9月27日の自民党総裁選で新総裁に石破茂氏が選出されたことを受け、同日野田佳彦代表が記者団の取材に応じました。

 野田代表は、「就任おめでとうございます」と述べた上で、同い年であり、自身も代表選挙をラストチャンスのつもりでやったと振り返り、「今回の石破さんも、ラストチャンスにかける執念というものを感じた」と語りました。

 立憲民主党としてどう向き合うかとの質問には、「(国会の論戦で)噛み合うところもあるかもしれないし、ここは違うぞと厳しく指摘するところも当然あると思う」と述べ、まず国会の論戦をしっかりやっていきたいと語りました。

 総裁選中に総理に就任した場合、衆院解散前に予算委員会の開催をするとの考えを示したことについては、「われわれは、もともと能登のため、復旧復興のために補正予算を組み、成立させるべきだと申し上げきた。そのために予算委員会を開き、その他の政治姿勢についても、きちんと予算委員会で質疑することを望む」と述べ、加えて「石破さんなら党首討論も逃げないんじゃないか」と語りました。

 その他、記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:石破氏は世襲の議員だが、この点については

 今回の国会でも政治資金の面で世襲を制限する法律などは提出をしたいと思うので、これについてのご本人のご意見などもお伺いしたいと思う。

Q:政治と金の問題について、今回総裁選の候補者は一貫して政治と金の再調査に慎重な考えを示していたが

 皆さん通常国会中には全く何も言わなかったのに、立候補しようという時の記者会見では急に政治改革に熱心な発言があった。ただ選挙が始まると国会議員票を気にしてか、どんどんとトーンダウンしていった。
 少なくとも裏金の問題については新しい事実が判明しない限り再調査しないと全員が後ろ向きになったので、そういうことについても石破さんにはお尋ねをしていきたい。

Q:旧統一協会の問題についてはどのような姿勢で臨むか

 同じようにこれもまた再調査の必要性が出てきている。組織との関係、あるいは個人についても改めて再調査が必要ではないかと思うが、この点についてもしっかりと国会の中でただしていきたい。

Q:解散総選挙があるとも言われているなか、党内野党とも言われる石破さんとの対決は立憲にとって戦いづらいとの指摘もされてきた。どのような対立軸を設け、自民党と選挙において対峙していくか

 復旧復興のための補正予算を成立をさせるのかやらないのか、それによって解散のタイミングが異なってくると思う。やるべきことをやった後に国民の信を問うのは受けて立つ。
 解散権は総理にあるのでいつも受けて立つ構えだが、最低限の責任は与野党関係なく果たそうじゃないかというところから始め、その主張を石破さんが飲むかどうかを試していきたい。

Q:石破さんと個人的なエピソードが何かあるか

 私が内閣総理大臣の時に予算委員会の筆頭理事は石破さんだった。何度も論戦しており、その他の例えばテレビなど、いろいろなところで討論をいっぱいやってきている。
 だから、逆に言うと逃げないタイプだと思う。私も逃げるタイプではないので、がっぷり四つに組んで、どちらが押し切るか、そういう論戦をぜひやってみたいなと。腕がなるなという感じがする。

Q:早期解散への警戒感はどうか

 もちろんある。やはりご祝儀相場がある時に解散をしたいという欲求に歴代の自民党リーダーは常に駆られてきたと思うので、それは十分ありえると考えて準備をしていかなければならない。