衆院山口4区補欠選挙が4月11日に告示され、党公認で立候補した有田芳生候補は「黙することなく、みんなで一緒にこの山口4区から日本を変えていこう」と安倍元総理の地盤であった山口4区の下関駅前で行われた出陣式で訴えました。岡田克也幹事長は「保守かリベラルかの選挙ではありません。この山口4区の有権者の皆さんの良識が問われている選挙だ」と述べ、安倍政治の検証を行う有田候補への支援を訴えました。衆院山口4区補欠選挙の投開票日は4月23日。出陣式には、森本真治参院議員、城井崇衆院議員、服部良一社民党幹事長らも参加しました。

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■有田芳生候補
 争点は3つです。1つは統一教会問題。極端な韓国ナショナリズム。世界はやがて韓国語に統一される。あるいは、日本はサタン側の国家である。原理講論という教理解説書を信者たちはそれを学び、信じて、今もこの下関でも今日も活動している。この下関というのは、統一教会の聖地なんです。聖なる土地なんです。1941年4月1日。のちに、教祖になるある青年が釜山から関釜連絡船に乗ってこの下関に到着しました。だから、今でも多くの信者さんたちがいらっしゃる。この聖地で、しかし先ほどお話をしましたように、極端な韓国ナショナリズム、天皇陛下が文鮮明教祖にひざまずくような儀式を持った。そういう組織と、どうして皆さん保守の政治家が手を携えて、 これまでやってくることができたんでしょうか。こんな政治を今度こそやめさせなければなりません。昨日、県会議員選挙が終わりました。三重県では、文鮮明教祖の葬儀の実行委員になっていた県会議員が落選いたしました。今、全国各地で今度の選挙選においても、統一教会と深い関わりを持った国会議員、地方議員がこの山口も含めて、何もなかったかのように活動している。こんな現実を皆さん変えていかなければなりません。皆さん、統一教会がなぜ、国会議員や地方議員に近づいてくるのか。それは政治の力を使って 日本の政治を歪めるためです。数日前にNHK、朝日新聞、共同通信などが大きく報じましたけれども、1992年3月26日、統一教会の文鮮明教祖は、この日本に超法棄的に入国しました。1970年代から3回にわたって、文鮮明教祖にビザを出してもらいたいと、統一教会の組織をあげて、政治家たちに働きかけてきたけれども、入管法5条の規定。日本、あるいは海外で1年以上の懲役判決を受けたものは、日本に入ってくることはできない。その規定があるから文鮮明教祖は日本に入ってこれなかったのに、1992年に統一教会が自民党の政治家に働きかけて最後は金丸信自民党副総裁の力によって法務行政を曲げて日本に教祖は入ってきた。つまり、統一教会が自民党の政治家たちに近づいていくのは、日本の政治を歪めることに目的があった。それが過去の話だけではなくて、今もこの山口でも下関でも続いている。これを今度の補欠選挙を通じて、皆さんとともに変えていこうではありませんか。
 2番目の争点は、下関も含めた皆さんの暮らしです。皆さん、今から10年前思い返してください。新聞だけではありません。テレビが朝のワイドショー、昼のワイドショー、 午後のワイドショー、夕方のニュース、ずっとどんな特集をやっていましたか。アベノミクス、アベノミクス、アベノミクス。安倍元総理もこう語っていました。アベノミクスをこれから10年続ければ、国民の所得は150万円上がります。毎日そういうことを言っていたものだから、 テレビのワイドショーまでもが、アベノミクスの大絶賛キャンペーンを広げておりました。あれから10年経ちました、皆さんの暮らしはどうですか。150万円所得が上がるどころか、実質賃金も下がっている。平均賃金も下がっている。年金も下がってる状況のもとで、私たちが安心した暮らしを続けていくことはできないじゃないですか。これが、10年間も続けたアベノミクスの社会実験の結果です。大失敗ですよ。この政治を皆さん、今度の選挙を通じて変えていきましょう。下関を歩いても、長門を歩いても、いや、全国各地を歩いてもシャッター通りが広がっていった。この総理のお膝元で、どうしてこんなに経済が停滞したんですか、経済政策が間違ってたからですよ。だけど、この下関はまろやかな自然、温暖な気候、 言葉遣いの正しい住民の皆さん、優しさ、そして武家の気品が地熱のように今も続いている。ここにおいて、観光産業も含めて、いろいろな取り組みを市会議員、県会議員たちが地元を歩いて、住民の皆様方に意見を聞いて、新しい政策を打ち出して、実行していくことができるならば、新しい山口県、山口4区、下関、長門の街を新たな方向に進めていくことは必ずできる。 私は、今度の選挙戦を通じてそのことを訴えていきたいと考えております。
 3番目の争点の拉致問題については、結論だけお伝えをいたします。2002年9月17日小泉純一郎総理が北朝鮮を訪問し、北朝鮮の最高指導者は日本人を拉致していたということを認めざるを得ませんでした。今、政府認定拉致被害者は横田めぐみさんをはじめとして、17人。だけど、安倍元総理が内閣の最重要課題だと言い続けて、菅政権も岸田政権も今も維持をしている全ての拉致被害者の即時一括帰国。こんなことは、 岡田克也さんが外務大臣をなさってたから、外交をやる人には当たり前のことなんだけれども、そんな100パーセントのことがすぐに実現するなんてことは、外交交渉ではありえないことなんです。2002年9月17日、10月15日には、5人の拉致被害者は戻ってきました。だけど、あれからどうですか。 内閣の最重要課題といつも言いながら、ブルーリボンをつけていながら、実際にはきちんとした交渉ができていないから、1人も取り戻すことができないじゃないですか、だけど、2014年日朝のストックホルム合意があって、 その時には北朝鮮側は政府が認定拉致被害者の神戸のラーメン店で働いていた田中実さんが生きている、そして、田中さんと一緒に1年後に北朝鮮に拉致された可能性の高い金田龍光さんも平壌で生きている。このことを、日本政府に北朝鮮側は通告したんだけれども、安倍晋三元総理はそういう報告書を突き返したんですよ。あれから、もう7年ですよ。田中実さんがどうなってるか、全くわかりません。本人にちゃんと会って、日本に帰国する意思があるのか、 一時帰国する意思があるのか。そういうことからいろいろな情報を得て、日朝交渉を前に進めなければいけない。1人からでも取り返さなければいけない。その方針に転換しない限り、拉致問題日朝交渉ってのは前に進んでいかないんです。
 いよいよ選挙戦、短い時間ですけれども始まりました。保守王国の無謀な戦いだ。何度もそう言われました。果たして皆さんそうでしょうか。保守というのは、保守かリベラルかの対決ではないんです。この日本の良き伝統、良き文化、そして、新しい皆さんの暮らしを立場を政党を超えて実現していくのが、保守の核心だと私は考えております。ですから、私は立憲民主党公認として選挙に立ちましたけれども、この選挙戦は山口県で山口4区で、私は保守だ、より良い日本を作っていきたいと、そう思っていた方々の気持ちを実現する選挙戦にしたいと思っております。毎日の暮らし、非正規労働者の方々も、そして、若者たちもお年寄りも多くの人たちが大変な暮らしを、この土地だけではなく、全国で日々感じていらっしゃる。だけど、諦めることなく、何を言っても政治は変わらない。そういうことではなく、黙することなく、みんなと一緒にこの山口4区から日本を変えてまいりましょう。

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■岡田克也幹事長
 安倍元総理と私は、実は1歳違い。私が2003年に民主党の幹事長の時に、 安倍さんは自民党の幹事長になられました。第2次安倍政権の途中で、私は民主党、民進党の代表になりましたので、党首討論とか、予算委員会とか色々意見交換をすることはありました。その安倍さんが長く総理の座で頑張られたことは、心から敬意を表したいと思いますし、ああいう形でお亡くなりになったことは、本当に残念なことだと思います。そして、その補欠選挙がこの選挙です。何が問われているのか。皆さん、こういうことは覚えてますか。安倍さんの放った強烈な光と引きずる影。いずれもわれわれ政治家1人1人が真剣に問うていかなければならない。これは、野田元総理が本会議場における安倍さんの追悼演説の中で述べられた言葉です。まさしく、そういうことだし、そしてその大きな場がこの4区における補欠選挙だという風に思います。有田さんは、政策論争で臨もうとしている。3つの論点をあげている。詳しいことは本人が言われるでしょうから私は申し上げませんが、違う視点から私が安倍さんを横から見ていて、思うところを1つだけ申し上げたいと思います。それは、この4区の皆さんにも、有権者の皆さんにも直接関係のある話、桜を見る会なんですね。桜を見る会の問題は2つある。よく国会で取り上げられたのは前夜祭の話。これも大変問題です。国会で事務所は関係ないと100回以上答弁されたけれども終わってみると、事務所から安倍さんのお金として、3000万円というお金が補填されていた。安倍さんは、それは自分は知らなかったと地元秘書が、その責任を負うことになりました。私は、常識から見てそんな大きなお金を勝手に秘書が使うということはあり得ないことだと思います。けれどもそれで済んでしまった。もう1つの問題、私はそちらの方がずっと大きいと思っているんですが、それは桜を見る会本体の話なんですね。 桜を見る会は、天皇陛下の主催する園遊会と並んで、内閣総理大臣が功績のあった方、ご苦労された方を新宿御苑に集めて、そして慰労するのが桜を見る会であって、 長い歴史を持つ内閣としての重要な行事です。その重要な行事が、 安倍さんが総理の間に、どんどん参加者が増えてきて、何倍にもなって、当然使える税金も増えていきました。そして、中身を見ると安倍さんの後援者が多数含まれていたということです。私は、この事件を聞いた時に本当にびっくりしました。そして、皆さんやっぱり権力者というのは、1番大事なことは何なのか、 個々の政策はそれは見解の相違でしょう。だけど、権力者はやっぱり行使の別をきちっとつけるということが、最低限そして最も必要なことだと思っています。それがなければ、魚は頭から腐るんです。国のリーダーが公私の別をつけないでやっていたら、それは国が衰退していくんですよ。そういったことが現に起きてしまった。私は、この4区の有権者の皆さんで、桜を見る会に行った人も行かない人も、やっぱりこれはどこかおかしいな。そういう風に思っておられる方が多いと思います。権力者のありようとして、本当に良かったのか。そのことが問われる選挙だと思います。どうか、皆さん、この選挙、自民党か立憲民主党かの選挙ではありません。保守か、リベラルかの選挙でもありません。この山口4区の有権者の皆さんの良識が問われている選挙なんです。有田さんが退路を絶って決意をして、手をあげてくれました、本当にありがたいことです。今回の選挙にこれ以上の適任の人材はいないと思います。どうか、有田さんの声に真剣に耳を傾けてください、そして、皆さんからその声を広げてください。山口4区の有権者の良識が問われている選挙でもある。そのことも、皆さんからぜひ伝えていただきたいと思います。ともに頑張りましょう。

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 岡田幹事長は、街頭演説終了後に記者団からの取材に応じました。今日から衆院補欠選挙が始まったことについての受け止めを問われ、「先ほど申し上げたように、保守かリベラルか、自民か立憲かというようなことではなくて、やっぱり有権者の皆さんに良識が問われる選挙だと思います。有田さんも政策を中心に訴えていくということですので、党としても全力でそれを後押ししていきたい」と答えました。安倍元総理の地盤に有田候補を擁立した意義を問われると、「非常にわかりやすい構図になった。もちろん安倍総理の功と罪両方あるわけですけれども、有田さん自身は3つの課題を挙げてしっかり議論するとおっしゃっている。安倍政治の検証が行われるそういう場でもある」等と話しました。
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