政治と距離を置いていた立場から一転、なぜ国政を目指したのか。さまざまな当事者性を持つ、おき圭子兵庫10区総支部長に話を聞きました。

おき圭子webサイト https://www.okikeiko.com/

 私の方が絶対に役に立てる

 介護福祉の現場で約20年間働き、相談援助業務として多種多様な相談を受け、行政とも関わるなかで政治には失望していました。政治家は選挙のときにしか姿を見せない、良いことばかり言うが何も変わらないと諦めていたのですが、ある号泣する議員の姿を見て、「私の方が絶対に世の中の役に立てる」と思いました。「政治家なんか」と思う一方で、輝かしい経歴の人がなるものだというフィルターが自分のなかにあると気付き、それを振り払い挑戦しようと決意しました。

 2回の市議選で結果が出ず、その苦しさもあってまた政治とは距離を置いていたとき、枝野幸男さんの「悩みもだえ苦しみながらそれでも政治を変えようとしているあなた。立憲民主党はあなたです」というメッセージに出会って救われた思いがして涙があふれました。「パリテアカデミー」に応募したことをきっかけに衆院選挙に出ないかという話を頂き、今に至っています。

 人のために経済を回す

 これまで長いこと人を大事にする政治が置き去りにされていたと感じています。地域と地方を主軸に、人をど真ん中に置いて自立できる地域にしていかないと、疲弊してしまっている現状を立て直せない。「人のために経済を回さないといけない。都市部に重点的に資源を投入するのではなく、アイディアはあるが予算がないところに資源を投入することで、できることが無限に広がっていく」と常々お伝えしています。兵庫10区では、皆さんが口を揃えて「ここは開発が遅れている」と言われますが、大都市中心に進められた画一的な開発に立ち遅れた分、ここにはまだ地域の特色が残っている。私たちの意見、思いを生かしたまちづくりができると訴えています。

 人間万事塞翁が馬

 振り返ると私は政治に関わる当事者に多々なっていて、例えば、被爆者三世、阪神淡路大震災の被災者、DVの被害者でもあり、過酷な労働環境と過労からうつ病を患って8年間ほど記憶がない時期もあります。期せずしていろいろな当事者になったことで、「現場の正論」を言える経験を積ませてもらいました。いま政治家を志す上で人間万事塞翁が馬だと感じています。

 例えば介護職員の高い離職率の問題は、まずは処遇面の改善をと言われていますが、離職理由で一番多いのは職場での人間関係です。そこに気付いていない方々が話しても机上の空論になる。私は「現場の正論」を届けたいです。

 当事者意識を持てるのが立憲民主党

 これまでの政治の罪はすごく重いと感じます。「異次元の少子化対策」についても、今さらですかと。一方で、子どものいない自分はそうした社会的な求めに応えられなかったという申し訳なさ、罪悪感がある。同じように、自分には価値がないのではないかと感じてしまう人が少なからずいるはずです。気遣い、配慮のできない政治家が当事者意識を持てるわけがなく、立憲民主党はその点、どこよりも優れた政党であると思っています。

 私は、立憲主義を掲げる立憲民主党の一員として「こんな政治家がいたらいいな」「あ、すぐそばにおってくれた」と思ってもらえる政治家になりたい。自分のためではなく、利他を追求できるのが立憲民主党であって、これまでの日本に欠けていたところを補う政党だと思います。政治に対して絶望していた私だからこそ伝えられることがある、できることはたくさんあると日々活動しています。

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「レインボープライドたからづか」に参加(2023年6月4日)