立憲民主党つながる本部は11月28日、オンラインによる「スペイン・モンドラゴン協同組合視察報告会」を開催しました。モンドラゴン協同組合は、製造業を中心とする世界最大級の労働者協同組合です。わが国でも昨年10月から「労働者協同組合法」(*)が施行となり、全国で新たな協同組合が立ち上がり始めています。報告者はこの夏、同組合の視察を行った小川淳也衆院議員、司会は墨田区議会議員で、地元の労働者協同組合活動に関わってきた中村あきひろ区議が務めました。

 開会にあたり主催者あいさつを行ったつながる本部副本部長の小山展弘衆院議員は、「地域で今ある困りごとを解決しながらお金も回していく協同組合事業の振興がますます求められている」と述べ、その意義を強調しました。そして「協同組合活動が経済成長にもつながることをモンドラゴン協同組合が事実として体現している」と述べ、同組合への強い関心を示しました。

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小山展弘つながる本部副本部長

 報告で小川議員は冒頭、モンドラゴン協同組合について「バスク地方の人口2万人あまりの自治体で、80の事業所、7万人の雇用を生み出している」と概要を紹介し、その特徴について以下の説明を行いました。
・中核は製造業。その他にガソリンスタンド、スーパーマーケットなども経営。
・最大規模の事業所は8000人の組合員で構成。
・株式会社との一番の違いは、出資者(全組合員)が一人一票の有権者。会社の基本方針は全組合員による総会で決議。例えば、社長の給与は社員の6倍以内と決議している。
・その結果、同業他社と比べて社員(組合員)給与は15%高く、労災適用は半分、離職率も低い。バスク地方だけ格差指数(ジニ係数)が低い。

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小川淳也衆議院議員

 小川議員は、労働者協同組合に注目する理由として、全組合員による一人一票の原則を挙げました。わが国で格差拡大とその固定化、将来設計が立てられない雇用状況が進む中で「カネの力が強すぎる今の行き過ぎた資本主義を軌道修正しなくてはいけない」と述べ、一人一票の原則が、「人間の尊さ、人間の力をパワーアップさせ、人とカネとの力を均衡させることで、バランスの取れた経済活動、社会活動につながる可能性が広がった」と述べました。

 この後、小川議員の視察に同行したワーカーズコープ連合会理事の中野理氏も交え、オンライン参加者との間で意見交換を行いました。

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中野理氏(ワーカーズコープ連合会理事)
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司会の中村あきひろ墨田区議
(*)2020年末に成立した新しい協同組合法。地域でさまざまなニーズに応じた仕事を創り出すことを通じて、持続可能で活力ある地域社会を創ることを目的とした非営利法人法で、法人経営にあたっては全組合員の意見反映を原則としている。事業範囲は「労働者派遣事業」以外は原則自由に立ちあげることができる。