衆院決算行政監視委員会で6月12日、締めくくり総括質疑が行われ、柚木道義議員がマイナンバーカードをめぐる問題、児童虐待法改正について岸田総理に質問しました。

 柚木議員は、マイナンバーカードと公的給付金受取口座を役所が誤って他人のものと紐づけした事例や、他の人が年金情報を閲覧できる事例、マイナンバーカードを健康保険証としても使うマイナ保険証が医療機関で無効として扱われ全額自己負担で立て替える事案が発生していること等を取り上げ、世論調査でマイナンバーカードに不安を持っている人が70%以上いることを岸田総理に示しました。また、来年秋には現状の保険証を廃止し、マイナ健康保険証に一本化することも3人に2人が賛成していないことを指摘し、立憲民主党が現行の健康保険証の存続を厚生労働省に強く要望したことを紹介しました。こうした状況から柚木議員は岸田総理に対し、「総理の決断によって、命や健康が大幅に悪化されることを防ぐことにも繋がりますので、ぜひ現在の保険証の存続を強く求めたい」と要請しました。
 岸田総理は、「この総点検を行うところでありますが、このカードと健康保険証の一体化のメリットを着実に実現するためにも、医療現場のさまざまな課題を一つひとつ解決し、来年秋の健康保険証の廃止に向けて取り組んでいく」等とマイナ保険証一体化を撤回する意思は示しませんでした。

 柚木議員は、創業者の性加害問題が取りざたされているジャニーズ事務所が今日会見をする予定であることや、被害を受けた元ジャニーズジュニアのメンバーが自民党のヒアリングに出席することに触れました。そのうえで、従来の児童虐待防止法上の「児童虐待」は保護者からの行為に限定しており、これを経済的または社会関係上の地位に影響力を有する第三者が行う児童に対するわいせつな行為等を「児童虐待」と定義する必要があると説明し、「私たちが提案している児童虐待防止法の改正案を超党派で成立させてほしい」と岸田総理に自民党総裁として法案成立の決断を求めました。岸田総理は、「児童虐待防止改正案の取り扱いは、これから議論する段階なので政府として何か内容を申し上げることは控える」等と言うにとどめました。柚木議員は、国対委員長会談で与野党が法改正を含めて協議すると合意していることを取り上げ、「総理が止めるわけにはいかない」と指摘しました。そのうえで、今国会での法案成立の決断を改めて求め、マイナンバーカードの問題や統一教会解散命令請求がされないまま「解散総選挙に逃げ込むことのないよう強くお願いする」と述べ質疑を締めくくりました。

20230612_102425_01_re_rez.JPG