立憲民主党は2月7日、1歳児の保育士職員配置の改善に向けた加算措置に関する条件緩和を、友納理緒内閣府大臣政務官に申し入れました。 政府は、保育の質向上の観点から1歳児の職員配置の改善を進めるため、令和7年度予算案において、公定価格上の加算措置として新たに「1歳児配置改善加算」を措置しました。しかし、この措置には厳しい条件が課されており、結果として施策の本来の目的である職員配置の改善が進みにくくなるという懸念が関係団体から指摘されています。

 「1歳児配置改善加算」は、施設・事業所において、1歳児の職員配置を5対1以上(現在の基準は6対1)に改善した場合に加算されるもので、(1)処遇改善等加算ⅠⅡⅢの全てを取得していること(2)業務においてICTの活用を進めていること(3)施設・事業所の職員の平均経験年数が10年以上であること、の全ての要件を満たす事業所が対象となっていますが、特に要件(3)は、経験年数が浅い保育士が多い現場の実態にあっておらず、若手保育士の採用や定着を阻害する可能性もあります。

 立憲民主党は、全ての職員に対して月額1万円の処遇改善を行う「保育士・幼稚園教諭等処遇改善法案」の提出・成立を目指しています。現状低すぎる保育士の処遇を改善し、保育士の確保や保育の質の向上を図ることは喫緊の課題です。「職員の平均経験年数10年以上」という要件があるために多くの施設が加算の取得を断念する状況となれば、保育の質向上の趣旨に反します。立憲民主党は、すでに保育施設が新年度からの職員採用を進めていることを踏まえ、個々の保育所の規模や在職者の勤続年数分布により新規採用が困難となるような「施設・事業所の職員の平均経験年数10年以上」の要件を速やかに撤廃するよう政府に緊急要請しました。

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 申し入れ後に記者団の取材に応じたネクスト子ども政策大臣の高木真理参院議員は、「平均経験年数10年以上という厳しい加算要件に対して、保育現場では、これでは新人職員の採用もできないとの悲鳴が上がっている。この声を届け速やかに要件を撤廃するよう求めた」と要請の趣旨を説明。また、「友納政務官の回答は、保育の質を改善するための仕組みでありこのままスタートしたいというものだったが、これから保育士になろうとする人にも水をさすようなことになってしまう。加算が取れているか執行状況をみたうえで早急に改善すべき」と強く求めたことを報告しました。奥村政佳参院議員は、「保育士が定着しない大きな理由の一つに現場の負担感が大きいことがある。賃金を上げても有効求人倍率が下がらない。これを解消するために配置基準の改善をするのに、こういう加算要件を付けてしまうと現場の状況が改善しない。要件の撤廃を今後も要求し、予算委員会や内閣委員会でも取り上げたい」と意気込みを述べました。

 今回の申し入れには他に、森田俊和、坂本祐之輔、柚木道義、早稲田ゆき各衆院議員が参加しました。

保育施設の職員配置改善加算措置に関する条件緩和を求める緊急要請20250207.pdf