岡田克也幹事長は1月23日、国会内で記者会見を行い、自民党の派閥と裏金問題について発言しました。

 岸田総理が自民党の派閥解消について発言したことについて、岡田幹事長は「そちらに重点を移して、支持率があがると期待していたかのように見えるが、それは本質的な問題ではない。有権者は冷静によく見ている。パフォーマンスだ。非常に中途半端。自民党は過去にも派閥解散と言いながら、元に戻ってきた過去がある」と述べました。

 岡田幹事長は、討論番組での自民党の茂木幹事長の発言について「ただ一つはっきりしたことは、政策活動費については絶対にやらないんだ」との考えが示されたと指摘し、「政策活動費が大きな争点になっていく」と述べました。


岡田克也幹事長記者会見

2024年1月23日(火)15時00分~15時25分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/P2FiFTCa4Ws


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○裏金問題 政治改革の議論について

【幹事長】
 私からは、まず、政治改革の論議です。
 きょうもこれから(政治改革)実行本部の全体会合をこの場で1時間後に開こうと思っておりますが、26日に国会も始まりますので、26日くらいを目指して我が党としての考え方を最終的に決めていきたいと考えております。きょうは幅広く、前回お配りした検討メモに基づいて、引き続き皆さんのご意見をいただこうと考えております。
 自民党のほうは、総理の派閥解消という、解散という話がありまして、そちらに重点が移ったかのように見えましたが、やはり有権者の皆さんはよく見ておられて、それは本質的な問題ではないと。何か解散をすれば支持率が上がるのではないかというふうに総理の周りで期待する向きもあったやに聞きますが、もちろんメディアによって結果はだいぶ違いますが、基本的に冷静に有権者・国民の皆さんは見ている。単なる目くらまし、パフォーマンスであるというふうに考えておられると思います。
 内容的なことは個々には申し上げませんが、派閥の問題も、これは解散は全てに及ぶわけではないという意味で非常に中途半端だと思いますし、そもそも派閥の解散が今までの事例を見ても何年かするとまたいつの間にか元に戻っているということで、私に言わせれば、それは目くらまし、パフォーマンスだということだと思います。
 それから、先般「日曜討論」をやったのですが、茂木幹事長は、デジタル化もやるとか、いろいろ抽象的には言われましたが、やはり具体的なことを見ないと何も言えないと思います。
 ただ、一つはっきりしたことは、政策活動費(廃止)については、これは絶対にやらないんだと、そういう茂木さんの考え方が示されたのだと思います。私が政策活動費についてもと言い、そして、他党の幹事長もそれと同趣旨のことを言われたにもかかわらず、茂木幹事長は、政策活動費の問題もあるけれども、もっと額の多いのは(政党交付金で)税金を使ってお金が出ていることだというふうに、問題を全くすり替えた話であります。政策活動費は歳出の話であって、国の税金が各政治活動に入っているというのは、これは入りの話で、次元の全く違う話に、話をすり替えてしまったわけであります。そういったことを見ても、政策活動費が非常に大きな争点になっていくのだなと思っております。
 これは、与党、公明党も含めて、このままでは余りにも不透明だという問題意識は共有できていると思っていますので、しっかりと戦っていきたいと考えております。


■質疑

○衆院補選について

【フリーランス】
 政治資金規正法のことに基本限って伺いたいが、まず、ちょっと段階を追って一つ伺いたいのは、4月28日投開票で補選になるが、総理が、補選が厳しいということで、補欠選挙吸収解散・総選挙というようなことが、実は前々回の解散のときは補欠選挙を吸収する解散・総選挙だったが、岸田総理が4月28日に向けて予算成立後に補欠選挙吸収解散・総選挙に打って出る確率というのはどのくらい、8割とか五分五分とかあるのではないかと思うが、いかがお考えか。

【幹事長】
 そういう想定の問題に私がお答えすることはございません。

○裏金問題 政治改革の議論について

【フリーランス】
 政治資金規正法改正案の議論が自民党の実行本部のほうにあるかと思うが、30分前にNHKが配信している、取りまとめはこういうふうになるのではないかといった中では、一時言われていた会計責任者ではなく代表者の刑事罰というのは一応今報じられているところにはなく、政治資金の透明化や公開性の向上、逮捕された議員の報酬のあり方などについての政治資金規正法の改正など必要な法整備を速やかに行うこととしています、というふうにある。政治資金規正法の過去の改正に関しては、議員立法で、最大野党が賛同していない状態で倫選特が開かれたことはどうやらないようだ。改めて調べたが。そういった形で、茂木幹事長のほうから政治資金規正法改正案の原案をつくったので野党で修正協議をお願いしたいということが、仮にだが、自・公・維・国だけではなく立憲民主党も入って修正協議をしてもらいたいというようなことを早いタイミングで言ってきた場合は、補欠選挙より前のタイミングで、立憲民主党として協議の場に着くことはあるか。

【幹事長】
 いろいろな想定に基づいて言っておられるので、ちょっと私、答えるのは適切ではないと思います。
 ただ、言えることは、そういう改正論の前に、まず事実関係を明確にするということが極めて重要だと。総理ご自身の宏池会も含めて、具体的な説明はなされておりませんので、解散するということを決めた、つまり今回不記載があったり裏金があったりした三つの派閥については少なくともきちんと説明するということがまず求められるのだと思います。それが全くまだなされていない状況。
 宏池会については、事務的なミスが重なったという総理の説明だけで、それが具体的にどういったことでそういったことが起こったのかということについて、今、宏池会の代表というのはおそらく空席だと思うのですが、こういった事案が起こっていたときは岸田さんが宏池会のトップだったはずで、岸田さんご自身がきちんと説明される必要があると思っております。

【フリーランス】
 最後の質問だが、政策活動費、党から幹事長個人へ出されるお金に関して、NHK「日曜討論」では、岡田幹事長からのもうお互いやめましょうという提案に関して、茂木幹事長は、政党交付金の金額が非常に高いという、全く関係のない入りと出が逆の話をわざとされたのかどうかわからないが、ただ、これに関する一連の報道を今まで見ていると、歴代自民党幹事長は就任後に事務方が来て、現金で前からこうやっていますからといって、何かロッカーに現金を十何億円とか入れられて、それ以上特に自分もよくわからないという歴代幹事長の声がある。ひょっとすると茂木幹事長も本当に主体的におっしゃっているのではない場合もあるかと思う。そこの部分に関して、例えば証人喚問というか、委員会の質疑の中で、自民党の幹事長や、その先で事務方との間でどういったことになっているのかを明らかにしたいとか、そういったことは今後話は進んでいくのか。

【幹事長】
 事務方との関係というよりも、時の幹事長個人に政策活動費が支払われれば、それは当然その当時の幹事長が責任を持ってそれを使っているはずですから、事務方どうのこうの言う前に、それは逃げられない話だと思います。

【NHK】
 先ほどの質問とちょっとかぶる部分もあるかと思うが、自民党の刷新本部での取りまとめ案が報道されたが、これについてはどのように受け止められたか。

【幹事長】
 まだ案の段階ですので、コメントは適切ではないと。どうなるかわかりませんので。
 ただ、何かめり張りのない、非常に腰の引けた、そういう案だなというふうには受け止めました。

【NHK】
 まずは御党の中で改革の案を示して考え方をまとめていくというのが第一だと思うが、野党各党との連携のあり方について、今の段階でどのように感じておられるか。

【幹事長】
 まず第一は、事実を明らかにすることです。それが第一です。その上で政策の議論になっていくのだと思います。
 予算委員会などでしっかり議論を重ねていく中で、他の野党、あるいは与党も含めて、いろいろな形での連携というものを探っていきたいと思っています。

【朝日新聞】
 政治と金で、事実の解明や説明が先だとおっしゃっているが、国会が始まるが、具体的なこととして、例えば証人喚問であるとか、政倫審を開いてきちんと議論するとか、いろいろあると思うが、その辺、どのようなイメージで考えているか。

【幹事長】
 それは議論を重ねていく中で、相手方がきちんと対応しなければ、制度上認められた、そういったことも活用することはあるかと思います。
 しかし、そもそも、安倍派の閣僚は排除されました。だけど、国会の中にはまだ残っています。そういうことをどう考えるかということも含めて、これから他の野党とも協議をしていくことになるのではないかと思います。

【朝日新聞】
 国会の中に安倍派の方が残っているというのは、それはつまり、委員長のことか。それとも、国会議員として。

【幹事長】
 全部辞めろと言っているつもりはないのですが、重要な国会の役職を務めておられる方もいらっしゃるので、そういうことをどう考えていくのかというのは、それは国対を中心に、他の野党とも協力しながら進めてもらう話だと思っています。

【朝日新聞】
 もう一点。与野党協議に入る上では、やはり事実解明や説明責任が先だと。それがない限り、なかなか与野党協議には入れないという、そういうお立場だということでよろしいか。

【幹事長】
 具体的な戦術の話になりますので、そういうことを私、あらかじめこうだと言うつもりはありません。
 だけど、やはり国民から見ても、疑惑のある人たちが、単に修正をした、あるいは、それすらもしないで、当然のように議員活動を従来と同じようにやっているということには、納得できないという声は私は非常に強いのだと思っています。

【TBS】
 きょうも自民党で政治刷新本部が開かれるが、この手の話が、昔から自民党、起こる度にこうやって議論するが、結局今回みたいな裏金問題が起こってしまっている。自民党にそうした刷新ができるか、お考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 刷新って、何を刷新するのかもよくわからないわけですね。先ほど言いましたように、本部長は総理です。総理ご自身が自分の派閥について全く説明していない。そこから話は始まるのだと思っています。
 収支報告書、宏池会、見ておりましたら、今回立件された資金担当者、責任者ですね、その上に代表者とあるのです。代表者も同じ人なのですね。常識で考えたら、やはりそこは、その派閥の長か、あるいは、少なくとも事務総長でなければおかしいと思うわけですが、同じ事務方が代表者も務めている。その一つ取っても、まともに法律を守っていこうという、そういう姿勢が見えないわけですね。そういうことも含めて、総理にはきちんと説明していただきたいと思っています。
 それから、解散されると言われました。どういうタイミングでどうされるのかわかりませんが、解散されれば、毎年計上されている繰越金、これをどうされるのでしょうか。まさか自分たちで分けるのではないでしょうねと。やはり被災地に寄附するなり、そういうこともあわせて言っていただければわかりやすいと思います。

【TBS】
 もう一点お願いしたい。今報道されている自民党の案の中では、自民党の派閥から人事の推薦はしないようにするという案が出ているが、今現在の内閣と自民党の役員というのは派閥の推薦を受けたものだと思うが、その点についていかがか。

【幹事長】
 どこまで推薦を受けたのかというのは我々はわかりませんので。官邸主導でやった部分もあるのかもしれませんし。しかし、総理ご自身がやはりそういう派閥のバランスというのを非常に気にしながら組閣もされたし、ましてや副大臣や政務官については派閥に丸投げに近かったのではないかと。だからこそ、女性が一人もいないという異様な形になったのだと思うのですね。そういうことも含めてしっかりと反省をし、そして、必要があれば是正をしてもらいたいと思います。

【毎日新聞】
 先ほどの政策活動費の関連だが、政治と金の資金の透明性が問われるという観点で、岡田幹事長のときではないが、以前の執行部の際に立憲民主党でも支払われていたかと思う。その以前の使途について、立憲民主党として公開する必要性があるかどうか、幹事長のお考えを教えていただきたい。

【幹事長】
 金額が相当違います、自民党とは。
 それから、今までは制度的には可能であったと。法律の根拠が、政党であれば個人に寄附できるという規定がありますから、そういう中で行われてきたことで、今後そういうものをやめるということが重要なのだと思います。
 ただ、一般論として言うと、やはりまとまったお金が何も説明されないままに計上されているというのは私は適切ではないと思っておりますので、今後の問題として、そういうことがもうできないように道を封じるということが大事だと思っています。

【毎日新聞】
 過去については適法であったので遡らないということでよろしいか。

【幹事長】
 適法であったことについて、それを事細かく説明するというのは、それはちょっと難しいことだと思っております。

【フリーランス】
 政策活動費だが、国税庁の見解は、全額使ってしまったら課税の必要はないと。一応税項目では雑所得になるという見解を示している。党から出してしまったものは、それについて返せというふうにはないが、例えば税金で、時効にかからない分については、では、どういうものに使ったのかというのを公開することも可能だと思うが、その辺りはどういうふうにお考えか。

【幹事長】
 これは政策活動費だけではなく、今回の届け出がないキックバックと言われるものも同じ問題があるわけですね。安倍派の場合には、収支報告書に載せないでねという指示があって、そして、キャッシュで受け取っていたというふうに言われています。つまり、それは政治資金ではないということですからね。政治資金規正法に基づく収支報告書に載せない前提で現金で受け取っているお金は、政治資金ではない。そうすると当然、雑所得。当然、所得税の課税の対象になるということだと思うのです。
 私は今回の一件について、裏金化したものについて、当然国税当局としてもその調査に乗り出すべきだと。検察は、共謀の事実がないということで、これは罪に問えないとか、それから、3000万とか、一定の金額で線を引いてやっていますが、だけど、一般市民であれば、何十万、何百万で、当然国税に厳しく説明責任を求められ調べられるわけです。それと比べると、今回、例えば3000万以下はおとがめなしとか、そういうのは、検察的にはそういう一つのルールがあるのかもしれませんが、国税は私はそういうものはないはずだと思います。したがって、国税庁にもしっかりと調べてもらいたいと考えています。

【フリーランス】
 すごく小さな政党とか、あとは共産党と公明党以外は、一応政策活動費というのが支出されている。自民党はものすごく多くて10億を超えるが、立憲民主党も一般の感覚からいったら結構な金額、国民民主党もたしか6000万ちょっと支出されているというふうに、収支報告書では記載されている。一応全額使えば税金はかからないということだが、ということは、全額使ったという証明がない限りは課税しないということだと思うが、これについて、立憲民主党としては時効にかかっていない部分についてはどういうふうに処理されるおつもりなのか。

【幹事長】
 ちょっと私は当事者ではないのでよくわかりませんが、それは使い切ったということではないかと思います。

【共同通信】
 先ほど、自民の改革案だが、案なのでコメントはされないということだったが、その上で、めり張りのない、腰の引けたものだというふうにおっしゃった。基本的に派閥の存続というのを前提にされたような形での改革案がまとまっていくのかと思うが、どの辺りにめり張りのなさや腰の引けているとお感じになっているか、もう少しお聞きしたい。

【幹事長】
 個別に言い出すと、これは切りがないので、私たちの考え方をしっかり述べた上で、必要に応じてコメントしていきたいと思います。

【フリーランス】
 30年前の政治改革の仲間である渡海紀三朗さんが自民党政調会長になられた。その点に関して、幹事長は昨年末、多少刺激は受けられたか。

【幹事長】
 渡海さんも1期先輩として活動しておられたと思いますが、どちらかというと、ちょっと流れが違ったのですね。我々は、政治改革を実現する若手議員の会。渡海さんたちは、どちらかというと、その後さきがけに行く、安倍派の当時の人たちということで、私はそんなに一緒に意見交換したりという記憶はあまりないのですね。ですから、ちょっとコメントしにくいです。

【フリーランス】
 もう一点だが、先ほどの毎日新聞さんや安住さんに一点お答えになられていないところがあるかと思うが、立憲民主党幹事長は政策活動費を何に使ってきたかということで、私が聞いている限りでは、完全無所属の知事候補とかに若干てこ入れするときに名前を出さないで出したいというようなお金が政策活動費だというふうに伺っているが、今まで立憲民主党の幹事長は政策活動費といったものは何に使ってこられたのか。

【幹事長】
 いや、ですから、私以外のことはわからないのですね、これは。
 私がこの前申し上げたのは、幹事長を4回やっています。最初は2003年です。その頃の記憶だと思うのですが、一回だけ、これは政策活動費で処理せざるを得ないなと、自分を納得させた案件が一件だけありました。それ以外はありません。私は全く使っていません。必要があると判断はされませんでした。

(以上)