立憲民主党のマイナンバー在り方検討プロジェクトチーム(PT)が1日、国会内で初会合を開き、関係省庁からマイナンバーについてヒアリングを行いました。

 PT座長の逢坂誠二衆院議員は、「2007年に消えた年金問題が発生し、個人の情報が散逸し年金申請に影響が出た。国民の皆さんが権利を適切に行使するためにも番号制度が必要であるとして、2012年、民主党政権時代に法案を提出した。与野党協議が整わず解散もあり廃案となったが、安倍政権でマイナンバー法が成立した。番号制度は大事でありきちんと活用されれば国民のためになる。しかし今の政権が基本的な原点に立ち返ってやっているかは疑問。マイナンバーと保険証の紐付けは質の高い医療に必要だと政府は説明するが、投薬情報はすぐには結びつかず1か月から1か月半かかる。マイナ保険証を無理に進める理由はどこにあるか、丁寧に政策面からアプローチしたい」「当面、マイナ保険証の課題・問題点にポイントを絞り党の考え方を整理し、その後、マイナンバーカード、マイナンバー全般についての考えを整理する2段構えでやっていきたい」とあいさつしました。

 会議では厚生労働省、デジタル庁、総務省より、処方履歴や診療履歴などマイナ保険証に紐付く情報整備の現状、マイナ保険証を普及させる理由、従来の保険証を紛失した場合のリスク、マイナ保険証と暗証番号を紛失した場合のリスク、フランスの制度との比較、医療等分野における識別⼦(医療等ID)の検討状況とマイナンバーとの関係、マイナンバーの総点検の内容――等について説明を聞きました。

 参加議員からは、「従来の保険証を拙速に廃止しなければならない理由は何か」「強制的に使いづらいシステムに追い込むのでなく、利便性を社会的に実感して意識を変えていくべきではないか」「健康保険証を廃止するメリットはなにか」「資格確認書で保険証のデメリットが払拭されるのか」「保険証廃止についてなぜ来年秋という期限になったのか」「保険証の廃止で何が何でもマイナンバーカードに追い込むと、反発を生み、かえってデジタル化を遅らせてしまうのではないか」「国保のなりすましは5年間で50件にすぎない。被害の定量的データを提出して説明すべきだ」「医療は機微情報なので、医療等IDによってシステムを構築する方がデジタル化につながるのではないか」「当面は現行の保険証を残しながらあるべき姿を目指すべきではないか」「5年後のマイナ保険証と資格確認書の普及割合をどう想定しているのか」――等の質問、意見が挙がりました。

 デジタル化は喫緊の課題であり、真に「人にやさしいデジタル化」による「誰ひとり取り残されないデジタル社会」を目指すためにも、国民の納得と国民の不安払拭が不可欠です。しかしマイナンバーカードを巡るトラブルが相次ぐ中、政府は健康保険証の廃止とマイナ保険証への一体化を強引に進めています。PTは、個人情報は国民一人ひとりのものであり、国民が自らの情報を取り扱う権利を最大限に尊重するとともに、セキュリティを万全にする観点等から、マイナンバー、マイナンバーカード、マイナ保険証の在り方について検討を進めていきます。

■マイナンバー在り方検討プロジェクトチーム(PT)役員構成

座長        逢坂誠二
副座長       杉尾秀哉、野田国義、早稲田ゆき、中谷一馬
事務局長      奥野総一郎
事務局次長     中島克仁、井坂信彦、岸真紀子、本庄知史
(役員は随時追加)