野田佳彦代表は5月21日午前、江藤農林水産大臣が「コメは買ったことがない。売るほどある」などと発言した問題で石破総理に辞表を提出、事実上の更迭となったことを受け国会内で記者団の取材に応じました。
野田代表は、江藤大臣の辞任に「ある意味当然。主食のコメが急騰して苦しんでいる国民生活に対する配慮も何もない、国民感情を逆なでする発言だった。民のかまどから煙が見えなくなってきつつあるという現状に対する危機感もない。まさに大臣としては適任ではない」とコメント。こうした発言自体を柔道でいう「技あり」だと述べた上で、その後の「ウケを狙った」「妻から電話で怒られた」「宮崎弁的な言い方」といった一連の釈明に「まったく反省がない。もう一つ技ありで、合わせて一本だ」と断じました。
石破総理が続投方針を撤回しての事実上更迭となったことには「常に一手遅い。むしろ総理の説明責任が求められてくるのではないか。年金の問題もそうだが、物価対策、高額療養費の問題など、判断が一歩二歩遅れることが多い。問題に対する危機感、問題認識がきちんとされていないと問題解決ができない。その辺の判断の遅れがずっと続いていて、今回はその一環だと思う」と指摘。「物価高の中でもある意味国民が最も関心を持っている、一番象徴的なテーマがコメ。主食であり、ご苦労されているなか(政府の対応で)結果が出てこないことに対する苛立ちもあるだろうタイミングでの大臣の事実上更迭は政権にとっては大きな打撃だったと思う」と指摘。
重要広範議案がまだ多く残るなか今後の国会審議への影響について問われると、「農水は、引き続き米の価格は高止まりしたまま。4200円台で推移している状況をどう打開するか、コメの価格形成あるいは流通の改善など、特に農政は大事な課題がたくさんあるので、残りの期間で徹底した審議を進めていきたい。加えて、われわれも議員立法をたくさん提出しているので、こうした問題もしっかり審議していかなければいけない」と述べました。党の対応としては、「ただ批判だけではなく、修正も求めてその実現をしていく」と強調。先週の衆院本会議で賛成した閣法の多くは、求めた修正が通ったものだとして、「修正が通るようになってきた。こうした異変に気付いてほしい。年金の問題でもしっかりと(アンパンの)あんこをもう一回詰め直すような修正をする。そういう審議を徹底してやっていきたい」と述べました。
