衆院本会議で2月15日、「地方財政計画及び地方税法等並びに地方交付税法等改正案」の趣旨説明に対する質疑が行われ、湯原俊二衆院議員が登壇しました。

 冒頭、「今回の裏金問題が発覚してから3ヶ月間も経つのに、岸田総理のリーダーシップが全く見えない」と国民の声を紹介し、「疑惑解明に不熱心な自民党の姿があらわになった」「国民は厳しい目で自民党を見ている」「最低限、政倫審に応じるべきではないか」と訴えました。

(1)能登半島地震対応について

 立憲民主党などが通常国会初日に提出した、被災者の生活再建を支援する支援金の上限を現在の300万円から600万円に倍増する被災者生活再建支援法の改正案について、支援金の上限が平成16年から20年間300万円のままであること、今の物価高もあり生活再建できないこと等、改正案の趣旨を説明しました。

 これに対して、政府案は、「被災者を分断するものだ」と指摘し「高齢者の有無、県境に関係なく全震災被害者を対象に、支援金の上限を倍増すべき」、「液状化した土地にある住宅についても、エリア判定を含めた判定基準に緩和すべき」と訴え、松村防災担当大臣の答弁を求めました。

 松村大臣は「現在も支給が継続されている。公平さの確保の点からも慎重に」と見直しに否定的な答弁でした。

(2)政治とカネについて

 裏金を政治資金収支報告書に不記載の自民党議員は、立件された元自民党議員を含めると85名にのぼり、多くの議員が政治資金収支報告書を先日訂正したが、「どこからいくら入ったかも、何に使ったかも明らかにしていない」「政治資金として使い切らず残ったものは課税の対象になり、脱税の疑いが生じている」と指摘しました。

 「このまま収入も、支出も不明という政治資金収支報告書の訂正を黙認するということは、政治資金規正法の理念に反すると考える」と述べ、「不明だらけの訂正が、この理念に合致するのか」と松本総務大臣に問いました。

 松本大臣は、総務省としては形式的審査権以上のことは実務上「取扱いはしていない」と答えました。

湯原俊二 衆院本会議

(3)こども子育てについて

 普通交付税の基準財政需要額に新たに「こども子育て費」が創設されることに関連して、「基準を18歳以下の人口にすると、人口減少、少子化が急速に進んでいる地方ではなく、18歳人口が多い都市部へ多く配分される懸念がある」と指摘しました。

(4)定額減税について

 定額減税について、湯原議員は「そもそも、岸田総理が選挙目当てで国民受けをねらい、突然打ち出したもの」「政権の保身のための政策によって、自治体は振り回されている」と指摘しました。

(5)物価高と金利負担について

 教育、医療、福祉の分野でも、物価高、資材の高騰で自治体の財政を圧迫しているとして、種々の施策を踏まえても、「これだけで物価高に対しての自治体の負担増に対応できているのか疑問」と指摘しました。

(6)会計年度任用職員処遇について

 会計年度任用職員の処遇改善に関連して、「そもそも自治体職員の4割が非正規雇用という実態が異常だ」と指摘し、「恒常的に必要な業務には、会計年度任用職員ではなく正規雇用の職員で対応すべき」と述べ「地方公務員の総数を確保するための給与関係経費のより一層の増額と抜本的な処遇改善」を求めました。

(7)マイナンバー情報総点検について

 湯原議員は「政府がマイナンバーカードの普及を拙速に進めたため、誤情報の紐づけがあり、国民の不安は増大しマイナ保険証の利用率は4%台と低迷していることに関連して、「政府の要請により誤情報の紐づけ等をチェックするため、自治体は大変な労力をさき、負担が増大した」と指摘し、政府の責任を問いました。

 湯原議員は「アベノミクス、地方創生、一億総活躍、女性が輝く社会、新しい資本主義、子育て支援金など、実態を伴わない言葉だけが踊る政治。本当にこういう政治を、社会、国を、次の世代に押し付けていいのか」と問い、「放置や無作為は許されません。政権交代によって、日本の政治を変えなければならない」と訴えました。

湯原俊二 衆院本会議

「地方財政計画及び地方税法等並びに地方交付税法等改正案」趣旨説明質疑 湯原俊二議員.pdf