立憲民主党は12月19日、「自民党派閥裏金調査チーム」(座長・山井和則衆院議員)による第4回目のヒアリングを国会内で行い、細川護熙政権で首相秘書官を務めた成田憲彦・駿河台大学名誉教授や関係省庁から話を聞きました。

山井和則

 冒頭のあいさつでチーム座長の山井和則衆院議員は、東京地検特捜部が同日午前、政治資金規正法違反の疑いで安倍派と二階派の事務所を家宅捜索したことに言及、「二階派の2人の大臣はどうなるのか。特に小泉法務大臣はこうした事件で法秩序を守る責任者。岸田総理がどう判断するのか、注目していきたい」と述べました。

 細川政権で政治改革に関わった成田名誉教授は、今回の自民党派閥裏金問題を受け、「リクルート事件は未公開株の譲渡で始まったが、未公開株で刑事訴追を受けた国会議員はいない。そこにはいろいろなプレイヤーがいて(政治改革の動きが)拡大した。自民党の再生のための政治改革から始まったが失敗し、細川さんや小沢(一郎)さんたちによる日本政治の再生のための政治改革となって政権交代がおき、政治改革が実現した大きな流れがある。今回も、キックバック問題から入るかもしれないが最終的な出口は日本政治の再生でなければいけないと思っている。ぜひそういう気持ちで取り組んでほしい」とあいさつしました。

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 政治活動費や政策活動費については、メディア等で使途を報告しなくていいお金だと説明がなされていることに対し、「全くの誤解」だと発言。政治活動費や政策活動費は、会計上は「渡切り」というお金の出し方で(会計法では2003年に廃止)、これを私的に使った場合は「雑所得」ではなく、横領・背任にあたると述べました。党の役職者が議員に寄付した場合は個人献金の枠の問題が生じ、受け取った側の議員は自分の政治団体の収支報告書に記載する必要があるとして、立法的解決を要する問題だと指摘しました。

 その上で、派閥の会計責任者が議員側に「政治活動費(または政策活動費)」と言って渡した場合と、「寄付」と言って渡した場合の本質的な違いは、寄付の場合は経理と収支報告書記載の義務が議員に移転するが、政治活動費の場合はその義務が派閥の側に残ると説明。形式的には政治活動費が派閥の収支報告に載っていないことが問題で、議員側が書かないのは正しいが、実質的な寄付だとして刑事訴追を受けるのが実質論だと述べました。こうしたことを踏まえ、「検察としては、経費で渡そうと寄付で渡そうとも派閥は立件できる。受け取った議員の方は経費としてもらったことを崩せないと立件できなくなる。派閥の方が立件しやすいのが派閥の立場。共謀を立証できるかがハードルだが、長年やっていれば必ず痕跡はある。検察はそういう見込みでやっているのではないか」との見解を述べました。

 また、登録政治資金監査人による監査が派閥は対象外、政党本部は内部監査のみであるとして、実質的な監査制度が必要だと訴えました。

 最後に、「リクルート事件は未公開株の問題から日本政治の改革にどのようにエスカレーションしていったかというストーリーの教訓。今度も自民党再生のための改革、派閥の問題除去や解消だけでなく、日本政治が持っている悪弊を改革しなければだめだと拡大していくのが野党の仕事。政治浄化と日本が変わるための最も優れた手段は政権交代だと野党がどれだけ訴えていけるかだ」と激励しました。