得資産を増やしていく観点から少額でも投資可能な環境を整備していく」と述べました。